難題

まぁ、覚悟はしていたのだが、思っていたよりもギアを上げれない日々が続いている。いろいろ原因は考えているのだが、「これ!」というのが見つからない。薄々気づいてはいるのだが・・・この日記でまとめていればわかるかも。

これまでと違って贅沢しなければ、生きていくには十分な二百俵二十人扶持くらいはもらえることになったわけだから多少心躍っても良いはずなのだが、思っていた以上ではなかった。

先月の16日でおいらも三十路も中盤にさしかかったわけで、そろそろ俗に言う「人生設計」的なものを考えてもよいはずなのだが、それもイマイチ気乗りがしない。祝日前に石積み場の人と呑みにいったときにも話題にあがったが、やはりこの年だと「結婚」というテーマで、あれやこれやつっこまれる。まぁ、その気持ちもわからんではないが、「別にいいやん・・・こういのってタイミングでしょ?」としか返せない。というか、思うのだが・・・男から女の人に「結婚」の話をすると「セクハラです」みたいなビデオをみさせられたのに(多少、大げさにいってるが)、男に「結婚」の質問をしても大丈夫って、どういう了見なんだ?別に気にしてないから、どうでもいいのだが、左手の薬指みればいいんじゃないのか?それをいったら「男は装飾品をつけないから、してなくても結婚している可能性がある」という反論をもらったが、そんなんしらんわ!おいらの場合、会話の中に「結婚」のテーマはでてこないが、ぱっと見、自分よりも年上っぽく見えて、左手に指輪がない場合は、その手のテーマは避けるようにしている。ほんとどうでもいいことを気にしていると自分でも思うのだが、わざわざ敵を作る必要もない。

とにもかくも、ギアを一速にいれて坂道をあがっているような気分。体が悲鳴を上げている。

どうしていいのかわからない。右往左往とか周章狼狽というのはこういうときこそ使うべきことばなんだろうとしみじみ思うが、生活自体は本当に穏やか・・・春風のように穏やか。でも、だからどうした・・・という気分だ。

オリュンポスはハイソな街で、通勤している人は別だが、オリュンポスに住んでいる人は、犬の散歩している人も雰囲気が違うし、日傘率も異常に高い。かわいい、かわいくないを別にして・・・「こういうのをおしゃれっていうんだろうな〜」と思うことが多い。Cafeに入って隣人を眺めても、そしてその話にそば耳立てても、その内容に全く共感を得ることができない。はっきりいってしまうとくだらないのだ。どっちが上とか下とかそういう次元の話ではない。会話に上も下もない。そうではなくって、単純に興味がないのだ。会社や同僚に対する愚痴が聞こえてくるんだったら、それはそれで楽しめるのだが、昨夜の晩飯には何作っただの、犬がどうとか、この前いったCafeがどうとか、家のレイアウトがあ〜だとか・・・意味もわからず自信がなくなる。

話は飛ぶが、オリュンポスはおされなCafeやらレストランが多く、そして外国人が多いからなのかは知らないが、パスタの味は抜群である。ちょっとびっくりするほど。普通のCafeのパスタがあそこまでアルデンテだとは思わなんだ!だから、食事には困らないのだが・・・いかんせん高い。サブウェイに1年半通い続けたおいらとしては、昼食1000円は、まさに清水ものだ。それさえも慣れきそうにあるから・・・いや、逃げ場もなく、どうしようもないという理由から、無理矢理自分を納得させつつある状況が怖い。

今もっぱら頑張っているのが、呑み仲間作りである。日雇いの頃は、やはりどこかアウトローな気分もあったのか、また、自分から「おいらはお抱えじゃないし・・・」という劣等感があったのかしらんけど、石積み場内で、誘われればいくものの、自分から積極的に誘うということはしてこなかった。しかし、もうそうもいってこれなくなった。少なくとも3年間はアクロポリスにいるわけだし、立ち回りとか、そういう打算的な面からも、石積み場内に気のおけない友達は必要である。「俺(私)はいらない」という人もいそうだが、おいらは1人で生きていける自信はまったくない。断言してもいい。人と話すことでしか、自分を価値を見いだせないのだ。だから、その辺りは必死である。

