A LA PLANCHA

Masaquito2005-08-17

スペインには、a la plancha(ア・ラ・プランチャ)という言葉(?)がある。見たり聞いたりすると、おいらは心がときめいてしまう。シンプルで、純粋で、回りくどくなく・・・。なんて素敵なんだ、a la plancha!

あ、でも、その前に今日の記録から書こう。

昨日、スーパーの帰り車の中で言った冗談から始まった。

お「ねぇねぇ、明日仕事終わったら海行こうで〜El Salerとかさ〜日焼け!日焼け!車!車!」
S「海か・・・あ〜キケ(Enrique:Santiの弟)が来るから一緒にいくか!」
お「え??(マジョルカ?)」
S「Albufera(湖の名前)でBarquito(小舟)借りて遊ぶのもいいな・・・いやか?」
お「海じゃなくて、Barquitoも悪くないね〜!」
S「じゃ、明日の仕事次第で行こう!」

というわけで、4時過ぎ・・・Albufera湖に散歩に行ってきた。

Albufera湖はValenciakら10kmくらいのところにある湖で、自然保護地区にもなっている。El SalerやEl Palmarではこの湖でとれたウナギやら魚やらが食べられる。
(詳しくはコラムのEl Palmarのひきこもり方参照。)

普通にAlbuferaのバス邸でおりると、日に焼けた普通のオヤジが船頭をするモーターボートみたいのでAlbuferaを一週するツアー(当然有料)があるのだが、今回はそこを通りぬけ、AlbuferaからEl Palmarまで歩く途中にある貸しボート屋で借りる。

ここに来るのは少々面倒くさい。というのも、車でないとAlbuferaのバス停(またはそのちょっと先)でおりてから、30分以上歩かなくてはいけないからだ。El Palmarまで歩く覚悟のある人は、ついでに是非乗ってみてもいいかもしれない。

駐車場(タダの空き地?)に車を止め、貸しボート屋のオヤジと交渉。

S「ボート一台と、水3本、あとCervezaも3本!」

船に乗り込む。

ちなみにうちらのBarquitoはこれ。

ぼろいぼろい。アリさん一杯でした。

最初はキケが漕ぎ、次においら。途中で適当なところで停泊してCerveza呑みながら、Santiがこのためにわざわざ作ってストックしてあったらしいイケナイタバコを吸いながら・・・お昼寝。

お弁当ももってきたさ!うちらは、昨夜の残りのEmpanadilla。キケは何故か米料理。ご丁寧に箸まで持参。キケが作ってきた米料理は見た目はすごいシンプル。何の具材も入っていないが、味がしっかりとあった。少々、Aceite(オリーブ油)でギトギトしてるような気もしたが、外で食べるということを考えると結構うまかったりした。

お「キケ、キケ!この米料理、キケが作ったの?」
Q「おうよ!どうだ?おいしいか?」
お「おいしい、おいしい。何が入ってるの?」
Q「ニンニクだろ、あと黒胡椒、それと、Cardo de carne(肉の固形調味料)だ!」
お「あ〜この味はCardoの味か・・・(笑)」
S「あと、Un poco de Aceiteだろ?(苦笑)」
お「Un poco(ちょっと)ね・・・(^_^;)」
お「それに・・・キケ!箸使えるようになったの?」
Q「おうよ!!!」
お「前は使えなかったのにね〜」
Q「Santiがオレに教えてくれたんだ!」
お「Santiがねぇ〜〜〜(横目でニヤッ)」
S「何が言いたいんだ!何が言いたいんだ!!」
お「いやいや・・・別に・・・Nada」

そんな会話をしながら船を漕ぐ。ふと「船を漕ぐ」という動詞を知らないことに気づき質問すると「Remar」という返事が返ってきた。Remarね。Remar・・・。次はいつつかうんだろうかね〜こんな単語。

それとも、スペインでも、ウトウトすることを「船を漕ぐ」って言えるんだろうか?そしたら使わなくもないだろうけど・・・言えるわけないよな〜。

AlbuferaはCan~a(カニャ)と呼ばれる竹の様な草が生い茂っている(トップ写真参照)場所で、日暮れ時以外は正直あまりぱっとしない場所なのだが、自然保護地域だけあって、いろいろな動植物が生息している・・・らしい。というのも、魚が(多分Llisaという魚)がたまに飛び跳ねたり、鳥が飛んでいるのはみることができるのだが、水は濁っていて(汚れというよりは苔等で)な〜んにも見えない。Albuferaの生態系を載せたパンフレットだけでしかみたことがない。

で、うっかりこのCan~aの中に突入してしまうと(操縦ミスで)、蜘蛛の巣に張り付いた蝶のように身動きできなくなる。Can~aは中途半端に堅く、中途半端にしなるからだ。もがけばもがくほど、Can~aの中に絡まり・・・なんてシーンが何度もあった。おいらは昼寝してたけどね。さらに、このCan~a・・・葉っぱがまさに笹の葉なので、鋭くって危険。帰って来たら手から血が流れてたし・・・(^_^;)

