41日目:Dubrovnik (ドゥブロヴ二ク 3日目)

かなり久しぶりにネットが使える環境になったのでメモを残す。

1ヶ月ほどのスペイン呑んだくれ生活も終わり、その後、10年ぶりのヴェネツィアへ。久しぶりということで、どれだけ変わっているか楽しみにしていのだが、少々ショックな方に変化してしまっていた。特に、物価の高さは異常で、怖くてCafeにも入れず。到着前に5日の滞在予定が3日になってしまうことになり残念に思っていたのだが、実際来てみたら2日で十分であったという結果に。menos mal。

逃げ出すようにヴェネツィアを出発し、トリエステへ。ここで今旅発のトラブルに見舞われる。まぁ、トラブルというよりは、予定外の出来事という程度。

移動日が日曜になってしまったということもあり、前日にかなり念入りにバスの時刻表を調べたにもかかわらず、いざトリエステについてみると、そのバスがない。「日曜日運行」と書いてあるバスに合わせてきたのだが、現地の全く同じ時刻表には、「NO 日曜日」の文字が・・・。上から修正されているのをみても明らかに変更されているのだが、うちらと同じようにそのバスに合わせてきている人たち(せいぜい10人程度だろうが)は、みな右往左往。日曜のため人通りの少ないバス駅で、各々それらしい人捕まえては、何故バスがないのか質問し、それらの情報を共有するような形。お互いにコミュニケーションをとるというよりは、盗み聞きしているような感じではあったが、奇妙な連帯感が生まれた気がする。

結局、どうあがいてもバスはないということが判明し、約6時間後に来るドゥブロヴニク行きのバスでRijeka(リエカ)に向かうことになった。トリエステは綺麗な町なのだが、6時間も時間をつぶすような場所はなく、また日曜日ということもあって、Cafeや店はほとんど閉まっており、絵はがきを書いたり、駅構内の開店しているCafeにはいってひたすら時間をつぶす。途中、測量士のマリカルメンSUDOKU(携帯に入っていたのをやってはまった模様)の雑誌を2.35eurosで購入してから、あっという間に時間は過ぎた。それ以内、待ち時間にはSUDOKUという風潮がうちらの間にできあがる。

Rijekaはわけあって激高いホテルに宿泊。値段に見合って居心地はとても良いホテルだったのだが、恐ろしいほど、味も素っ気もないホテル。なんとなく、社会主義を彷彿させる。映画でみた東ベルリンのホテルとかもあんな感じだった・・・。

RijekaからSplitまでは豪華客船(?)を利用。夜の7時に出発し、朝の6時半に到着する約12時間の船旅だ。少々奮発して、上から2ランク目のキャビンを予約。一人65euros。窓は外側で、トイレとシャワーが付いている。

出港時、汽笛がなるのだが・・・何故か目から水が流れる・・・Rijekaにはたった1日しかいなかったというのに、今生の別れのように寂しい気分になった。それは測量士のマリカルメンも同じで、「あれ・・・なんか泣けてきた・・・」とつぶやいていた。

この手の船旅は初めてなのだが(ドナウ川を下った時も一応船旅なのだが・・・ちょっとなんか違う)、あの汽笛の効果にはびっくり。バスや電車での別れとは、天と地ほどの差があると思う。

もし3年間のバレンシア留学のあと、船で日本に発つようなことがあったら、もう顔はグチャグチャになっていたに違いない。いやはや・・・汽笛って素敵だ。さらに船乗りにあこがれた。

なんとなくルートにいれたSplitだったが、これが大正解。飯は旨いし、ねーちゃんは綺麗だし。あまりに騒いでいたら、測量士のマリカルメンにに「うざい」とかいわれてしまった。

クロアチア人の女性はびっくりするほど美しい。なんかモデルの雑誌からでてきたみたいにスタイルはよいし、顔も綺麗。ただ・・・なんていうか・・・「喰われそう」な怖さが必ずつきまとう。綺麗とか美しいとかいう形容詞よりも、かっこいいという方がしっくり来るかもしれない。俗っぽい感じの「あんたなんて興味ないわよ」というオーラではなく、セレブな感じでの「あなたと私は生きている世界が違うの」オーラが出ている気がする。まぁ、もてない男のひがみかもしれないが・・・・どうがんばっても仲良くなれないような気はした。でも、店の人とかは笑うと「かわいさ」がでてくるので、仲良くなりたい気はする。なんかいろいろと複雑。

ヴェネツィアからやってきたこともあり、クロアチアは天国のように感じた。Cafeは安いし、とても居心地がよい。宿もすごい広くて生活なSobeを安く借りれたし、町は歴史ロマンであふれているし、安くて美味しいレストランも発見したし・・・。もちろん、不満もあるにはあるが、Splitでの生活は順風満帆でとても楽しいものであった。

