男の買い物

突然だが、CRAZY KEN BANDの曲で、男の滑走路というのがある。

なんとも素敵な歌詞で、是非とも聞いてもらいたい曲だ。特に男。

機内食は肉か魚か〜♪」
「迷うことなく肉を選んだ〜♪」

いつまでもこうありたいけど、かなり昔から、もうお魚が好きです。鯖のみそ煮食べてぇ〜〜〜!


さて、男の滑走路ならぬ、男の買い物

今週だけだが、家族が4人揃ったので、Santiとおいらの二人でCarrefourでお買い物。Manoloを送りに行くついでに、MislataのそばのCarrefourにいったのだが・・・


修羅場というのはああいうことを言うのだろう。

土曜日から昨日の祝日(月曜)まで、至る所のスーパーが閉まっていたため、3連休が明けた今日はえらい数の人だった。噂によるとOpencor(年中無休のコンビニ)では、果物を巡って戦争が勃発したらしい。Manoloの言。日本のバーゲンさながらの様相を呈していたらしい。

Carrefourも同じような様相で、まず車を止めるスペースが見あたらない。ようやく見つけて車を止め、店内に入ると、今度は買い物用のカートが消滅。いつもなら、大量に置かれている所定の位置に一つもないのだ。大きいスペースだけに、そこだけポカ〜ンとデッドスペースになっていて、なんとも物悲しい景色であった。

しょうがないので、駐車場にとりにいったら、ものすごい長さでカートが置かれていた。

1eurosを差し込んで(使い終わったら戻ってくる)カートをゲット。ようやく、Carrefour内に入ることができた。

と思ったら、Santi・・・申し訳なさそうに・・・

S「ちょっとだけ・・・ちょっとだけ・・・買い物する前にPDAを見て良い?」
お「PDAだ〜〜〜???」(PDA=小さいパソコンとでも考えてください)
S「そうだ、PDA・・・」
お「Por que?para que?」(どうして?なんのために?)
S「ほら・・・今の仕事には必要だからさ〜」
お「ちょっと見ない間にずいぶんとPijo(金持ち)になったもんだね〜」
S「いや、いや・・・金持ちではないけど・・・」
お「Que va!」(なにいってるんだ、こんにゃろめ!)
S「GPSがついてるやつで・・・どこにいてもネットできるやつを探してる」
お「なるほどね。かっこいいね〜」
S「すげ〜重宝すると思うんだよね〜。だから一緒に見てくれよ〜」

去年までPCなんてもってなく、おいらがPCの前に一日いるとOtaku de Mierda!」とか「HIKIKOMORI!!」とかいってたくせに・・・人間変われば変わるもんだ。ホント。

スペインではまだPDAはそれほど普及してないため、品数というか種類が少ない。Carrefourにあったのは4種類だけで、モデルとしては一昔前の感じがする。日本製のものはここにはおいてなかったが、media marketにでもいけばたくさんあるのかもしれない。

勝手な言いぐさではあるが・・・

スペイン人がPDAを使ってるところなんて見たくない!

Barとかの席に座って、ペンタブでかちかちやってるなんて・・・考えただけで嫌だ〜〜〜〜!!!!

まぁ、たまに見かけるけどさ。


15分くらいでPDAを見終わると、目的である買い物を開始。

小さい用紙にびっしり書き込まれた買い物リストを手にSantiと手分けしてお買い物。Carrefourはとても大きなスーパーなので、慣れていれば別だが、月に1度くらいではどこになにがあるかわからない。そして、多少の小走りが必要となってくる。

洗濯用洗剤・・・・食器洗剤・・・・トマト缶・・・・牛乳・・・・水・・・・コーヒー豆・・・・オリーブ油・・・・ひまわり油・・・・ひ・・・肥料!!!!??

「肥料なんてどこにあるかわかるか〜〜〜!!」

Santiの叫び声が聞こえてきた。見つけるのに相当ウロウロしたようだ(笑)

最後に野菜をまとめて買ったのだが、これがもうなんというか・・・何もない!