ということで、1時間半くらい冒険&湖をたゆたってから帰宅した。

下は貸しボート屋の写真。写っているのは葡萄(暗くてわかりづらいが、上は葡萄棚)と米袋(Valenciaの米地帯だから)とBotijoと呼ばれる水壺(水瓶?)。シンプルな素焼きの伝統的な生活用具だ。素焼きなので、中に水をいれてもなかなか水がぬるくならない。呑むときはとってのところを持ち、そのままグビグビ飲むか、コップに注いで呑む。Manoloが以前買ってきたが、実はまだ一度も使っているのをみたことがない(笑)


で、なんだっけ・・・。あ、そうだ。a la planchaだ。

Planchaはアイロンがけのことも意味するが、料理法として使われると両面焼きみたいな意味になる。辞書には鉄板焼き」と書いてあるが、日本語にするとなんかイメージがおかしくなる。実際にBBQとかでも鉄板を使用してplanchaするかもしれないが、日本には鉄板焼きというジャンルの料理法があるし、普通にフライパンでもa la planchaするから、できれば訳さないで「a la plancha」とスペイン語でいいたい。

スペインにきて、BarなりレストランなりでMenuを開くと、まず十中八九、この「a la plancha」という言葉を目にする。

Lomo a la plancha(豚肉)、Sepia a la plancha(イカ)、Ternera a la plancha(牛)、Verduras a la plancha(野菜)、Merluza a la plancha(メルルーサ)etc.....

と枚挙に暇がない。

いうたら、カタツムリ君でもない限り、なんでもplanchaできそうだし、なんでもplanchaにしてしまいそうな勢いだ。

この料理法は、スペイン料理と切っては切り離せない仲にありそうな気がする・・・といいたところだが、タダ単に「○○焼き」と訳してしまうと、当然な気がしないでもない。

炒飯がおいしくない中華料理屋はたいしたことがない・・・とは某漫画の受け売りだが、スペインにおいては「a la planchaがおいしくないBarはたいしたことがない」という新格言(?)をおいらが作ってしまおう。

まぁ、Barにはいったらa la plancha系を頼んでみましょう。Sepia(イカ)とかChampinion(マッシュルーム)あたりがお勧め。焼いただけの癖して、激旨だから。

で、おいしくなかったら、勘定すませて他のBarに移っちゃいましょう。スペインのBarはTapasで注文するので、こういうことができるのがいいところだ。

どうも、スペインのこのa la planchaがおいしいのは、野菜のうまさというのもあるが、どうも聞いたところによると「Aceite」(オリーブ油)にあるようだ。いいオリーブ油ほど複雑な味をもっているらしいが、そのオリーブ油でplanchaするから、ここまでおいしいのかもしれない。

しつこいようだが、a la planchaは本当に両面を焼いただけである。あとは塩胡椒、ニンニク、場合によってはperejil(パセリ)なんかも入ってくるが、作るのに10分もかからない調理法だ。

もし興味があるなら、どこかうまそうなBarで、Verduras a la planchaを頼んでみてもらいたい。何故か少々値がはるのだが、大量の野菜のplanchaがでてくる。calabacin(ズッキーニ)、Cebolla(タマネギ)、Champinion(マッシュルーム)、Pimiento(ピーマン)、Pimiento Rojo(赤ピーマン)・・・どれもこれもうまい。たぶん、びっくりするはず。

というわけで、今日は久しぶりにおいらは十八番のEnsalada de patataを作り、SantiがVerduras a la plancha、でもって、Carrefourで買ってきたCordero(羊肉)のa la planchaを作って夕食。

Cordero(羊肉)・・・Santi曰わく、Mercadonaのやつよりもいいヤツだ・・・ってことだったけど(確かに量の割には高い)、これまたびっくり。

お「Santi!これ味付け・・・なに?」
S「塩」
お「と?」
S「塩だけ・・・で、plancha」
お「ニンニクは?」
S「今回のやつは入れてない。純然たるplancha」
お「し・・・塩だけ?」
S「そう、塩だけ・・・」
お「ええええ"え"え"え"え"え"え"」

Plancha・・・恐るべし。

ホント、塩でしか味付けしてないことが全く信じられないくらいうまかった。

おいらが普段Mercadonaで食ってるやつはなんなんだ?部位が違うという話もしていたが・・・。

やっぱり、良い肉買わんと駄目なのかな?日本もスペインも。


時代はもうa la planchaだな・・・(意味不明)


追記
夜一時・・・フサエ嬢から電話。うちの通りにあるBarで、昔の会社の同期が遊びにきてるという。彼らは今もロンドンで働いてて、今回は視察でValenciaにきたということだった。夜中の一時ということで迷ったが、家のすぐ側なので顔見せに行ったのだが・・・。

いや〜久しぶりに丁寧語と敬語を話した。まだまだいけるやん!と自信を持ったが、変なところで自信がなかった。文章として書くとおかしいが、音になれていないので、変な感覚だった。

「あの〜お二人は・・・(以下思考回路内:ん?お二人?おふたり?オフタリ?そんな敬語というか日本語あるか?お両方?おふたかた?おふたり?お手前?・・・いや大丈夫なはず・・・)」

帰ったら敬語の猛特訓だな。

ありおりはべり〜いまそかり〜〜!