しかし、ここ・・・アドリア海の真珠・・・ドゥブロヴニク

町並みの美しさは、どのガイドブックにも書かれているようにとにかく美しい。きちんと歴史を勉強していかないとその楽しさの半分は味わえないとは思うが、それをさっぴいても面白い。

ただ・・・見事なほどの観光地で、とにもかくも物価が観光地価格。ある程度は覚悟していたが、直前までいたSplitのの値段で天国を感じてしまったうちらには、ただただすべてのものの値段が高く見えてしまった。

おそらく、日本から直接1週間や2週間の旅できた場合だったら「まぁ〜ありか・・・」という感じで、さして深刻にとらなかったかもしれないが、バックパッカーではないが、うちらもすでに40日旅を続けてきており、できる限り上手にお金を使いたいのもあって、ヴェネチア再来!という感じになってしまった。

たとえば、Splitで夕食を食べた場合、美味しい食事と美味しいVinoを呑み、かなりお腹を満たしても二人で100クーナ(2000円程度)を超えるか超えないかくらい。単品でみると、グヤーシュやパプリカの肉詰めなんかは25クーナ(500円程度)で食べられるのだが、ここドゥヴロブニクでは、ちょっと気を許すと200クーナを超える。4000円以上だ。単品の価格がだいたい60クーナから100クーナ程度。もちろんいいレストランに行けば、天井知らずだ。

名産ということや、ほかの素材をよりもお金が取れるということもあり、メニューは9割が魚介料理。Splitで見かけた、シチューやパプリカの肉詰め、ロールキャベツなどは、最後までおいてあるレストランを見つけることができなかった。

ドゥブロブニクで安くすまそうと思ったら、テイクアウトできるピザやパン屋で買って食べ歩くか、宿で食べるしかない。店で食べられるピザ屋も多く、上に書いたようなレストランよりは安く食べられるのだが・・・わざわざピザを食うなら、テイクアウトの方が全然良い気がする。テイクアウトなら一枚10クーナ(200円程度)だ。

しつこすぎるというほどではないが、やたらと日本語で声をかけられるのも少々げんなりする。彼らも生活がかかっているわけだし、場合によっては日本語が通じた方が助かる場合もあるのだが、その辺は「旅人のわがまま」ってやつであろう。おいらの場合は、現地では現地の言葉を使いたい。意味がわからなくても使いたい。どうしようもない時はカタコトの英語に頼ることになるが、こちらが最初に話しかける時には現地の言葉を使いたい。話しかけたはいいが、得てして、帰ってきた返事の意味がわからず右往左往して、相手に迷惑をかけることになっているような気もするのだが、クロアチア語を話すと、相手が「にやっ!」としたり、喜ぶんだり、笑ったりするのを見ると、やはり現地語の方が良いような気もする。

で、日本語だ・・・。ここドゥブロブニクのレストランには日本語のメニューがおいてあるところが多い。それなりのレストランだとほぼ100%おいてあるっぽいので、すでにウリにはなっていないのだが、そこをウリにして、勧誘してくる。あまのじゃくのおいらは絶対にそういう店には入りたくならないのだが、「Ne!」(結構です)と断ったあと、ものすごい寂しそうな顔をされたり、店内をちら見して、「ここのお店・・・人はいってないんだろうな〜」っていうところを見つけると、少し同情してしまいうっかりはいりそうになってしまうこともある。危険だ。

まぁ、おそらく彼らは夏にがっぽり稼いでいるんだろうか、そんな心配はいらないんだろうけど・・・。

この街でプライスレスなのが、1分おきに出会うことができる猫。内戦などで孤児になったり、誰かが捨てていったりしたのか、野良猫が多い。中には飼われている猫もいるのだが、毛並みや怪我の具合からしても野良がほとんどだろう。なんかギリシャのどこその島でも同じようなことがあったな・・・。野良は野良なのだが、街の人が餌をたまにあげていたり、観光客なんかもあげているので、食べていくのには困らなさそうだが、猫社会もそれなりに厳しいし、冬はブーラ(クロアチアで冬場に吹く山風)なんかもあるので、今は丁度厳しい季節なのかもしれない。

見つけるたびに立ち止まる羽目になるので、なかなか散歩が進まない。かわいすぎる。おかげで、ドゥブロヴニクの写真は猫の写真ばかりだ。ちなみに、呑んだくれの旅ではコウノトリの写真ばっかりになった。


旅も残すところわずか2週間。みごとなほど働く気は消え去った。帰国後が不安ではある。明日は、ドゥブロヴニクを去って、Mostar(モスタル)へ向かう。クロアチアからボスニア・ヘルツゴヴィナへと入る。昨日、今日と2本ほど内戦映画をみたので、神妙な気持ちになってはいるが、楽しみでもある。規模的には1泊で十分かもしれないのだが、Mostarには2泊する予定。それだけ期待しているということだ。ヨーロッパでは有名な観光地というが、どうかヴェネツィアやここドゥブロヴニクのように観光地プライスではありませんように・・・。