初体験

以前からマリメッコに誘われていた映画そして、ひと粒のひかりを見にくことにした。
(公式サイトはこちら

せっかく映画をみるので、バルデミメンバーにメールを送ってバルデミ企画にすることにする。もちろん主催者はいいだしっぺで田舎っぺのマリメッコマリメッコにとってはバルデミ初企画となるわけだ。

おそらく平日なのに暇人であろうと思われる、むんとおぐりをターゲットにしてMLにメールを流す。だが、大丈夫だと予想して2人は都合が悪くてこれず、かわりに、代休で仕事が休みというのび〜が釣れる。

のび〜はどちらかというと、ハリウッド系の映画が好きなので、今回の映画は合わないのではないかとも心配したが、まぁ、話のタネにはいいだろ〜と渋谷で待ち合わせる。

人間で待ち合わせ、4時50分の回に合わせて映画館へ。チケットは映画館へ行く前にチケット屋で購入。1480円也。

た、たけぇ〜〜!!

前売りが1500円だから、20円しか安くなってないじゃないかっ!!!

やっぱ日本の映画環境は劣悪である。


最近、めっきりスペインネタを書いてないので、スペインの映画事情について軽く書いておくことにする。
(おいらが知ってるのはValenciaのみなので、MadridやBarcelonaなどは不明)

まず、値段!

スペインの映画チケット代は安い!最近、なんかしらんが、おいらが初めてValenciaで映画をみたときよりも徐々に高くはなってきてはいるが、それでも5euros前後だ。高くても6eurosで、学生だったら4euros前後にまでなる。現在はユーロが強いのもあるが、それでも当日券は半額以下だ。半額以下!!!

でもって、時間!

これがまた抜群に素晴らしい。というのも、午前中に映画を上映するなんてナンセンスなことはしない!(まぁ、どっかにあるかもしれんが)

早くても夕方4時半くらいから始まり、遅ければ11時過ぎから上映開始なんていうのが普通だ。日本でいうたら、レイトショー並かそれよりも遅い時間に上映されるというわけだ。

なので、Valenciaで生活している時は「映画を見よう」ってことになったら、集合時間はだいたい夜の9時とか10時に集合して、テクテク映画館まで歩いていくという感じだ。夕食食べてからの場合もあれば、ちょっと早めにいって一緒にみなで軽くつまむなんてこともある。

この時間設定のおかげで平日でも余裕で映画をみることができるわけだ。

「さ〜て、仕事も終わったし、映画でもいっちゃう?」
「そうだね〜じゃ、そこのBarでつまんで見に行くか!」
「うし!」

てな具合だ。

男も女を誘いやすいってもんだ!
(スペインじゃそんなこと関係なさそうだが・・・)

それに引き替え日本は、タダでさえ終業時間が遅いというのに(働いてないからよくわからんが)、残業なんてあった日にゃ、映画どころか終電の心配せにゃならん。まぁ、都市の構造が違うのでしょうがない部分もあるが・・・それにしても、平日に映画をみれる気遣いくらいあってもいいんじゃないだろうか。

この時間帯のメリットはまだある。日本の場合、仕事をしている人間のほとんどは平日に映画をみるのは厳しいんではないだろうか。まぁ、みれたとしても、「よし!この日はなんとかして見よう!」という感じだったりするに違いない。

見たい映画があるのが、平日は無理。そうなると・・・土日になるわけだが・・・そうなると、早めにチケット買っておいたり(中には整理券制のところもあるが)、サラに入るのに行列並んだり・・・と何かと慌ただしい。

それもこれも、平日に映画がみれないからだ!

そもそも、天気が良い土日に、なんで室内にこもって映画みにゃならんのだ!そこがそもそもおかしい!外で遊びたいやん!

終電があるわけだけど、せめてもう少しレイトショウの時間を遅くしようよ。そうすれば、仕事終わったあと車とかでいける人もいるし、終電遅い人だったら1時近くまで時間あるわけだから、22時くらいに仕事終われば、映画楽しめるじゃん!

