スペインではこう指折り数えるのさっ

かなりの危機に瀕している。これがなかったらおいらは仕事に確実に耐えれない。それをしに石積み場にいっているといっても過言ではないというくらい大事なもの。

北方謙三水滸伝

おいらとこの本に関して歴史は話すと長いから省く。それどころではない。

ってことで、仕事から帰ってきたのは10時少し前だったが、ご飯を急いで平らげ(おいらの好物である無印のグリーンカレーだったため、汗だくになった)Book Offへ。

出がけに母親に「Book Offいってくる!」っていったら、母親も欲しい本があるということで一緒にいくことになる。

母親とZでいくのか・・・う〜ん・・・なんかイヤだな・・・ドライブみたいじゃないか・・・・母親の赤軽にするってもんか・・・煙草吸えないし、音楽聞けないし・・・たまにはぶい〜んと車飛ばしたいし・・・

10秒間目まぐるしく考え、結局Zでいくことにする。手にしていたkaelaちゃんのCD(キットカットについてきたやつ)は玄関において、Viva la VitaのCDに変更する。kaelaちゃんの歌を歌える雰囲気でもなさそうなので。

回送バスにじゃまされながらも町田街道、鶴川街道と抜け20分後くらい聖蹟桜ヶ丘そばにある、そこそこでかいBook Offに到着。

このBook Offは滅多にくる場所ではない。普段だったら町田の巨大Book Offで事足りるのだが、おいらが探し求めている北方水滸伝の四巻は、町田にも地元そばのにもなかったため、ここに来たわけだ。

日曜に町田と地元のにいった時はまだ今週くらいなら(三巻が)何とかもちそうだ・・・と思っていたのだが、帰りの電車でも読みふけってしまったため、明日には確実に読み終えてしまう。

日々の楽しみなので、できるだけチョットずつチョットずつ、ほかの本(雑誌や漫画)にもウワキしながら読んでいるのだが、あまりにも面白く、あまりにも熱いので、ついつい浮気相手を無視して読んでしまったのだ。

駐車場に止めるべく右折する・・・・

ん???なんかちょっと薄暗くないか??しかも、第一駐車場とやらはしまっているではないk!!!しかし、まだ電気はついている、いける!!

と、地下にある第二駐車場に下りていく・・・

シャッターしまってるやん!

第一駐車場は車止めみたいなので入れないようにしてるのに、なぜUターンができない第二駐車場にはおかない!!!!

やり場のない怒りを感じる。

地元そばのBook Offは23時半まであいているので、たぶん大丈夫だろうと思っていたが・・・甘かった。

図らずも、母親と夜のドライブなぞという、オサレなことをしてしまった・・・。

おいらの貴重なプライベート時間を返せ!1時間返せ!

マジでショックだ。

このままではあまりにも不毛なドライブとなってしまうので、おまけ(猫)の缶詰をセブンイレブンで買うことで正当化した。

うん。そう。水滸伝買いに来たんじゃなくって、おまけのご飯を買いに来たんだ。

そう無理矢理思いこますことにする。


さて、話を移す。

日本に帰ってきて早4ヶ月???おいらの体に染みついていたスペイン習慣はだいぶ洗い落とされてしまった。帰ってきたばかりの時はマジで恥ずかしかった、人とぶつかったときの「Ay!Perdon!」(あ!ごめんなさい)も、最近ではそうとうなことがないと口からでてこなくなったし、変なところで忘れていた日本語も最近ではスラスラ言えるようになり、身も心も日本人となりはじめた今日この頃。あとは、メンタルの部分だけだ・・・なんて思っていたのだが・・・。

日記には"まだ"書いてないが、先日、新大久保の韓国料理屋で、朋美嬢(スペインガイドつながり)、ユカちゃん(同左)、一江ちゃん(スペインガイドつながりの人間の友達)、ひ〜ちゃん(バルデミ)、吉野(バルデミ)というメンバーで飲み食いしたのだが、そのときのこと。
(※吉野をのぞけばかなり平均年齢が高い呑み。しかも、女性陣3人は、おいらが本気でかかっても勝てない面々ばかり、女帝クラスが勢揃い。一人でもすごいというのに3人になると、もう大変。おいらもひ〜すけも吉野も手のひらで転がされまくり。3人だから×3という単純計算ではなく、三乗になるようだ。素人には・・・女子供にはたぶん無理・・そんな呑み)

注文時に、ユカちゃんに笑われながらつっこまれる。

「はい!じゃ、注文ね!プルコギでしょ・・・サラダでしょ・・・味噌なんとかでしょ!キムチでしょ・・・」

と指折り数えるおいらをみて、ユカちゃんが一言。

「なんか数え方が男の子らしいよね!グ〜〜ッ!って感じでさ〜。イエ〜イ!!!」

もう完全に身に付いてしまっているため、まったく気づかなかったのだが、おいらの指を折っての数え方は完全にスペインのそれ。

日本ならば、人差し指から1、中指2・・・となり、5にきて初めて親指がでてくるという数え方なのだが、スペインではその逆になる。

グーにした状態から、親指から1、人差し指2、中指3・・・となり、小指の5で終わる。慣れないと・・・また手の作りによっては、ができなくて困る人もいる。

ユカちゃんが「ぐ〜〜っ!」とか「イエ〜イッ!」といったのは、最初の1がそのゼスチャーに似ているからいったものだ。

スペインで日本式の数え方をすると、スペイン人から笑われるだけではなく、相手に正確な数を伝えられずに困ることが多い。店に入って人数を伝えるとき、切符を買うときなどなど。普段生活で数を伝えることはかなり多いので、これが自然とでてこないと、なにかと不便なのだ。まぁ、口でいうのもありだが、うるさい店とか、自分で数を勘定しながら相手に伝えるときは、どうしても指の動きが必要となる。

