スペインで軟禁されるの巻

Masaquito2005-08-20

なんかまるで24000ピースくらいの、しかも、両面に絵柄があるような、そんなジグソーパズルを組み立ててるような気分だ。

帰国までのスケジュール・・・。

あっちを立てると、こっちが立たない。

こっちを立てると、あっちが立たない。

ここにコレをいれると、こうなるから、ここを変えなくちゃいけない。

ここにコレが始まるから、ここをこうすると、あれがこうなるから。

うひゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

9月人いぱ〜〜〜〜〜い!


もう、昨夜に続いて知恵熱出まくりで、Valenciaの気温を3、4度上げてしまってるんじゃないかと思うくらいだが、最近のValenciaはあいにくの空模様。不思議なことに涼しかったりする。まぁ、昨夜はまず100%雨だといわれていたのに、全くふらなかったのだけど・・・。

頭の中をビジュアル化するために、いつものように筆ペンで手書きの「スケジュール書き込み版カレンダー」を作り始める。

8月22日・・・23日・・・24日・・・(中略)・・・30日・・・31日・・・32日・・・33日・・・34日・・・35日・・・36日・・・。

はうっ!!!

3消せばいいか・・・

スケジュールを書き込み始める。

31日がTomatinaでしょ〜・・・でもって、30日にガイドの子が来るから〜・・・でもって、22日にCostaに生徒が1人きて〜・・・・4日にCostaに二人日本人がくるでしょ〜・・・え?4日が土曜日?うそん!日曜日は5日じゃん!!なんでなんで!!!

1日が抜けてるやん!3消しただけじゃ、31日の次ぎ2日になるやん!!

あ〜〜!半分以上、もう大分書き込んだのに!!!

グチャグチャグチャぽいっ!!

二枚目。

8月22日・・・23日・・・24日・・・(中略)・・・30日・・・31日・・・1日!!・・・2日・・・(中略)・・・16日・・・27日・・・28日・・・29日・・・30日・・・。

はうっ!!

!!!???さっきと最終週の段が違う!

ぬっ?・・・16日の次は17日だよ!!!!

グチャグチャグチャぽいっ!

あ〜もう駄目だ・・・集中力が明らかに切れてるよ・・・。

3枚目・・・

8月22日・・・23日・・・24日・・・(中略)・・・30日・・・31日・・・1日!!・・・2日・・・(中略)・・・16日・・・27日・・・。

はうっ!

なんなんだ?17日はおいらには仏滅なのか?eh?

ごしごしごし・・・2を1に直してと・・・。

スケジュールの穴埋め作業。

なんか来月・・・死ねそうなヨ・カ・ン!


前回のArroz Negroに引き続き、ManoloがFideuaを作ってくれた(トップ写真参照)ので、昼食はそれを食す。
(Fideuaは、Paellaのパスタ版と思ってOK。作り方はPaellaとほぼ同じだが、パスタな分だけ、所要時間も短くて、簡単に作れる。味は、場合によるが、個人的にはPaellaよりうまいと思っている。)

あとは、Clochinas(ムール貝の一種?)とGamba(エビ)。どれもこれもうまかったが、大量のComidaだった。食べ物捨てるのが嫌いなんで、Santiのちょっと残したやつも平らげたら、死ぬほど苦しいことになった。

食後、再びパズルにとりかかって知恵熱を出しまくってると、しばらくして、暇人だというフサエ嬢から電話。

「じゃ〜、適当に休憩して、一時間後くらいに遊びに行くよ」と約束したものの、再び24000ピースのジグソーパズルに立ち向かうべく机につき、ふと気づいたら2時間が過ぎていた。

パズルから逃げるようにPISOをでて、German邸(現フサエ嬢のおうち)にいくと、フサエ嬢は寝起きだった(笑)。待ちくたびれたらしい。

図らずもスペイン人的行動をとってしまった・・・。

GermanとPirras(Germanの愛猫)に挨拶をすまし、部屋で音楽を聴きながらCervezaをあおる。

フサエ嬢とは年が同じなのもあって、音楽の趣味はともかく、持っている曲(友人がセレクションしてくれたものらしい)はおいらもほとんど知っている曲ばかり。こういうとき同世代というのはイイものだ。

それぞれ音楽の趣味の異なる彼女の友人のMDを次々聞いていったのだが・・・ボサノバで盛り上がり、80'Sでノリノリになり、木綿のハンカチーフで涙し、ゴダイゴ銀河鉄道999に感動し、もうご機嫌。

パズルがまだ残っているので適当な時間に帰ろうと思っていたのだが、臨時用なのか、おいらと同様貧乏なのか、Brugalではなく、Havanaであったが、引き出しの下、Ronを発見。家も近いし、久しぶりに酔っぱらうのも悪くないと思い、お次はHavanaを飲み出し、音楽鑑賞。う〜ん、悪くない。

途中で氷とコーラが切れ、OpenCorに買い物に行く。途中、ものすごい勢いで自転車で疾走する仕事帰りのタカシ君に偶然見かける。

フ「タカシ君!」
タ:シャコ!シャコ!シャコ!シャコ!(うちらに気づかず、ものすごい勢いで通り抜けていく)


お「タカシ!!!!!!!