ちなみに、しつこいくらい何度も日記で書いているが、Valenciaでは、日没が遅い夏の時期になると、野外劇場のシーズンとなる。値段は3euros前後(回数券を買うと2euros前後)だったり、タダだったり。開始はもちろん夜の10時とか11時とか。

映画は娯楽なんだから、万人が楽しめるようにしようよ。ただでさえ、日本は人口多いんだからさ〜。

なんか「おまえらはDVDでも借りて、おうちで見てろ!」っていわれてる気がしてくるよ。ホント。まぁ、レンタルに関しては、日本の圧勝だけどね。すごいすごい。

働き始めたら映画見る本数とか減るんだろうな〜。あ〜イヤだイヤだ。

とまぁ、ちょっと憤慨したところで、映画の感想。


そして、ひと粒のひかり3.3点(5点満点)

この映画・・・コロンビアが舞台なのだが、監督はアメリカ人とのこと。南米を扱った作品としては、「アモーレス・ペロス」(Amores Perros)、「シティ オブ ゴッド」(Cidade de Deus)に続く衝撃の作品というふれこみのようだ。
(おいらは映画を見る前に情報は全く入れないで、あとから調べるタイプ)

タイトルからはぶっちゃけ何もイメージできなかったが、チラシはとてもいい感じ。センスがよい。2バージョンあるっぽいが、片方はマシュマロ食べてるんだと最後まで思っていた。映画みて違うことがわかったが。

ストーリーの方は、ミュールと呼ばれる麻薬の運び屋の話。

様々な事情から、花工場の仕事を辞め、ミュールになることに決意したマリア。そして、彼女の仲の良かった世間知らずっぽいブランカもミュールとなることを決意する。マリアは「ブランカには無理だ!」と引き留めるが、大金には抗えない。

2人は既に運び屋をしていたある女性と共に飛行機でニューヨークに麻薬を運ぶことになるわけだが・・・。

映画前半部はこのミュールというものがどんな仕事かということを詳しく映像化して説明している。

もうすごいのなんのって・・・。

思わず、おえっぷ!となってしまう。想像しただけで・・・・いや〜〜〜〜ん!って感じだ。

スペインにいるときに、ハシシはサランラップにくるんで肛門にいれて税関を通るとかいう話をきいたことがあり、その時も、うぐむ!って感じだったが、今回の映画の映像ははさらに過酷だった。

主人公のマリアがSuper Guapa(恐ろしくかわいい)だったのもあり、完全に感情移入して見入る。

ちなみに、マリア・・・前半と後半で顔が違う。太ったっていうか、なんというか・・・映画とる期間が長かったのだろうか?最初の登場シーンとラストシーンでは別人だった。うぐむ〜。

まぁ、いいや。

で、後半部になるわけだが・・・ここからが少々イマイチ。前半部が妙にリアリティーのある話だっただけに、後半部の妙な映画臭さが気になった。味のある登場人物がでてくるわりには、いまいちおざなりで、存在感ないまま映画は終わってしまった。

展開の方も前半部と後半部では全く違い、後半日はどうにも説得力がない。しばしば「え〜〜〜!そうなるか〜〜!」って部分が多々あった。あとわざとらしいところとか。まぁ、わからんでもないのだが、少々無理がある気がする。

結局、「ミュール」ってのは、こういうのなんだよ〜!と説明したかっただけの映画に見えてしまう。一応、映画なので、ドラマ仕立てにはしてるけどね〜みたいな。

とはいえ、この「ミュール」ってのがどんな感じなのかを見るだけでも、この映画を見る価値はあるかもしれない。ということで、3.3点と適度に高得点にしてみた。

ちなみに、おいらが個人的に一番好きなシーンは、マリアが病院のベッドに横たわってモニターを見つめるシーン。もうこのシーンは最高だった。悩殺やね。悩殺。あんなはにかみのような笑顔されたら・・・おじさんはもうダメです。

ついでに、他の2人の点数も書いておくと・・・のび〜が2.6点で、マリちゃんが4点といった感じになった。この辺については下でまた少し触れる。



バルデミの映画企画にはルールがある。

まず、映画をみたあとにすぐに感想を言ってはいけないのだ。まず、どこかの呑み屋に行き、飲み物を注文し、じゃんけんをし、勝った人から好きな順番を選び、点数を考えてから順番通りに点数を言い、そのあと、どこが良かった、どこがダメだった、などと映画の内容を肴にして酒を呑むのである。