飢えたハイエナが通ったあとみたいに、見事に荒らされていて何も残っていない。

かろうじて残ってるのは、3日間放置されていたような野菜ばかり。

S「どう思うよ、この茄子」
お「う〜ん・・・ちょっとね〜腐りかけてない?」
S「う〜ん」
お「これはまだ大丈夫じゃない?これとか・・・」
S「じゃ、これと・・・これと・・・」
お「無理してかわなくていいよ。Mercadonaで買えるしさ」
S「そうだな・・・」

野菜を適当に選らび終わったあと、魚売り場へ。

S「あ〜〜ちょっとちょっと・・・」
お「ん?」
S「Queso・・・Queso・・・Quesoもいるだろ!Muy Importante!(超重要!)」
お「いいけど・・・」
S「Quesoなら野菜と違って腐らないから大丈夫だろ?eh?」
お「はいはい・・・もう好きにしなさい。おいらはCuajadaの元でも探してくるよ」
S「Cuajada?」
お「Muy Importanteだろ?eh?」

魚売り場でも、Santiとおいらの好物であるArroz con bacalaoで必要不可欠なbacalao seco(塩漬け鱈)を選んでいると・・・

S「これはいいbacalao secoだ!値段も安い!」
お「そうなんだ・・・」
S「2つ買おう!」
お「ちょっとまち!ちょいまち!」
S「ん?」
お「Santi・・・またすぐ仕事でいなくなるんだろ?」
S「そうだけど?」
お「そんなにつかわないでしょ〜。」
S「Arroz con bacalao好きだろ?eh?」
お「いや、大好きだけど・・・この量は・・・」
S「大丈夫だ!bacalao secoはそんなにすぐ悪くならない!」
お「まぁ、いいけど・・・」

洗濯用洗剤売り場でも・・・

S「よし・・・これ買って〜」
お「あ〜〜ちょいまちちょいまち!!」
S「ん?」
お「ちょっとでかすぎるって・・・うちら4人だけじゃ。これ大家族用だって」
S「ん??ん???たしかにでかすぎだな・・・じゃこっちにしよう」
お「Santi!それもでかいって!これでいいじゃん」
S「Da igual!(なんでもいいよ!)じゃ、それにしよう。」

Santiに頼んだMerluzaもほぼ一匹に近いやつ買ってくるし、「これはオレが払うから!むちゃくちゃうまい!」とEmpanadilla de bacalaoとEmpanadilla de Mejillones買うし・・・。
(※Empanadillaに関しては、そんな種類があるとはこれまで知らずびっくり。味もかなりうまい。特にbacalaoの方。少々値ははるが、Vale la Penaだ)

なんか、もううちのお父さんの買い物に似ている。うちの父親と違って、滅多に買い物に行かないというわけではないはずなのだが・・・男の買い物である。

うちの家は普通の学生のPISOと違って、食費は完全に個人で食べるもの意外はおいらとManoloとSantiの3人割っている。飯も一緒に食べることが多いし(今はそうでもなくなってしまったが)、好きなときに好きな材料を使えるし(こっちの野菜は計り売りで買わないと量が多すぎて使い切れない)・・・といろいろメリットがあるのだが、あまり大量に買われると、当然、その月の出費が増えるわけだ。現在、Super貧乏なおいらとしては、最小限だけで済ませたかったので、少々冷や汗ものであった。

案の定、Manoloは二つのbacalao secoをみて・・・「ふ、二つ???なんでこんなに買ってきたんだ?使うのか?まぁ、いいけど・・・」とブツブツいっていた(笑)


夕食はピザ。買い物に時間がかかって、飯を作ってる時間が無かったため。うちのそばのお持ち帰りピザ屋で注文。このピザ屋・・・存在は知っていたが、タイミングを逃してこれまで食べたことがなかったのだが・・・。

