「やぶさかではない・・・」から始まった人間交差点 Bar Gulliver物

Despedidaの日記は長くなりそうなので、あとでゆっくり書くとして、先に今日の日記を書く。


諸事情で帰宅したのは昼過ぎ。寝たには寝たが、明らかに疲れがとれてない。昨夜は自分が主賓ということだけで乗り切りはしたが、もうガタガタのおじいちゃんボロボロ状態。良くスペインの太陽の下、溶けもしないで歩いていられるかが不思議なくらい。


玄関を開けるとなにやら騒がしいし、玄関前の廊下には段ボールが一杯積み重ねられていた。

昨日ManoloたちがMadridのIKEAで買ってきた家具を楽しそうに組み立てていた。

(ちなみにManoloとSantiは結局、うちらのDespedidaには参加できなかった。Madridから帰ってきたのは夜中の1時を回っていたらしい。おいらはいつでも彼らとはDespedidaはできるが友君にはかわいそうなことをした。まぁ、もともと行く予定になっていたからしょうがないんだけど・・・)


うちらがこのPISOに引っ越してきてちょうど2年になる。家具なんかは基本的に共同で買うのだが、おいらは永住するわけではないので、そう簡単に買うわけにもいかない状態であったのだが、おいらの帰国を機に、ちょうどぴったり2年たったということもあり、一気に家具を一新することになったのだ。

ManoloはVacaciones(休暇)で使う予定のお金を家具の購入に充てたようで、もうそれはそれはものすごい量の家具を買ってきていた。特にComedorの食卓は、かなり高級品になった。いやはや・・・Pijoだね〜。

なんか、おいら帰国準備に追い打ちをかけるように・・・・おいらの部屋にひき続き、SalonやCocina、Comedorまでもが変わってしまった。

喜んぶべきことなんだけど、なんか切ない。


そんな彼らを横目においらはひきこもり部屋に戻って休憩しつつ、今日の予定を考える。

二度寝するような時間でもないので、しかたなく掃除をすることに。もう帰国まで残り一週間。ウダウダとしている時間はないのだが、ウダウダひとりごちながら、倉庫番スペシャル。


2時を回ったくらいのところで、仕事を終えたタカシ君から電話が入る。

タ「どう〜元気〜?」
お「まぁね〜。慢性的に疲れてるけどね〜」
タ「なにしてるん?」
お「掃除〜」
タ「そっか〜」
お「今、ManoloたちがIKEAの家具組み立ててさ〜」
タ「あ〜そやな〜」
お「そういえば、いらない家具が増えて、タカシ君にあげれるやつもあるし、見に来る?」
タ「うん、じゃ今からいくわ〜」
お「あいあい」

ってことで、5分後タカシ登場。

一緒に家具の組み立てを手伝いながら、新しく変わりつつある我がPISOを見学。

やっぱ切ないわ。


たぶん6時頃・・・ケイコちゃんが昨夜Despedida前にうちにおいていったノートPCをとりにやってくる。PISOがたて込んでいたので玄関前で待ち合わせしたのだが・・・なぜかメグミさんも一緒。偶然あったらしい。
(呪いを持つメグミさんは、おいらのDespedidaのためにわざわざMadridから遊びにきてくれた。感謝感謝。)

ケイコちゃんとはすぐにわかれ、Mi Kyungと話したい、PISOを見たい・・・というメグミさんをPISOに招待して、しばらくウダウダとMi Kyungを交えた4人でお話する。

一時間後・・・Mi Kyungが出かけるのをきっかけに、メグミさんも、Centroで友達とCafeの約束があると去っていった。

で、タカシ君。

タ「さ〜て、ボクもそろそろ帰るかな〜」
お「あいあい」
タ「その辺で軽く呑んでいくかな〜」
お「どこら辺で呑むのよ〜今日日曜日だよ?」
タ「まぁ探してみるよ。Centroいってもいいしね」
お「なるほど。いいね〜」
タ「一緒に呑むっていったら来る?」
お「やぶさかではない・・・
タ「出た!!!『やぶさかではない!』だ!」
お「じゃ、ちょっとまって。準備する。」
タ「うん、OKよ。あと、誰か呼ぼうよ。」
お「うん。いいよ。」
タ「マサキ君が電話かけてな〜。昨日で携帯の金なくなったねん」
お「あいあい(笑)」

とりあえず、ご近所のアサコちゃんに電話してみると、ちょうど今日の分のPISO探しが終わったところで、Ruzafaあたりにいるとのことだった。ちょうどいいので、うちの前で待ち合わせて3人でいくことに。

その勢いで、漢!ケイコちゃんと、フェロモン女王で、最近エロ姉さんという素敵なあだ名がついたハルカ姉さんも呼ぶ。

日曜日ということで、Regne de Valencia沿いにあるZAYYANへ。この店の名前・・・たぶんツァヤンとかそんな感じで読むんだろうけど、ジャイアンに読めなくもないので、今後はジャイアンと呼ぶことに決定。

うちらがジャイアンについて程なくしてから、エロ姉さんことハルカ姉さんが到着し、少ししてから漢!ケイコちゃんも登場。

5人での私的Despedidaとなる。おそらく今日を皮切りに帰国までこんな感じの私的Despedidaが続くと思われる。

とりあえず、第二弾Despedidaってことで乾杯。

最初の話題は「スペインだからしゃ〜ないわ〜」というテーマで繰り広げられる。

スペインのいい加減なところを指摘しつつも、「まぁ、スペインだからね〜」と許せてしまうことだ。

配水管工事から、公的機関の対応速度、待ち合わせの遅刻、店員の対応などなど・・・。

みなスペインが好きだから許せてしまうのだが、日本だったら絶対に許されないようなことだったりする。


長く滞在すれば滞在するほど、そのスペイン流に慣れてきてしまい、悪い意味ではいい加減になってしまう。そして、口癖に「まぁ、スペインだから・・・」という台詞が付け加えられてしまうのだ。

恐るべし、スペインの魔力!!