これぞ、バルデミ映画企画なのである。

すでに、このルールで何十回と酒を呑んでいるわけだが、新参者のマリメッコはこのあたりの情緒というか、侘び寂びがわかっていなかった。


映画後、貧乏なおいらにあわせて、その辺の立ち食いそば屋(まぁ、座ったけど)で安く晩飯を済ます。これをやると、呑み屋で余計な注文をせずにすむわけだ。

映画館側のそば屋に行き、おいらは「竜田揚げそば」を注文。380円なり。

写真は旨そうだったのだが、少々失敗した感が強いこの竜田揚げ蕎麦。

まず、竜田揚げが竜田揚げぽくなく、外のころもは生ぬるく、中は冷たい・・・というなんともいえない塩梅で、1人無言で蕎麦をすする。まぁ、蕎麦は旨かったけど。

おいらが蕎麦をすすっている間、うるさかったのがマリメッコ

マ「なんかさ〜あの映画・・・」
お「だぁぁぁぁ!!!!映画の話はまだするな!!!」
マ「だって〜〜!話したいじゃん!」
お「だから〜それを我慢するのがこの企画の侘び寂びなの!」
マ「時間たったら忘れちゃうよ!!!」
お「ぼけ!そんな数分で忘れる脳みそだったら捨ててしまえ〜〜〜!」
マ「え〜ん、話したいよ・・・」
の「きびしいね〜!」
お「厳しくない!!今後もこのスタイルなんだから、慣れなくては!」
マ「食べている間、無言になっちゃうよ〜!映画の話しないと・・・」
お「無言で結構!しずかに、冷やしうどん喰ってろ!」
マ「忘れちゃうよ〜〜〜!」
お「早く食べれば、すぐに話せるってば。いいから喰え!!!」

まぁ、日記を書いてる今、冷静に考えるともう少し優しいもの言いはできたかもしれないが、根が優しくないのでとっさには無理。っていうか、隙を、間をみつけては、映画の話をしようとするマリメッコにいらだちを覚えていたからもっと無理。今回の企画が初体験なのでわからなくもないが、そういうところでは、おいらは「容赦なくキビしか人でしゅ」よ。

そば屋をあとにして、先日みつけた、今後いきつけにしたいNo.1で、「日本のBar」と勝手に命名した焼き鳥屋「鳥升」に行くことにする。安いし、岩手の純米酒旨いし!

が、店は一杯で入れず。

入り口のガラス越しに、おばさんから「苦い顔」でそれをつたえられる。いうたら、アイコンタクト。

しょうがないので、鳥升の側にある焼鳥屋でがまんすることにして散策。鳥升から歩いて1分くらいのところに、値段の安い焼鳥屋を発見し、そこに決定。


ようやくマリメッコがやりたかった映画感想会の場となった。

まず、じゃんけん。おいらが勝ち3番目をゲット。次ぎに勝ったのび〜がそのまま2番目をゲット。ビリのマリメッコは最初に点数を言うことになる。

で、点数は先ほど書いたとおりとなったのが、何故かしょんぼりし、謝り始めるマリメッコ

お「え?なんでしょんぼりしてるの?なんで謝ってるの?」
マ「え〜だって〜〜〜つまらなかったか〜ごめんね〜」
お「だから、なんでマリメッコが謝るの〜」
マ「面白かったのあたしだけなのね〜ごめんね〜」

全く趣旨がわかってないマリメッコ

お「あのね〜、この企画はね〜全員が面白くなくてもいいの!自分がある映画をみたいんだけど、一緒に行きたい人いる?っていうものなの。誘う方のメリットは映画の話ができたり、ネタ共有できたりとかで、参加する側は、普段自分では選ばない映画とか、名前さえ知らない映画とかを見れるわけでしょ?参加する人間は興味なければこないし、あれば来るの。で、面白かろうと、つまらなかろうと、酒の肴にして、あ〜でもない、こ〜でもないって話すの。いうたら、映画がメインってよりも、酒の肴としての役割がつよいわけさ。わかる?」

の「そうそう!この映画企画で面白くなかった映画なんてたくさんあるよ!でも、普段みない映画がみれるから、今日も参加したんだよ〜」
マ「う〜ん、そうなのか〜、でも、ごめんね〜」
お「まぁ、時期慣れるよ。」
お「って、のび〜って映画企画、企画したことある?」
の「そういうわれると・・・ないね〜」
お「今度企画しなさい。バイオハザード系でしょ?」
マ「あははは!のびくん、ああいうの好きなの?ドドーン系」
お「そうそう。のび〜は花様年華とかもう最低点だったよ。1点なかった気が・・あとおぐりもあの手の映画ダメ〜」
の「おまえとむんが高かかったんだっけ?」
お「そうそう。2046はつまらなかったけどね」