なんだけども・・・みな防御が固い。みな「そう簡単に気のおけない友達にはならないぞ!(わよ!)」とガードを固めているわけではなく、おそらく、これまでの経験上、おいらにはわからない、なんらかの「悟り」があるんだと思う。そこが、長い日雇い生活をしていたおいらとの差だ。うまい例えではないが、風邪にかからないように自己管理をしっかりしている人と、「風邪なんかかかったら寝てればなおるよ!」という発想の違いだ。ようは、時間の流れ方の問題なのだろう。

で、遠回しに書いたが、何がいいたいかというと・・・「なにを会話していいのかわからない」ということを言いたいのだ。

どちらかというと慇懃無礼なおいらだが、深読みしてくれて「屈託がない」ととってくれる人もいて、これまで防御もなしで攻撃しても、「あ〜あなたはそういうタイプなのね・・・」と許されてきた(または、二度と会わなくなる)ところが、許されなくなっている気がしてならない。「これからずっと(しばらくは)一緒に石積みをする」という部分が大いに関係しているのだろう。正直、最初からそういう「武装」をしている人には興味を示してこなかった。いうたら、好きなものだけ食べてきてしまったわけだが、中には、これまで信じてきた「匂い」がとても良い人もいたりする。そういう人に遭遇すると、おいらが元にかつての貴方に戻してあげる・・・となってしまうのだ。ホント大きなお世話だが、人を怖がる猫に「大丈夫!大丈夫・・・何もしないから・・・」と声を掛けたくなってしまう。

どっちがいいとかおいらにはわからはずもないのだが、某マンガの台詞にあったように「人をを疑って身の安全を保つよりも、人を信じて裏切られた方が良い」というのでいきたいのだ。

これが5時半に終わる石積み場でなければ、「おいらには他に遊んでくれる友達がいるたい・・・」となるのだが、5時半にはあがってしまうので、そうもいってられない。

今現在は、とても経験値が高い大人で、本人もいっているように「石積み場内では殻にこもる。何も期待しない」な感じがするヘラさんと、確実に呑んだ暮れのアフロディテさんを何とか「呑み仲間」にしようと画策中。アテナさんは大人なのだが、ヘラさんを誘うともれなくついてくるというので、特に作戦はなし。

ヘラにアフロディテにアテナと・・・まるで女人ばかり気にしているようにとられると心外なのだが、うちは女傑が9割くらいの石積み場なのでいたしかたない。上役のハデスさんは、こちらが一方的に慕っている感じで、本人は「一人」が良いような人なので、嫁のアテナ・・・ってなんか矛盾しているが、この日記ではいたしかたない・・・と仲良くなれば、自ずと仲良くなれよう。

これまで旅・・・つまり、異国の話ができる人、または興味がある人としか話をしてこなかったツケがここでまわってきたといったところだろう。旅にかかわらず、自分の好きなテーマで、相手もまたそのテーマが好きで・・・という人だけを選んできたのだろう。それがいまはできない。会話が会おうが、会うまいが、がんばらなければいけない。これに敗北すると悟ってしまうことになる。「石積み場では、友達はつくらない・・・」みたいな。

いやはや・・・本当に難しい。何をテーマに会話すればいいのか、またその会話から何を導きだせばいいのか・・・まったくわからん。

やはりわかった・・・・それが、今のおいらのローギアの理由なんだ。

これから呑む人には、普段は石積み場の人とどんな会話をして盛り上げているのか、または、盛り上がっているのか、真剣に尋ねてみて研究するつもりだ。

とりあえず、明日は気のおけない友達と呑むから、そのあたりをしっかり聞いてみようと思う。

こうやっておいらも「お・と・な」になっていくんだろうな〜。