アルカイック・スマイル

妄想内の通い婚相手であるEstherの口癖に「VOY!」っていうのがある。IR=行くの一人称の活用形。

Barなんかで「perdona!」(すんません!)と店員を呼ぶと大抵は「Ahora mismo 」「Enseguida」という返事が返ってくる。意味は「ただいま!」とか「今すぐいきやすぜ!」って意味。

まぁ、すぐに来ることはそうないんだけどね

でも、EstherはAhora mismoもEnseguidaも使わない。ちょっとハスキーな素敵な声でたった一言「VOY!」(行くわ!)ってだけ。

おいらはこのVOY!の後ろに、脳内麻薬を使用して「Carin~o!」を括弧づけで付けている。みなまで言わなず、恥ずかしがり屋さんの日本人特有の侘び寂びも少々使用。

いうたら、Voy Carin~o!(ボイ!カリーニョ!)となるわけだ。

日本語であえて下手に訳すと「今行くわん、ハニー!」って感じ。後ろには当然ハートが着いているわけだ。


この話を大興君とフサエちゃんにしたら・・・

大興君・・・
「いうたら・・・妄想ですね・・・」

フサエちゃん・・・
「え〜〜〜私には「わかったっていってるでしょ!今行くってば!」に聞こえるよ〜」

とつれないことを言われた。

が、おいらの脳内麻薬はそんなことではめげないのだ。


ってことで、今日も通い婚してきた。貧乏だけど。ご飯のこと考えるの面倒くさかったので、ClochinasかBoquerones Fritosのどちらかを晩ご飯にする予定で・・・。

同行者は例のごとくフサエちゃん。さおり・チラグ邸が千客万来なので、恥ずかしくてサロンで寝ることができないらしい。あれだけ変なネタ話してて、さらにミニスカはいてるのに、変なところがtimida(恥ずかしがり屋)。理解不能

8時ちょっと過ぎ・・・通い婚Bodegaに向かう。

お「あ〜〜タカシ君呼べば良かった!」
フ「仕事じゃないの?」
お「いや、今日は仕事ないはず。明日あるし・・・」
フ「でも、もう遅いよ・・・携帯置いて来ちゃったもん」
お「え〜〜なんで〜〜!」
フ「もっと早くいってくれれば・・・」
お「まぁ、いるかもしれんから、とりあえず行ってみよう」
フ「1人で行くことなんてあるの?」
お「ヤツならあり得る・・・おいらもだけどな。」
お「そうだ・・・賭をしよう!」
フ「なに?」
お「Estherが今日はいるか、いないか!」
フ「・・・・いる!」
お「駄目駄目!おいらが「いる」だから、あなたは「いない」」
フ「え〜〜〜・・・・じゃ・・・「いない」でいいよ」
お「Cerveza Tercio一本な!」
フ「う、うん・・・」

相変わらずMで、強引にいわれるとNOと言えない彼女であった。

が、通い婚Bodegaにはタカシ君はいなかった。そして、楽しみにしていたEstherも見あたらない。うぐむ・・・このままEstherが来なかったら・・・Tercio一本か・・・うぐむむむ。

タカシ君はいなかったが、10分もしないうちにチラグ・さおりさん・さおりさんのお友達Kさんが登場。Bar cheいったらしいが閉まってたらしい。金曜日だというのに。それで、Tapasが注文できる(普通のBodegaはJamonやQuesoなど乾きもの?しか食べられない)この通い婚Bodegaに来たとのことだった。

関係ないが、さおりさんのお友達のKさんは観光で日本から来たのだが・・・なんと、偶然おいらのサイト「スペインひきこもり生活」を見つけて、ひきこもりマパを印刷して持ってきたらしい。なんとも、WEB職人冥利に尽きる出来事だった。マパの更新頑張ろうと少し思った。今のままじゃ、適当すぎてあれ見て歩けないもんな〜。