安くて、でかくて、うまい!!一枚3.5euros〜4.5eurosなのだが、一枚で余裕で二人お腹一杯になる感じ。2枚買えば3人でたっぷり食べれるだろう。店はものすごく小さく、最小限の設備しかないのだが、きちんと作っていて、味もしっかりしていた。こんな近くに、こんな素敵なピザ屋があるなんて・・・。

かつて、今回と同じように、3人でMercadonaの高い冷凍ピザを食べていたが、それに比べたらなんとおいしいことかっ!次回はいつになるかわからないが、外でbotellonやるときとかに、大人数で買って食べながら・・・なんてのも面白いかもしれない。

このピザ屋の周りは少々胡散臭い地域ではあるが、面白そうな店が乱立していて心がときめく。オヤジBarとかも結構一杯あるZona。今度、暇なときにふらっと散策してみるってもんかな〜。

ピザ食い終わったあと、例のごとく3人で映画を見る。そして、今日も最後まで起きていたのはおいらだけだった。

【Laberinto de Pasiones】3.2点(5点満点) スペイン語わかりやすさ度:6

アルモドバルの1982年の作品。日本だとセクシリアというタイトルである様子だが、おいらはレンタルでは見たことがない。今はあるのか?

アルモドバルの処女作みたいな位置にある作品らしい。本当の処女作「Pepi, Luci, Bom y otras chicas del monton」(1980)はおそらく日本ではDVD化されていないと思われる。

あいかわらずというか・・・かなり強烈な映画。「Mala Educacion」(日本だとbad Educacion)に近い者を感じる。のっけから、男の股間を物色する男と女が登場。やってくれるじゃないの、アルモドバル。

女の方はErotomana(エロトマナ)・・・すなわち色情魔?淫乱女?セックス狂?とでも訳せばいいのだろうか・・・で、もう片方の男は、と内乱中(?)のある国の王子なのだが、ゲイ。このゲイは変装してあっちこっちで男を漁りまくる。

そして、次から次へとでてくる登場人物。王子を拉致しにやってきた反王制のスパイ、現国王の元王妃、ひょんな事から巻き込まれるロックバンド×2、人工授精(tぶん)の権威かなんかなのだが、セックスが怖い(嫌い?)な男、その男にまとわりつくこれまた淫乱そうなデブなおばさん、オヤジ父親にレイプされて家から逃げ出したい娘、ついでにアルモドバル本人・・・。

スペイン語はそれほど難しくなく(スラングは少々意味不明)意味は理解できるのだが、いかんせん人間関係やら、ストーリーが複雑で映画自体の理解度は低下。日本語でみればもう少しマシかもしれないが・・・なんとも言えない。

ストーリーとは別に、映像のインパクトはとても強い。いろんな意味で強い。時代的に80年代だからなのか、カルチャークラブ等、当時のロックバンドの格好をした人間が大量に映し出される。でもって、例のごとくゲイもいっぱ〜〜〜い!

王子がひょんなことから入った「Ellos」と呼ばれるロックバンドで、彼が歌を歌うがこれまたものすごい歌(えげつないというか・・・)。メロディーが単調なくせして、歌詞がものすごいもんだから、もう・・・大爆笑。80年代ロックのチープさが盛り込まれていて最高!!7がSeven up、8がAfter Eight。わかる人には笑えるはず。

そういえば、若かりし頃のアントニオ・バンデラスもでている。彼は今も存在感はあるのだが、演技からすれば昔のスペイン映画の彼の方がかっこいいし、味がある。特に「Bajarse al Moro」の時はかっこよかった。

普通にお勧めできるかわからないが、アルモドバルが好きな人、アタメとかキカとかバッド・エドゥケーションとかが好きな人はみたほうがいいかも(そんな人はとっくに見ているとは思うが)。彼の映画の原点みたいな映画な気がする。ストーリーはチープなので、別に気にしなくていいかと・・・。映像やそのやりとりを楽しめば。

感想はそんなところ。

Santi、Santi・・・チョコレートはいらないからね!