Nos Vemos ペコちゃん
今日はペコちゃんのDespedidaが夜から予定されていた。主催者はもちろん当事者のペコちゃんなのだが、幹事は成り行きでおいら。
最近の体調不良を考え、万全を期すために昼間はシエスタで過ごす。そろそろ上巻が読み終えそうな「山妣」をベッドの上で読んだり、午睡したりなどなど。
集合は夜の7時半にLabradorにしたが、おいらは昨夜ついたばかりのKさんを連れて行くことになっていたので6時45分の集合時間にあわせて6時半頃にPlz Canovasへと向かう。
これまで何度かPlz Canovasを集合場所に使っているが、ほぼ時間通り(2分遅れ)に来たのは彼女が初めてかも知れない。おいらにとってはどうも鬼門らしく、最近では待つのを覚悟で集合場所と指定している。その場合、「地図読める?方向音痴な方?」と必ずお伺いを立ててから、時間を指定する。もし「うん、方向音痴」、「あまり地図読めない」と返事が返ってきたら、余裕を持って指定すればいい。ちなみに、某ジェシーメイビアなんぞは、結局たどり着けなかった幻のPlzだ。
Kさんと無事合流し、BONO BUS(バスの回数券)を買うべくQue vaおばさんのEstancoへ向かう。その途中、何気なく、いつものように通い婚の入り口を見ると・・・
「!!!!!!開いてる!開いてるじゃないか!!!」
「ちょっとだけごめん・・・」とKさんに謝って、通い婚Bodegaに走り寄り、半分空けられたシャッターをくぐる。すると中にはduen~aの赤髪Marisaがいた。店内は掃除のまっただ中で、巨大なVino樽はまだそのままだったが、飾られたVinoなどのアルコール類はすべて取り除かれて、床には包装紙やら、木くずなどが散乱していた。
とてつもない哀愁の波が押し寄せてくるのをぐっと我慢し、Marisaに挨拶する。
お「ひさしぶり〜〜〜!!」
M「あらあら・・・ひさしぶりね〜。元気?」
お「元気にやってるよ・・・」
お「ねぇ、なんで店絞めちゃうの?」
M「もうPascual(旦那)も隠居よ。」
お「そっか・・・」
M「でも、多分近々、他の人が買い取って開店すると思うわ」
お「え!マジで!でも・・・店内の雰囲気はこのまま?」
M「ええ。Ban~oとかCocinaとかは変わるかもしれないけど・・・」
そんな話をしていると、すぐ側にいた背虫男みたいな掃除屋?改装屋?のオヤジがやってきて、おいらにブツブツ言い出した。速いとかそういうことじゃなくって、ほとんど何をいっているかわからなかったが、おそらく「いや、内装は変えた方がいいだろう」といいたいようだった。そうすれば、彼らにも金も入るだろうし・・・そんな勝手なおいらの憶測を肯定してくれるかのようにMarisaが少々きつい顔つきで口を挟む。
「ここの客は変わらないことの方を望んでるよ・・・」
おいらは心の中で思いっきりうなずいた。
Duenoが変わって、おそらく名前も変わる可能性があるだけでもなんとも切ないというのに、内装までがらりと変わったら完全に別の店だ。それはそれでいいかもしれないけど・・・通い婚のファンであり、しばらくしたら日本に帰らなければいけないおいらとしては、ほぼ毎日通ったあの時期を思い出させてくれる店内が残ってくれている方が嬉しい。
お「ねぇねぇ。Manoloは今どこで働いてるの?」
M「Manolo?Manoloだったら明日来るよ。」
お「え??ここに?」
M「明日も掃除があるからね〜。」
お「何時に来るの?」
M「話したいのかい?」
お「うんうん!」
M「掃除は9時〜14時くらいまでね。その間だったらいるわよ」
お「じゃ、明日その時間に来るってManoloに伝えておいて」
M「あいよ」
お「ありがと〜。じゃ、急いでるんでいくね〜」
M「またね」
というわけで、番頭Manoloと再会するチャンスをゲットし、ウキウキ気分でLabradorへ向かう。「タカシ君にすぐに知らせないと!知らせないと!ウシシ・・・・」とにやけまくる顔で。
ほぼ7時半ぴったりにLabradorについたが未だ誰もいなかった。
