いろんな話

人生3度目の終電石積み。こればっかりは一生慣れない気がする。肉体的にではなく、精神的にえぐい。生きてるのがばからしくなるから。

おかげで、帰ってきて悪事を働く。せっせせっせと調べては悪事を働く。しかし、どうにもこうにもうまくいかず断念。ふて寝。あとから調べたら、根本的に不可能な事柄だったようだ。まぁ、そりゃそうか。世の中そんなに甘くない。

いろんな話。

■嘘のようで、本当の話。
例のごとく、セルフのうどん屋でうどんをすする。今日も磯辺ちくわの誘惑には勝てず、うどんにのせてしまった。なんどとなく「今日は絶対にのせん!」と思っていくのだが、目の前にするとなすすべもなくのせてしまう。最初の頃は「え?おいらって磯辺ちくわ、こんなに好きだったっけ?」と信じられなかったのだが、今では「石積み初めての新しい発見」という認識に変わった。なにがいって、あの「緑」がいいんだと思う。今のおいらに、磯辺ちくわの入ったお弁当を作ってきてくれる子がいたら、一瞬好きになるだろう。一瞬。

そんな話じゃない。

磯辺ちくわを頬張ってると、後ろからちょっとマダム系のあの低いんだか、甲高いだかよくわからない声が聞こえてくる。明らかに場違いな声。

無視して磯辺ちくわを頬張る。

マ「もぉ〜しわけございません。つかぬことをおたずねしますが・・・」

磯辺ちくわ、二口目。もう首っ丈。

マ「チュニジア大使館にはどういくざますか?」

瞬時にして後ろを振り返る。磯辺ちくは完敗。

「か・・・怪物くん???」

30年いきてて、漫画とかドラマ以外で、初めて「ざます」って使っている人にあった。

っていうか、文法的にあってるの?なんか、以前、大学の先生がウンチクを語るかのごとく、ざますは遊郭が起源の言葉・・・とかそんなような話はしていたのは覚えているのだが、あれって一種のギャグじゃないのか?

「ございます」が「ござ〜ます」になって、「ざます?」と勝手に推測はしていたのだが・・・。

じろじろ見ていたら、そのマダムと目があってしまい、偶然チュニジア大使館をしっていたおいらは道を教える。教えながらもそのマダムの発した「ざます」ばかりに頭がいってしまい、一本道間違えて教えてしまった。そのことに気づいたのは、昼飯を終わったあとの帰り道・・・。

「なんなんざますかっ!あの男は・・・嘘いったざますね!こんどあったら承知しないざますよ!」

一人勝手に想像して、ほくそ笑む。間違った道を教えたことなんてすぐに忘れた。


■日本人として大切な話。
PS2プレステ2)がここにきてまた値下げされるらしい。2万円をきって18000円とかなんとか。さらには、小型のPS2もでるらしい。こちらも2万円いかない。

ゲームはPS1(なぜかうちには2台ある。買った記憶はないのだが・・・)がギリギリで、PS2はあまりやった記憶さえない。一時期、ドラクエやるために、にょろから奪ってやっていたことがあったが、ほとんど記憶なし。

が!やはりゲーム機器大国日本に生まれた人間としては、ここらでPS2を買っておかなければいけないような気がする。買ってもどうせやってる暇も気力もないだろうけど、あればもしかしてやっちゃったりするんじゃないか・・・とも考える。

ゲームを買うつもりなんてほとんどないが、運良く康雄夫妻はゲーマー夫婦(多少語弊があるが)で大量のPS2のゲームをもってるし、さらには最近引っ越して遊びにいきやすくなったし・・・。

買ってもどうせ埃がつもることになるかもしれないが、ここは日本人として・・・。じゃないと、スペインにいったとき、日本人としてのアイデンティティが・・・。


■信じたくないけど、現実な話
コミュニケーションの少ない我が「賽の河原」において、おいらはよく一人ごちる。これはおいらだけではなく、この手の石積みをしている人にはありがちな話しであるらしい。おいらのあとに正社員として入社した若いオーガ君は特に独り言が多いらしい。おいらはちょっと離れているので、まったく聞こえないのだが・・・もう一人の女性正社員のラミアさんがそういっていたらしい。

ちなみに、「らしい」ばかり書いてるが、コミュニケーションがないから、うわさ話のように人づてに伝わってくる。まるで伝言ゲーム。

ラミアさん曰く、最初のころは普通の独り言だったらしいのだが、うちの石積み場の環境プラス石積みに対するストレスが、かなり攻撃的な独り言で、ラミアさんはちょっとびびってるらしい。オーガ君は、見た目はとても温厚な人なので想像はつかないのだが・・・・まぁ、本当なんだろう。

その点、おいらの独り言は違う。

一番多いのは、スペインで気に入って使ってるうちに、口癖になってしまったJoder(ホデール)。でも、ただのJoderではない。超GuapaなLucia・・・いやLuisaだったか・・・がいっていたJoderだ。カタカナでかくと「ホ〜〜〜〜デ〜〜〜ル!」となる。おじいちゃん、おばあちゃんになると、Joderの丁寧版「ホ〜〜〜!」になる。Joderは英語でいうとFUCKなので、敬虔なカトリックなことが多いじいちゃんばあちゃんは、使うときは最後までいわないで「ホ〜」だけになる。スペインにいって、しばらくはそういう風にいってる人はきいたことがなかったが、Madridにいったとき、Santiのじいちゃんとばあちゃんにあったら、本当にそういっていた。なんかかわいかった。