振り向くタカシ君。顔はもう、それはそれは満面の笑み。びっくりするくらい。

彼の中で一瞬にして「酒」の文字が浮かびあがったのだろう。

ということで、3人で飲むこととなった。

部屋に戻ると、フサエ嬢とタカシ君がゆらゆら帝国、またはサッカーの話で盛り上がる横で、おいらはおいらがフサエ嬢に貸した自分の本を読み始める(笑)

Ronを飲みながら、ゆらゆらしながら、読書・・・。う〜ん、悪くない。

彼らは、ゆらゆら帝国を聞きながら、発光体がどうとか、タコがどうとか、緑色の液体がどうとか、ズックがどうとか、太陽がどうとかで盛り上がっていた。

で、おいらは全然怖くないホラー本。う〜ん、悪くない。

Germanが上半身が裸の友達と出かけていった(笑)。流石に出かけるときは服をきていっただろうが・・・男数人全員が上半身裸でSalonで話している姿は少々異様であった。

多分3時頃・・・緊急事態が起きる。

全員のタバコが切れた

酒と音楽と夜更かしにはタバコは必要不可欠。

散歩がてら買いにいくか!ってことになって、玄関を開けようとしたのだが・・・


あ・・・開かない!


すでに酔っぱらっていたのか、それとももううちらがでないと思ったのか、Germanが先ほど出かけるときに外から鍵を閉めたらしい。

おそらくスペインでも普通ではないシステムなのだが、Germanの家の玄関は何故か外からある一つの鍵を閉めると、中からは開けられないようになっているのだ。

なぜそんなシステムなのか理由はまったくもってわからないのだが、事実がそうなのでしょうがない。

ってことで、うちら・・・

ザ・軟禁!!!


しかも、かなりのURGENTE(緊急事態)!!!

なぜなら、タバコがない!

URGENTEなので、シケモクでもいいから吸おうと皆考えるわけだが・・・普段はプラスのはずのフサエ嬢の性格が仇となってしまった。、

おいらの部屋だったら、タバコの吸い殻はなかなか捨てないでたまっているので、シケモク(Colilla)を数本吸うことができるのだが、フサエ嬢はかなりの綺麗好きなため、きちんと頻繁に吸い殻をゴミ箱に捨ててしまうのだ。

German邸のゴミ箱というゴミ箱を漁ったのだが、油まみれになっていたり、もうすでに短くなってしまっていたりと、2本ほどしかColillaは見つからなかった。


しかし、そんな些末な緊急事態よりも、さらに深刻な緊急事態があった。

それは、タカシ君は明日9時から仕事先の上司夫妻や同じ働き手のスペイン人の4人で車で日帰り旅行に行くことになっているということだ。

焦ったフサエ嬢はすぐさまGermanに電話をかけたが一回目はつながらず。二回目にかけたときはつながったが・・・Mierda!!(クソ!やっちまった!)・・・と叫んだだけで、「すまん・・・今日は帰るの遅くなる!」とだけいって電話を来てしまったとのことだった。Germanらしい・・・(笑)

スペインの「遅くなる」は日本のそれとは大きく異なる。そして、スペイン人の「遅くなる」とGermanのそれはもっと大きくことなったりする。

Germanの「遅くなる」・・・それすなわち・・・「朝帰り」ということは、うちら3人全員が知っていたことだった。

背筋に冷たいものが走る・・・・おいらをのぞいて・・・多分。

おいらはなぜなら脱藩者なので、特に束縛はない。タカシ君は明日の日帰り旅行の心配。フサエ嬢は、タカシ君に対しての謝罪の気持ちでいっぱいだったことだろう。

が、そこは流石熟練者タカシ。

「まっ、駄目なら駄目でしょうがないけどね〜。騒いでもしょうがないし・・・」

おっしゃるとおり・・・(笑)

タバコは切れていたが、数少ないうちらの救いとしては、まだRonが残っていたということと、少ないながらもかろうじて食料(ポテトチップスと昨夜のご飯の残りであるから揚げとポテトサラダ)、トイレが自由に使えるということ、彼らにとっては「ゆらゆら帝国」があること、おいらにとっては読む本があること・・・だった。


かといって、何もしないというのも落ち着かない。なんとか脱出を量って、タバコを買いに行ったり、タカシ君がいつでも家に帰れる状態を作ることに奔走する。主にフサエ嬢が・・・(笑)

Germanに帰ってきて貰うのをあきらめたうちらは、今日、IVAMの側でやっているメヒコFiestaにいっていたと思われる友君とCarlesに電話をかけることにする。

彼らがもしここにくることができたら、ベランダから鍵を落として、フサエ嬢の持つ合い鍵で外から開けてもらえることができるわけだ。

フサエ嬢、早速電話をする。夜中の四時すぎに。

が、友君は帰ってきてすでに夢の中・・・友君がまだ飲んでいるかもといっていたCarlesも帰宅したばかりで、今床についたところだった。そして、流石に今からはもうでれないとの返事であった。

万策尽きたり!

もうGermanに・・・あのGermanにうちらの運命はゆだねられた・・・いや、うちらじゃなくて、タカシ君の運命だ。


結局うちらは、流石に悪いと思ったのか、早めに・・・といっても7時を回った頃と思われるが・・・帰ってきた、うちらを軟禁した張本人のGermanによって・・・数時間ぶりに助け出された。

おいらは半分夢の中の状態で、Germanの「ごめんな〜本当にごめんな〜」という声を聞きながら・・・落ちた。

そして、二人は明るくなりはじめる中、タバコを買いに行った・・・。

タバコ買いに行く?
うん!
行かない?
うん!
・・・・