彼女の名前はEsther
さおりさんから借りて、最近の寝る前の楽しみとして、少しずつ読んでいた「王妃 マリーアントワネット」(遠藤周作)の上巻をついに読み終えてしまった。残念なことに下巻はまだ借りていない。
けど、まだ読み足りない。
tengo ganas de 活字。
活字〜〜〜!!
うちにある本はほとんど読み終えてしまっていて、適当なのが見あたらない。活字は読みたいのだが、勉強系って気分ではない。
どうしよう・・・本がない・・・本がない・・・。
ふと、マリちゃんが送ってくれた「ここに地終わり、海始まる」(宮本輝)のことを思い出す。「上巻だけだから読まない!」といっていたやつだ。
読み終えても、下巻がない。けど、活字を読みたい。読みたすぎる。
かなりジレンマに苦しんだあげく、結局手に取り読み始めてしまう。
敗北。
で・・・
気づいたら、最後まで読んでしまい、
気づいたら、朝の8時をすぎていた。
もっそりベッドから起きあがり、マリCarmenにメール。
下巻送れ〜〜〜!!
このまま寝たら、一日がつぶれる。絶対つぶれる。
「よし!朝ご飯を食べて、体に活を入れよう!」
Cocinaまでフラフラいき、冷蔵庫をあける。
ちょうど茶碗一杯分残った昨夜の冷や飯を発見。
「こいつを食べよう!」
「で、おかず・・・おかず・・・っと・・・」
「ごはんですよ・・・う〜ん、これじゃ活入らんな〜」
「おっ!Pancetaがあるじゃないか!」
「pero・・・朝からPancetaか〜脂身たっぷりだな〜」
「Santi曰く、mucho energiaということだから、条件にぴったりくるしな〜」
「Pancetaか〜」
「体にいい、Muy sanoなPancetaか〜」
「脂身いっぱいだけど、太らないPancetaか〜」
「よし・・・いってみるか!」
ってことで、ベーコンのように軽く調理する。油も何もしかないのに、あ〜〜〜っというまに、脂身が溶けてものすごい量の油になる。それみて、ちょっと不安になる。
いや、大丈夫!Panceta Ibericoの脂身は体にいいんだ!Muy sanoなんだ!
呪文のように何度もひとりごちて、自分にいいきかせる。
なんて、ぼ〜っと考えてたら、冷や飯を電子レンジで暖めすぎて、もてないくらい熱くなった。
布巾を使って茶碗を取り出し、机におく。
そして、熱々でうまそうだが、油でギトギトで、不安いっぱいのPancetaを、豪快かつシンプルにご飯の上に載せる。言うなれば、Panceta丼。
なんか、とてもうまそう。
「mucho energia!!!」
と叫んで、勢いよくPanceta丼をかっくらうも、熱すぎて上あごやけどする。
そして、完食後・・・
みごとに胃もたれした・・・・
食べ終わった後に気づく。
体に良くても、mucho energiaでも、やっぱり脂身は脂身
ってことに。
ここでも敗北。無念。
胃もたれしたまま、ヘロヘロと部屋に戻り、勢いよくお仕事を開始する。
が、数時間後の2時・・・とてつもない睡魔に襲われる。もう目を開けていられないほど。
い、いかん・・・シ、シエスタだ・・・・
とベッドの上に横になると、そのまま爆睡。
起きたら7時だった。
またもや敗北。
いか〜ん、一日がつぶれる〜!
と目覚まし代わりにシャワーを浴びにBan~oにいくと、かわいそうに、誰かがうっかり閉めてしまったのか、春が閉じこめられていた。Pobrecita・・・。心なしか顔が怒っていた。
春も敗北。
シャワーを浴び部屋に戻る。ふと携帯を見ると・・・電源が切れている。充電しているのにもかかわらず。あいかわらず、この携帯はuna cacaや!
電源をいれると同時に、着信音の嵐。
メッセージが一通・・・着信履歴が3回・・・。
慌ててみると、姐御からのメッセージだった。
「DONDE ESTAS?」(あんた、いまどこよ?)
という、何ともシンプルなメッセージ。
この台詞から想像できることといったら、「おそらく、いまうちの近くにいるに違いない」ということだけだろう。そして、直感でオジキも一緒にいると読み・・・
「おいらは、今、家だよ〜!そっちこそどこにいるのよ。うちの近く?」
と返事を返すと・・・
「Q TONTO!!!(この馬鹿者が!!)家にいるなら電話にでなさい!何度かけたと思ってるのよ〜〜!!!!」
って返事が・・・。
なんで怒られるんだ・・・・姐御怖えぇ〜よ〜!
指詰めさせられるのは怖いので、すぐに電話・・・。
お「Hola〜!」
オ「もしもし〜」
なぜか日本語で電話にでるオジキ。
ってことで、Plz Canovasで落ち合い、指を詰めさせることとなった。
20分後、Plz Canovasにいき、そのまま、Bodega Pascual Garciaへ。もう、がっつり通い婚。
今日も、酢の味のするBoqueron(鰯のフライ)、ピリ辛Habas(そら豆)、chipirones(小イカ)を注文。
オジキにも、姐御にも大好評で、何故かちょっと鼻高々!
そして、また今日も酢でむせかえるおいら。
それにしても、ここの料理はどれも本当にうまい!
