Ultimo Kebab

朝起きたらソファーに寝ていて、時計の針は3時近くを指していたことは昨日書いた通り。

タカシ君がちょうど帰るところで、それを見送る。大興君の明日の準備+フサエ嬢に譲る物(体重計、小型スピーカー等々)のパッキングなどをするのを、寝ぼけ頭でぼ〜っとタバコをくゆらしながら眺める。

二日酔いは全くなかったのだが、明らかに疲れている。ちょっとした中規模の旅の後は毎回こうで、なにとはなしに骨抜き状態に陥るのだが、心なしか齢のせいな気がしないでもない。かつてはここまで疲労感ってのは無かった気がする。まぁ、同様にかつては旅の後にここまでハードなスケジュールは組んだことはないので正確にはわからん。とりあえず、30才の呪いということにしておこう。それか、メグミの呪いか。

3時半頃、大興君と一緒に彼の家を出る。彼も自転車をもっていて、近々この自転車もフサエ嬢に売り渡す契約がなされていたのだが、うちらがポルトガルに行った次の日に壊れたらしい。楽しみにしていたフサエ嬢は、昨日のトースト事件同様うなだれていた。Pobrecita。きっとこれも30の呪いか、メグミの呪いだ。

ってことで、おいらはKristin号を引き、大興君は徒歩でおいらの家に向かうことになった。手には昨夜のFiestaで大量に残った酒群。安Cerveza一杯に、Vino一本、ノリコさんの好物であるAlhambra1925が4本。結構重い。

大興君がうちに来る目的は、想い出CD作りと、Ultimo Kebab de Ricoricの2つ。

彼曰く「今日は昼も夜もKebabと決めてましたから!」

根っからのケバビスタである。Valenciaの想い出=Ricoric。どう評価していいのか困るところだ。

家に帰って早速想い出CD作り。すでに4枚ほど焼いていたが、それだけじゃ足りないのでさらに3枚焼くことになっていた。

たぶん6時か7時頃、フサエ嬢もやってくる。大興君に借りているCowboy Bebopの映画を見るためだ。日本でもみれるのだが、はっきりいって面白くない映画なので、金払ってまでみたくない。ってことで、強引に見ておくことにしておく。

Cowboy Bebop 〜天国の扉〜】2.0点(5点満点) スペイン語わかりやすさ度:日本語なのでなしだが、字幕は少々fatal

特に書くことはない。菅野よう子の音楽は素晴らしすぎるほど良いが、映画はストーリーもキャラ設定も駄目駄目。メインの3人+1匹はあいかわらずだが、この映画で新しく出てくるキャラにはなんの感情移入もできない。しかも、最後がチープすぎるほどチープ。引っ張りすぎて、細部を書く前に時間が来てしまい、最後に慌ただしく終わらせたという感じ。諸事情でこの映画をみるのは3回目だが、やはり駄目なものは駄目らしい。でも、ホント音楽は最高。天才やね、彼女は。フニャフニャした変なおばさんだけど・・・。

映画を見終わったあと、3人でRicoricへ向かう。

Ricoricには大量の来客がいた。どれもスペイン人ではなく、明らかにインド系・・・そう思ってるとお兄さんの方が紹介してくれた。

あれは私の妻で、アレが息子・・・それで彼女たちはVacacionesでBarcelonaからやってきた妻の友達とその従兄弟・・・そして生まれたばかりの赤子・・・。

奥さん・・・びっくりすることに典型的な・・・おいらのイメージするインド人顔で、とても綺麗な顔立ちをしていた。お兄さんの方はひいき目にみてもかっこいいとは言えないのだが・・・(笑)

大興君の本当の意味でのUltima noche(最後の夜)ということで、友君やタカシ君も召集。友君はミツ君とその友達のエクアドル人を連れてきたため、大所帯でのDespedida en Ricoricとなった。

大興君は思いきりUltimo Kebabを頬張り〜♪むせび泣いていた(嘘)

お「どう?最後のKebabはうまいかい?」
大「そりゃ〜もう!!!」

彼はこのRicoricのケバブを食べにまたValenciaに来るらしい。Patatas Bravasでもなく、Vinoでもなく、Jamonでもなく、Paellaでもなく、Quesoでもなく、Boqueronesでもなく、chipironesでもなく・・・Kebabだ。それもRicoricのケバブ限定で。

もう脱帽。

今度からRicoricでケバブ食べるときは、「天にまします我らのケバビスタよ・・願わくは・・・」と祈りを捧げてから食べることにしようと思う。

Ricoricの前に銅像立ててもいいんじゃないかとさえ思う。ケバブを頬張ってる大興君の銅像。観光名所になったりして。

明日の準備もあるのでRicoricで解散。みなちりぢりになって帰っていった。


それにしても、何とも切ない。学校にいっていた時は、このような切ないDespedidaが一杯であったが、最近は短期が多かったり、日本での地元がおいらと近かったりと、「日本でも会えるか・・・」感が強かったのだが、大興君の場合は鳥取。ちょっと遠すぎる。車でいっても13時間以上かかるんじゃないだろうか。

CDを作っていて思ったが、彼とはいろいろ想い出がありすぎる。火祭り(3月中旬)から始まり・・・・今日まで約5ヶ月。

オタクで、ケバビスタで、ガリガリで、関西弁で、口癖が「いうたら〜」で、恥ずかしがり屋で、人見知りの大興君。

キミのことは忘れないさ。

鳥取に帰っても、兵庫で独り暮らし初めても・・・ケバビスタ活動だけはしてくれ。そして、いつの日か共にトルコに本物のケバブを食べに行こうじゃないか。あのコネクションを使って・・・・。

我らがケバビスタ大興・・・Hasta la vista!!

あ〜切ない・・・切なすぎる・・・