にわかに人数も5人に増え盛り上がる。が、うちら(おいらとフサエちゃん)は貧乏なので、Tapas一品と決めていた。隣の3人は、次から次へとTapasを注文。Boquerones・・・Habas・・・Clochinas・・・。

気分はもう、ショーウィンドウ越しに指をくわえて、クリスマスケーキを見る幼子。ケーキ食べれんけどさ。

チラグの心優しい「食べて・・・食べて・・・」という一言で、「待て!」を解かれた犬のようにClochinasに手が伸びる。特にフサエちゃん。彼女はClochinasが好物らしい。「もう一つ!」、「もう一つ!」とむさぼり食べていた。

そういえば、途中でEstherがやってきた。

おいらより彼女が先に気づき(ここ重要)・・・Hola!(Carin~o)アルカイックスマイルでおいらを魅了。サパテロ眉毛を上に上げて。

もう溶けそうになった。いや、溶けた。

すぐさまフサエちゃんに自慢したが・・・Clochinasに夢中で、たいした反応なし。そんなことよりも・・・

フ「ねぇ、Cervezaおごらなくちゃ駄目なの?」
お「いや、途中から来たから引き分けでいい。」
フ「それがいい!」

アルカイックスマイルのおかげで気分もよく、ちょっと寛容になっているおいらであった。本当だったら有無を言わさずおごらせているところだ。


関係ないが、Estherのママンで赤髪・・・いうたら、タイソンとかの黒人プロモーターのドン・キングっぽい髪型の彼女には、大分前から顔を覚えられているようで、まだ通い始めた当初からものすごいアルカイックスマイルをみせてくれていた。今日もそう。人は大量にいるのに、おいらだけをみてアルカイック光線!!!。スペインでもマダムいけるか?

もちろん溶けはしない。

金曜日も閉店時間11時ちょっとすぎまで通い婚Bodegaにいた。おいらはいつものように、部屋で飲む用の樽出しVino1.5Lを2euros弱で購入。

Bodegaを出ると、チラグがRicoricへ行きたいという。なにやらまだ腹が減っているようで、para llevar(お持ち帰り)したいとのこと。

ってことで、Ricoricへ案内する。

チラグはインド人。そしてRicoricの二人もインド人。

チラグと知り合ってから初めて彼がヒンドゥー語を話しているのを初めてきいた・・・。惚れ直したぜ〜Carin~o!

かっこいい、かっこいい。

5人で3つのケバブを回し食いする。おいらとフサエちゃんはケバブを恵んで貰った感じ。お礼にと部屋用に買ってきたVinoも皆で回しのみする。量らずもRicoric前でbotellonとなる。

結局、Ricoricの前で2時間くらい話し込んでしまい、うかつにも小粋に良い気分に酔ってしまった。

解散したのはたぶん3時くらい。

あ・・そうだ・・・忘れてた。

Ricoricの二人は兄弟だと思っていたが(前にHermano(兄弟)っていっていたから)、実は細かくいうと、従兄弟同士らしい。

厳格な方が35才、眩しそうな方が27才という話を本人達からきいて「え〜〜兄弟なのにそんなに離れてるの!!?」っていったら、従兄弟だということになった。まぁ、今更従兄弟っていうのもなんかおかしいから、あそこは兄弟ってことで話を通すことにする。通り名はRicoric兄弟。これしかない。

あと、インド系、パキスタン系、トルコ系のケバブ屋情勢についてもいろいろ聞いてきた。長くなるでの書かないが、インド系とトルコ系はValenciaにはかなり少ない。書く5店あるかないかとのこと。なので、現時点いおいてはValenciaのケバブ屋の9割以上はパキスタン系ということが確実となった。

そして、各ケバブ屋は「ギルド ケバブ」みたいなので横のつながりがあるらしい。その辺は中国人とシステムと似ている。

ちなみに、Plz Ayuntamiento側のLys(映画館)の目の前にあるKilimはお兄さん曰わくトルコ系らしい。そりゃ、おいしいはずだ・・。