普通のBodegaは基本的に、Jamon(ハモン)やQueso(チーズ)、Boquerones(酢漬けの方)、Almendras(アーモンド)、Aceituna(オリーブ)等々乾き物(っていっていいのかわからんが)しかおいてないことが多いのだが、ここは、安く飲め、しかも食事までできるってところが、本当に素晴らしい。
10時前だったら、迷わずくるだろうし、友達が来ても迷わずここに連れて行くだろう・・・そんな場所にすでになっている。
今度はデジカメを忘れずにもっていって、料理の写真とかもとってこよう。
Mi favoritaな彼女は、今日は金曜日ってこともあってか、8時の開店からいた。しっぽは作っていなかったが、シャワーを浴びたばかりだったのか、まだしめっている髪の毛がセクシーであった。
う〜ん、おいらってストーカー!
で、ちゃんと宣伝通り、名前も聞いてきた。でもって、少しお話もしてしまった。ちょっと感動。
彼女の名は・・・Esther(エステル)
う〜ん、素敵な名前だ。
う〜ん、可愛らしい名前だ。
ってことで、せっかく名前を知ったので、注文するときは彼女の名前を呼びまくった。もうがっつりストーカー。
で、彼女の名前・・・普通に書けば、Esterでいいらしいのだが、HがはいってEstherと書くのが正確らしい。オジキ曰く、なんかユダヤ人の名前がどうとかっていっていたが、イマイチ意味がわからじ。で、バレンシアーノの名前だと彼女はいっていた。ってことは、彼女はValenciana。前の美容院でみたXELOもValenciana。Valenciana万歳だな。
そんでもって、隣のオヤジとも話をした。
彼は・・・毎日ここに通っているらしい。朝と夜の2回。毎日だ。ここで軽く一杯やるのが日課となっているようだ。
オジキがそんな彼に、店について質問した。
オ「この店はいつから続いてるの?」
男「75年だ」
お「おおお〜〜!おいらと生まれ年じゃないか!」
男「違う違う・・・75年間だ」
お「えええ!!!そんなに古いの???この店?」
オ「店の雰囲気からしてそうだよ・・・あの樽とか年季がはいってるしな」
お「75年か〜。あの齧歯類系オヤジは何代目なんだろ〜な〜」
彼はBodegaについて相当詳しいようで、オジキとBodegaについて盛り上がっていたが、ふとおいらにふられる。
オ「彼は日本人なんだが、Bodegaに関しては俺よりも詳しい」
お「なにいってるの・・・飲むのは好きだけど・・・」
男「Manuel Candela(通りの名前)にあるBodegaにはいったか?2カ所あるけど」
お「うん、Labradorと・・・名前は忘れたけどいったよ〜」
男「じゃ、Playaの側のやつは?」
お「いや・・・あっちの方はしらない」
男「なら、いったほうがいい。いいBodegaだ」
オ「正樹!そこいけば、もうValenciaは制覇だぞ!(笑)」
お「(笑)・・・で、名前は?」
男「Montan~aという名前だ。Calle Reinaにある。」
お「Vale!今度いってみるよ。ありがと〜!」
姐「こういうbar・・・Sevillaならいっぱいあるけどね〜!」
(姐御は旦那がValencianoなので、Valenciaに住んでいるが、根はAndaluza(アンダルシア人)らしい。そして、Sevilla復興委員会の会長らしい。だから、ことある毎にSevillaの話をするし、褒め称える。)
ってことで、なんかRPGみたいになってきたが、次の目的地ができた。今度タカシ君でも誘っていってみよう。少し遠いが・・・行ってみる価値はありそうだ。
今日は他にもいくつか情報をゲットした。
店で売られているVino(店売りなのにかなり安い)は、持ち帰ると表示価格で買えるが、店で飲むと1〜1.5eurosくらい上がるらしい。普通逆な気がしないでもないが・・・オジキも首をかしげていた。
店主はManoloという名前だった。で、前にタカシ君と二人で、あそこは家族だな・・・といっていたのだが・・・Estherは彼を名前で呼んでいるところを見ると、もしかしたら家族じゃないのかもしれない。普通パパ〜とかママ〜って呼ぶだろうし・・・。お店では名前を呼ぶようにしてるのか?いや、そんな使い分け、スペインじゃやらなさそうだしな〜。今度ちゃんと聞いてみよう。ちなみに、赤髪のおばさんはお母さんだと思われる。なぜなら、鼻がそっくりだからだ。
10時半頃、会計をすることにする。
姐「あたし・・・10eurosしかないわよ」
お「え???おいら5euros・・・あ、小銭入れれば11euros」
オ「ボク・・・・2euros・・・」
姐・お「に、2eurosだけ!!!!???」
オ「うん・・・・これだけ・・・(小銭を見せる)」
お「・・・2.6eurosが全財産かい・・・(^_^;)」
姐「足りるかな?」
お「足りなかったら、そこでおろしてくるからいいよ・・・」
E「はい、会計!29.7eurosね!」
・・・・
ってことで、駆け足でお金をおろしにいく羽目になった。
二人と別れ家に帰りしばらくしたあと、今度はMi Kyungと飲むことに。なんか、飲みたい気分だったらしい。
Vinoのストックがなかったので、食料庫をゴソゴソやり、Rosado(ロゼ)と、Ginebra(ジン)を発掘してき、それを飲む。
3時間くらい飲んで、語っただろうか・・・。時計は3時半を指していた。すでに二人とも十分酔っぱらい。
明日は朝早くからTeruelに行く約束をしていたのもあり、お開きにし、フラフラと床についた。
なんか壮絶な一日だった・・・。