と、何故か反省しているマリメッコをよそに違う映画の話をしはじめるうちら。

今回みた映画の方はというと、話をしているうちに、のび〜が少し点数があがり、マリメッコは少し点数が下がった。おいらはそのまま。最終的にのび〜が3点近くになり、マリメッコは3.8とか3.7とかになった。


映画の話も終わり、違う話で盛り上がる。何話したっけかな〜。覚えてないや。あまりに衝撃的なことがあって・・・。

例のごとく日本酒を2杯程度で、完全におねむモードのマリメッコ。放っておいてのび〜と2人で話をしていると、静岡にいるTちゃん(Valenciaでの共通の友達)からマリメッコに電話がかかってくる。何故か元気に対応するマリメッコ

閉店時間の11時になり、電話をきるマリメッコだったが・・・その2秒後・・・

マ「酔っぱらった〜〜〜!!!気持ち悪〜〜〜〜〜い!!!」
お「げげげ!そんな呑んでないヤン!」
マ「でも、気持ち悪い!気持ち悪い!」
お「でも、閉店だから、とりあえず階段降りて・・外でないと・・・」

のび〜に荷物をもってもらい、マリメッコに肩を貸し、少々急勾配な階段をそろりそろりと下りるうちら3人。

「ごちそうさま〜〜!」と叫びつつ、外に一歩踏み出した瞬間・・・

マリメッコ・・・崩れ落ちる・・・

ついでに、店の前はちょっとした坂になっていたため・・・

マリメッコ・・・転がり落ちる・・・・


お「はう〜〜〜!完全に潰れてるじゃん・・・そんな呑んでないのに・・・うぐむ〜」
の「いや・・一件目でそこそこ呑んでるよ」
お「うそん!2合徳利2本でしょ?3人で〜。そこでも彼女1人で1合ちょっとでしょ?」
の「まぁ〜彼女にしては結構のんだでしょ〜。それに一軒目の酒、あまりいい酒じゃなかったしね〜」
お「確かに・・・悪酔いか・・・」
お「とりあえず、ここはヤバイから運ぶ!」
お「よいっしょ!!!!・・・・お・・・重い・・・・1人じゃ無理・・・ヘルプ・・・ヘルプ」
の「(笑)」

ってことで、2人がかりで柵側に連れて行く。いや、「引きずっていった」といったほうが正しいかもしれない。

当のマリメッコは服が汚れるのもかまいもせず、完全にグロッキーで道路に寝ころぶ。

目の前を次々通るサラリーマンやカップル。

お「この辺呑み屋多いから別に珍しい光景でもないだろうに!なんで、みなじろじろみてくんだ?っていうか、ラブホテルからでてきたカップルにみられたくないわ!!!」

とひとりごちるおいら。のび〜は優しいので彼女のためにコンビニにお茶を買いに行ってあげていた。

通行人にじろじろみられながらも、そんなこと気にせず、マリメッコ・・・

「きもちわる〜い」

「あれ〜なんであたしここにいるの〜〜〜」

の繰り返し。

そのたびに「あんたが酔っぱらってるからここにいるの!」と説明させられるおいら。

30分くらい様子をみてから、また2人がかりで駅まで運ぶ。

問題はどこにつれていくか。彼女の家に連れて行くのはいいのだが、今の状態で1人で彼女をもちあげて、電車を乗り換えるために階段を昇る自信ははっきりいってなかった。

ってことで、急行がまだあるということで、おいらの家までつれていくことにし、のび〜と別れた。

予定通り急行に乗ることができた。あと30分ほど耐えきればおいらの家。なんとかなりそうだ。

お「気持ち悪くなったらすぐにいえよ!我慢するな!急行だから、一つとばすとえらいことになるからな。やばかったら遠慮無くすぐいえよ!!」

電車が走り出す。

マ「う〜〜〜〜きもちわるい・・・降りる・・・・」

一駅持ちませんでした


酔っぱらったのも、潰れたのも、気持ち悪くなったのも初体験の彼女・・・今自分の体がどうなっているのか理解できてないらしく、「なんで〜なんで〜どうして〜どうして〜なにこれ〜なにこれ〜」を連発していた。

まぁ、ボミることは無かったが、その後もベンチに座って、3本電車を見逃し、終電ギリギリでおうちに帰宅した。


というわけで、大変な目にあったマリメッコではあったが、これにてバルデミ通過儀式は済んだと言えよう。

おいらが立派な呑んだくれにしてやるから、安心しろ。

次は・・・便所でボミることだな。