適当に大きなテーブルの席に座り、VinoではなくてCervezaを2本注文する。寝たとはいえ、未だ体調は芳しくないので、今日はあまり呑むつもりはなかった。「おいらって、意外と自制心あるじゃ〜ん」・・・と横浜弁で自分をちょっとだけ褒めた。
最初にやってきたのはハルカちゃんとアサコちゃん。勉強疲れのためかアサコちゃんは日に日にやつれていってるような気がする。もうしばらくの辛抱だから、なんとか耐え抜いて欲しいものだ。
しらばくして、タカシ君が登場。タカシ君もなにげに目が疲れた感じであった。一緒に来る予定になっていたIzumiちゃんはFiesta続きということで今回はパスということになったらしい。
その後、最近おいらとタメ語で話すように訓練しているケイコちゃんととにかく良く笑うマサユキ君(あだ名)がやってきた。二人とも大のサッカーファン。スペインだけでいえばケイコちゃんはそうとうなもんらしい。
ふとマサユキ君のライターをみると、Barcelonaのマークが・・・。サッカーには未だあまり興味をもてないママなのだが(以前よりは大分マシ)、ちょっといじめてみることにする。女の子にいうと後が怖いが、彼は男だし。Valencia復興委員会としてちゃちゃいれてみる。
お「おいおい・・・ValenciaにいてBarcelonaかい!それともそれはLevanteのユニフォームカラーのライターかい?」
マ「あ・・・あ・・・」
ケ「彼、ValenciaじゃなくってBarcelonaファンなんですよ〜!」
お「ぬわに〜〜〜!!!だから、そのライターなのか!」
マ「選手はアイマールで、チームがBarcelonaなんですよ〜」
お「ア、アイマール???カルボーニにしなさい!」
ケ「カ、カルボーニ・・・」
マ「それに、ライター、コレしかなかったんですよ!Valenciano探したんですけど〜」
お「問答無用!!!すぐに捨てなさい!っていうか、おいらによこしなさい」
マ「じゃ、交換しましょうよ〜。」
お「すまん・・・おいらのライターは全部御当地ライターだから、交換は無理なんだよね。たとえばこれはSevillaでしょ?これはAsturias、これはPortugal・・・」
マ「それは無理ですね〜」
お「まぁいい。今日だけは許す。だけど、次ぎ見つけたら・・・捨てるからな〜。ケイコちゃんも次ぎ見たら川に投げ捨てていいからね」
ケ「ええ、捨てておきますよ」
お「でも、BarcelonaにValencia対Barcelonaの試合見にいくんじゃないの?」
マ「いきますよ。」
お「どっち応援するの?」
マ「応援はValenciaをしますが、心の中ではBarcelonaです〜」
お「ぬわに〜〜〜!!そんな二股はやめなさい!そういうのは女の子が一番嫌いなタイプだぞ!」
ケ「うんうん。最悪!!」
お「Valenciaにいる間はValenciaの応援をしなさい。それでこそValencianoってもんだ!で、日本帰ったら好きにしんさい。Barcelonaでもなんでも・・・」
マ「なるほど!じゃ、4月まではValencia応援します!」
お「えらい!!」
ってことで、勝利の雄叫び。実は、まぁ、どうでもいいんだけどね。
9時近くになって、ナイト友君と、Princesaペコちゃんがやってきたので、会場を二次会に移すことにする。
別にLabradorでもよかったのだが、一カ所、主役のペコちゃんや他のまだきたばかりの面々に教えておきたいBodegaがあったので、Labradorよりは値は張るBodegaなのだが、Despedidaにはぴったりということもあり移動。
一次会のLabradorは、いうたら、次ぎ行くPlz CedroのBodeguetaで飲み過ぎて、料金が高くならないための布石だった。経済的にいかなくては・・・。
Plz CedroのBodeguetaは良質もJamonやQueso、また魚介類を食べさせてくれる。全部を少しずつの大皿を注文すれば結構楽しめるので、大人数の時はもってこいのBodegaだ。このBodegaで売っている普通のVinoはここでは買わない方がいい。恐ろしく高いから。Mercadonaの2〜3倍くらいとられる。でも、Vino de la mesaはそれほど高くなく、botella一本で7euros前後。
