賽の河原

うちの職場「賽の河原」には有給休暇というものが存在しないらしい。

派遣石積み職人なおいらは、派遣元から有給休暇がもらえるから関係ないのだが、最近それを知ったラクシュミ君は大いに憤慨していた。

社会に疎いヨモツシコメのおいらとしては「え?それって法律的にいいの?」という疑問しかでてこなかったのだが、存在する異常「アリ」なんだろう・・・。

「有給があってもとれない」という状態と一見同じようにも見えるが、「ある」か「ない」かの違いって、それを行使しようとしたときに大きな差がでてくると思う。賽の河原の場合は、一応言えば休ませてくれるが、「なし」なものを「あり」にしようと思うとかなり苦労しそうだ。限りなく0にちかい「なし」と、完全なる0でる「なし」では、気分的なものも違ってくると思う。

あの朗らかなクリシュナ君が叫ぶのも無理はない。

ついでにいってしまえば、賽の河原の上層部は「融通」というか「人間味」というかそういうのが足りない。派遣石積み職人では、システムのすべてを知るなんてことは不可能で、誰が、またどのような形で、会社の運営が決まっているのか知らないが、もうちょっと「自分の会社で使っている人間」に対して気を利かせてもいいと思う。

うちは隔週で土曜出社があるのだが、今月はその出社日が3連休にあたるらしい。つまり、彼らは2連休にしかならないわけだ。

零細企業なうちの会社(実家)は月に一回、第二土曜日だけ休みなのだが、連休になりそうな月はそれに合わせてずらしている。おいらとしては、それは「当然」なことのように思えてしまうのだが、世間一般ではそれは「普通」じゃないんだろうか?

大会社とかはしらんが、賽の河原は小さい会社なんだから、ちょっと回って聞いて、みながそれ(3連休)を望むなら、そうしてあげればいいと思うのだが・・・。

連休だろうがなんだろうが、働かざるを得ない人も腐るほどいるだろうが、それくらい変更してあげても・・・それほど変わらないと思うんだけどなぁ〜。なんでそうしないのか、とても謎だ。本当に謎だ。

謎といえば・・・ゴブリン君を含めたうちの正石積み職人。

平日は朝から終電まで働いて、隔週で土曜日まで働いて、いったいぜんたい、いつ遊んでるの?

月〜木まではまぁよしとしよう。でも、金曜日くらい早く帰ってもいいんでないの?月に四回、毎日金曜終電って、友達とはいつあってるの?呑む友達がいないということなのか?どうやって毒抜き・息抜きしてるの?賽の河原の正石積み人同士で呑みにいくことなんてまずありえないし、これまで聞いたことも、見たこともないわけだから、おそらく呑みにいったり、食事にいったり自体も滅多にないことなんだろう。

もう次から次へと知りたいことがでてくるのだが、いかんせんコミュニケーションのない賽の河原では、そんなことを質問できるように至るまでの道はとてつもなく遠い。その「遠い」は、限りなく可能性0に近い「遠い」ではなく、可能性0の「遠い」な気がする。

なんか、「不憫」を通り越して「哀れ」と思ってしまうのは、おいらのエゴなんだろうか・・・。きっとそうなんだろうな〜。


こういう石積み場ばかりだったら・・・と考えると、怖くて面接だけで正石積み職人になる勇気がでてこない。practicasのように一度ちゃんと中でバイトでも派遣でもいいから働いて、中を少しは知ってからでないと・・・。

世の中、こういう石積み場が普通に存在するの?それとも、異質なの?

願わくば、後者であって欲しい。頼むから後者であってくれ!

賽の河原の人自体、ホントみんないい人なのにな〜。

どうして会話があそこまで少ないんだろう・・・。