ジャイアンでの後半戦は、どういう成り行きか覚えてないが、ハルカ姉さんの「女を磨く講座」になったが、アサコちゃんやケイコちゃんにはNivel(レベル)が高すぎて・・・いうたら、Superior(上級)かPerfeccionamiento(超上級)で・・・・つていけなかった模様。特に漢!ケイコちゃんはこの手の恋愛話にはとんと疎いというか、漢だけにあまり興味が持てないジャンルらしく、チンプンカンプンだったらしい(笑)。だもんで、おいらと途中で違う話になっていた気がしないでもない・・・。


まぁ、なにはともあれ・・・これだけは言わせて貰おう・・・。


恐るべし!フェロモン女王!


アサコちゃんの「ずる〜〜い!!!どうして同じ女なのに!何が違うの!!」という台詞と、ハルカ姉さんの「もまれろ!」(赤ペンでチェック!)がとても印象的だった。



2次会は人間交差点「Bar Gulliver」


あいからずこのBarはやってくれます。今日もええもん見させて貰ったさ〜。調理酒並の安Vinoに8euros払っても来た甲斐があったというものだ。
(しつこいようだが、女性1人でいくことはお勧めしません。男でも小心者はやめておいた方が良い。Bar Gulliverは人間交差点であり、人生の坩堝であり、治外法権の無法地帯だから・・・)


今日あったのは、はっきりいって「なんで???」と首をかしげたくなるようなおばさん娼婦と12な男(赤いTシャツで後ろに12と刻字されている)との確執から始まった。


うちらはうちらで(アサコちゃんはFamiliaの関係で途中で帰った)違うネタで盛り上がっていたため、完全には理解していないのだが、どうも交渉が決裂したようだ。


12の男に対して突然怒り出すおばさん娼婦。手に持っていたグラスを床にたたき付け、そして椅子を蹴り上げる。

12につかみかかろうとするおばさん娼婦。

12とおばさん娼婦じゃ流石に勝負にならないので、12もなにやら怒ってはいるものの暴力をふるっている感じではない。激しく怒って興奮しているのはおばさん娼婦の方だった。

椅子を投げつけようとしたり、つかみかかろうとするそのおばさん娼婦と怒り気味に何かをいっている12を取り押さえるGulliverの店員。

ここまではまぁ良い。良くないんだけど、まぁいい。

だが、第三者が・・・しかも、そこそこガタイの良い男がここで介入。ポジション的にはおばさん娼婦の味方っぽい。

その第三者の男(以後、「やぶ蛇男」と呼ぶ)が、12に思い切り大外刈りをかけられて床に倒れ込む。

いや、目の前でみていたが、それはそれは綺麗な大外刈りだった。やぶ蛇男は受け身もとれずに倒れたが、酒に酔っていて痛みを感じないのか、すぐに立ち上がり12と対峙する格好になる。

ここで、ビビリ始めたケイコちゃんとおいらが席を交代する。そして、野次馬を続ける。


2人の睨み合いが始まるのか!???と思いきや、すぐにやぶ蛇男のビンタが炸裂。店内に「パシ〜〜〜〜ン!!!!」という綺麗な音色が響き渡る。

ここでかちんと来たのが12。反撃をしようとするがなかなかやぶ蛇には当たらない。Gulliverレベルになると、客もある程度の格闘技をマスター・・・いや・・・場慣れしていて、この手の喧嘩はお手のものなのだろうか・・・。

ここで再び店員に店の外に追い出される12とやぶ蛇男。

入り口の扉には頑丈そうな鎖で取っ手ががんじがらめにされる。

なるほど・・・あの鎖はこういうときに使うのか・・・みんな納得。

店内がおとなしくなったと思ったら、先ほどまでスロットに興じていた男が突然の大当たり

今度は店内に1eurosがジャラジャラ出てくる男が響き渡る。

なんか安穏。天国と地獄。dead or alive

流石、人間交差点 Bar Gulliver。


店員が「警察を呼ぶ・・・」と電話をかける。

外に出されても相変わらず2人で牽制しながらの喧嘩をしている2人。

店内は相変わらず、ジャラジャラと1eurosの音

牛が鳴いていてもおかしくない長閑さ。

だが、かなり暇だったのか、あっというまに警察がやってくる。その数パトカー3台。あれよあれよと大量の警察官に囲まれる。

店内にも警察が入ってきた!と思ったらトイレだったり事情聴取だったり(笑)

なにやらしゃくりあげて・・・過呼吸なのか、突然卒倒するおばさん娼婦。

両脇を抱えられるようにして椅子に座らされるおばさん娼婦。

あいかわらず鼓動は激しい。首は後ろにダランと垂れ下がっている。

会計を頼みにカウンターにいったとき、しっかり容姿をチェックしたが、やはり謎中の謎の娼婦。いったいいくらなんだろう?

なんとか正気を取り戻したおばさん娼婦は、泣きながら、しゃくりあげながら警察に事情を説明している。

後ろでは「我関せず・・・」と相変わらず1eurosをジャラジャラ出しているスロット男。

Gulliverのもつ牧歌的な雰囲気の特徴だ。

いったいぜんたい、何が問題だったのかわからないまま、うちらはGulliverを後にする。

自転車のタカシ君がハルカ姉さんを送っていき、おいらがケイコちゃんを送っていく。

3時過ぎ頃に解散し、寝たのはたぶん5時頃。


帰国間際の素敵なDespedida(第二弾)となった。