Bodeguetaについて30分ほどたったころ、フサエ嬢とそのお友達3人がやってくる。彼女たちにはナイト友君の爽やかさで対応していただく。
おいらはあまり飲んでいなかったが、イマイチ調子が出ず・・・。
さおりさんとチラグもトゥラ(犬)の散歩がてら顔をだしてくれ、みなで写真を撮ったり、住所交換をしたりなどして過ごす。
それにしても・・・日本人いるもんやな〜・・・としみじみ。
おいらはそこにははいっていなかったが、マサユキ君とKさんのコンビが、二人でOTRO MUNDO(異世界)を作り出していたらしい。アサコちゃんと、タカシ君は、そのOTRO MUNDOに居続けることができなかったらしい。
12時の閉店(たぶん)と当時に、Bodeguetaから歩いて3分くらいのCafe Parisに。3次会。
おいらはあまりあそこが好きじゃないのだが、Agua de Valenciaというオレンジリキュールの老舗(らしい)で、ペコちゃんをそこに連れて行きたいという、ナイト友君のたっての希望でいくことになった。
メンバーはフサエ嬢たち4人が明日に備えて(?)帰っただけで、他は全員きた。
ペコちゃんにAgua de Valenciaを堪能していただき、小一時間で店をでる。
ここでハルカちゃんとアサコちゃんが帰宅。
マサユキ君も「もう限界近いっす!」とぼやいていたが、最近また絶滅の危機に瀕している貴重な男なので、半強制連行。
4次会の場所はBar Asesino。ロック音楽とFutbolin(スペインでは伝統的な原始的なサッカーゲーム)で熱気のある素敵なBarだ。
このBarにくると大抵誰かに話しかけられるのだが、今日もその例に漏れず2人ほどの人間に話しかけられる。何故か名刺まで貰った・・・。
マサユキ君は、しばらく外を徘徊してもどってきたが、もうどうにもこうにも限界だったらしく、ひっそりと帰っていった。Kさんも旅疲れしている状態にもかかわらず、かなりがんばり参加していたが、これまた明日にそなえて、多分4時頃・・・タクシーで帰っていった。明日に備えてっていう時間じゃないが。
おそらく朝の6時頃・・・4次会も終了して、解散。
タカシ君とおいらでケイコちゃんとペコちゃんを送って帰る。
でもって、タカシ君とおいらの2人でまったり5次会。
場所はもちろん、Valenciaの人間交差点 Bar Gulliver。
この時間のGulliverはもう最強なのだが、今日は店に入るまえから1人のGitano(ジプシー)のおばちゃんに怒濤のように話しかけられ、うちら二人は苦笑というか苦戦する。しばらくすると、大学の先生という、何とも胡散臭い男もやってきて4人で話をする。どう考えても大学の先生がGulliverに来るとは思えないのだが・・・。
自称大学講師の男は程なく消えていったが、Gitanoおばちゃんはもう話すことをやめない。話していることがわかればまだ助かるのだが、何をいっているのかほとんどチンプンカンプン。呂律の回ってない日本語だってわからないのに、ましてやそれがスペイン語だったらわかるはずもない。彼女にとってはそんなうちらの状況はどうでもいい。こっちがわかっていいようが、いまいが関係ないのだ。誰でもいいから話ができればOK。自分の話したいことを話せばいいのだ。
あまりに途切れない、そして意味のわからない話に辟易したうちら・・・
「ごめんな〜おばちゃん・・・うちら二人で日本語で話したいの〜だから、放っておいてくれる?」
一度は「うぐむ!」とあきらめたGitanoおばちゃんだったが、3分後にはふたたび戻ってきて、勝手にうちらに向かって話し始めた。うちらが完無視を決め込んでいると、流石のおばちゃんもあきらめたのか、新たなる被害者を捜して奥のテーブルに戻っていった。
5次会は1時間にもみたないくらいだったと思う・・・。帰ってきたのは何時かわからないが、うちの前でタカシ君と別れ、おいらは深い眠りに落ちた。
今日は予定通り酔っぱらわなかった。
が、そのかわり、うっかりペコちゃんに最後には絶対やらせるつもりでいた「ペコちゃんの物まね」をさせることができなかった。どうもおいら・・・シラフじゃ意外と強制できないらしい。
無念。
追記
写真の爽やか友君・・・なんか海坊主みたいだ・・・。