余談だが、そのばあちゃんは、日本人というモノは肉をほとんど食べないと思っていたらしく、

「あんたら、なにくってるんじゃ?」
「いろいろですよ」
「肉も食べるのかい?」
「食べますよ」
「どんな肉じゃ」
「ブタ、牛、鶏・・・」
「ホ〜〜!」
「馬も食べるところもありますね」
「ホ〜〜!」
「羊はあまり食べませんね」
「ホ〜〜!」
「スペインでは食べるうさぎはまず食べませんね」
「なんであんなにうまいのにくわないんじゃ〜!」
「(びくっ)」
「パンは食べるのかえ?」
「食べますよ。朝食とかはパンのことが多いですよ」
「ホ〜〜!」
「米は食べるのか?」
「日本はお米の国ですから」
「Valenciaよりもか?」
「全然・・・」
「ホ〜〜!」

その後、体調不良でぶったおれているおじいちゃんまで参加してきて、質問攻めにあい、日本のことを根掘り葉掘り聞かれた。

彼らの世代にとっての「日本」は、日本がアフリカとか、インディアンにもっているようなイメージ(そういう教育しかうけていない)しかもっていないので、いうことなすこと驚かれた。

って、そんな話じゃない。

言葉っぽい独り言というと、デザインとか考えてるときに出る「あ〜どうしようかな〜」とか「ここは赤じゃないよな〜」とか「うわ〜なんじゃこりゃ・・・ふふふ」とかそれくらいで、大半は、擬音語ばかり。

「あう〜」とか「はわ〜」とか「うむ〜」とか「あわっ」とか「ほえ」とか「ぬ〜」とか、まぁいろいろ。

書いてると気が抜けるものばかりだな・・・。

で、今日は、本当に自分の口から発せられたとは思えない、本当だったら人にいいたくないような恥ずかしい独り言をいってしまった。

自分の口からでたのに、まるでどこからか聞こえてきたくらい他人行儀な独り言で、さらには、今までそんな言葉発したことないのに、どうしてそこででてきたのかが、自分自身でも謎な独り言だった。

それは、イラレファイルをアイコンの上にドラッグ&ドロップしたときに発せられた。

Macを使っているのでフリーズするなんて日常茶飯事。当然、ひとりごちるが、まぁ、よくある話なのでいちいち動じない。

が、今日は違った。

いつもなら、「ポンッ!」という音とともに、エラーメッセージがでてきて、右上のアイコンが点滅する。「強制終了しました」みたいなダイアログを消し、念のために再起動して・・・というのがいつものパターン。

だが、今日は違った。

イラレデータをアイコンの上にもっていって離したとたん、なんのメッセージもなしに突然画面が黒くなってMac君が落ちてしまったのだ。ホント一瞬の間に。

デザインの石を一生懸命積んでいる時の話で、セーブは癖でしているとはいっても、すでに起動しているイラレのファイルを開くだけだから、特に用心してなかった。っていうか、そのちょっと前には違うファイルを開いたばかりだったのだ。おそらく5分くらいはセーブしていない状態。デザインで5分の差はでかい。微妙な修正とかも含めたら、マジでがっかりする時間だ。

そんな5分の重みをかみしめたのか・・・自分の口から漏れた言葉は


がっび〜ん

いや〜〜〜〜〜〜〜〜穴があったら入りたい!!って、その前に、この独り言を聞かれたないか、あたりキョロキョロしてしまったさ。普段は独り言聞かれてもなんとも思わないのに・・・。

がっび〜んって、それこそ「ざます」なみに、漫画とかドラマの中での台詞でしょう。仲間由紀恵のトリックシリーズとかふんだんに使われていそうな「あえてギャグ」でしょ〜。

絶対ありえない。おいらが「がっび〜ん」なんていうなんて・・・。ご丁寧にちいさい「つ」までいれちゃってひとりごちてたよ。

くせになったらどうしよう。マジで。

人によっては「え?別に普通でしょ・・・」っていう人もいるだろうけど、おいらには「禁忌な言葉」なのだ。いうたらタブー。しばしば、古めかしい言葉ばかりつかって、「あんた何歳?」とか大人にいわれたり、「意味わからない」と若者にいわれたりすることはあるが、「がっび〜ん」は、そのどちらでもない、とてつもなく中途半端な位置にあるのだ。

たとえるなら、ちょっと前の女子高生が使ってた「チョベリバ」であり、おいらよりちょっと上の人たちが使っていた「ナウい」になる。

それを意識して使うにはいい。「あえて」使うのならば。だけど、自然にでてきてしまうのはアウト。

なにかが壊れ、崩れ落ちていく音が聞こえる。

ここからおいらの「オヤジ伝説」が始まってしまうのかもしれない・・・。

ナンマンダブナンマンダブ。

ホントショックだった・・・。