で、どう間違われるかというと・・・

まず、人差し指を突き出す1。これがスペイン人にはに見えるのだ。

どう考えても一本しか指はたっていないのだで、なにをどう間違えているかわからないが、先ほど書いたとおり、スペイン版指折りだと、人差し指がでてくるのはなのだ。彼らはでている指の本数で見ているわけではなく、でている指の種類で見るのだ。

「そんな馬鹿な!」って思う人は、今すぐスペインにいってやってごらんなさい!といいたい。

電車のチケットを買うとき、人差し指を突き出して1!と。口で「UNO!」といってもいい。それでもDOS?」って聞き返してくるから。

ちなみに、スペインでは人差し指をたてるゼスチャーもある。相手に「ちょっと待って!」と制止するときなどだ。このゼスチャーはかなり便利で、相手の口をふさぐ時にも使えるし、意味は少し違うが店員を呼ぶとき、あとは、これは以外かもしれないが、「○○食べたい人〜手〜あげて〜」とか「××行く人、挙手!」ってときにも使われる。日本では手のひらをあげるが、スペインでは人差し指をたてて上に上げるのだ。

どうでもいいといえばいいが、このスペインにおける人差し指ゼスチャーはかっこよくやるコツがある。おいらが8年前(スペイン滞在前)にPamplonaで知り合った「陽気なジェームス・ディーン」(Barの店員)のやっていたそれだ。

あまりにかっこよかったので、日本に帰ってきてしばらくやっていたが、所詮は1ヶ月ちょっとの旅での付け焼き刃。そのときは身に付かなかったが、おそらく今は、気づかずやっているはずだ。ゼスチャーなんてものはつっこまれないと気づかないので、実際どうだかわからんが。

あっ、で、どうやるとかっこいいかというと、日本の「1」をやるときのように、ほかの4つの指をしっかり握るようにやるのではなく、4つの指を使ってふんわりとした円を作るようにするのが、粋であり、侘び寂びなのだ。

とりあえず、人差し指と親指をつけて、「OK」のゼスチャーを作ってみる。ふんわりとだ。その人差し指の代わりに中指を親指にくっつけて、人差し指は少々だらしなく曲がって見えるが、ちゃんとまっすぐたてている状態で一本だけだす。

そして、その状態で相手の目の前にその指たちを持って行き、こういうのだ。

「Espera!」(待て)

と。

もうちょっと通ぶりたい場合は

「Un Poquito」(ちょっとだけ・・・)

といってもいい。

スペイン旅行でも留学でもこのゼスチャー(スペイン語ではGesto(ヘスト)という)を覚えておくと便利。

わからないときとか、相手がせかすときとか・・・スペイン語だけではなく、この指ゼスチャーもつけるのだ。

これをやると、そうまるでパブロフの犬のように、条件反射で黙る・・・そして、止まるのだ。「だるまさんが転んだ」並といってもいい。

スペイン人は基本的におしゃべりなので、スペイン語が上手にはなせないと自分が口を出すタイミングがいつまでたってもやってこないなんてのは日常茶飯事。

そんなときもこれを使うと、自分が話せる。おいらはManolo相手に、何度これを試したことか・・・。

今スペインにいる人、これから行く人・・・チャンスがあったら是非使って欲しい。そして、心の中で「うわ〜〜パブロフの犬だ〜」と思って欲しい。

あ、そうそう。さっきも書いたが、口でいくら叫んでもこない店員も、このゼスチャーを空高く掲げるだけで、やってくる。わんわんわん!って。

いや、ホントなんだってばさ。


で、この数え方はフランスでもそうだった。たまたまかもしれないが、おいらはスペイン滞在前にいったフランスでこの指折りを知った。このフランスも1ヶ月程度だったので、しばらく日本にいたらまた元の数え方に戻ったが、おそらくこの数え方は死ぬまで戻らないと思われる。

そんな説明をユカちゃんにすると、

「中指から出したらやばいよね・・・おりゃ〜〜!」

だって。

やっぱ勝てないよ。類友なのか、朋美嬢は涙を流して笑っていた・・・。


長くなったが・・・なぜこの話をしたこというと・・・場所は変わって、いきつけのCafe de Crie。

今日の昼は、ローテーションの一つである呉で讃岐うどんを食べたので、Cafeでの注文はアイスコーヒーだけにしたのだが・・・

お「え〜っと、アイスカフェ一つ」
店「え?お二つですか?」

どう見てもおいら一人なのに・・・この時点ですでに何かが間違っているのだが・・・いずれ書くが、このCafe de Crieは問題が山積みの店なのだ。

お「いえ、一つです!」

と、癖で親指を突き出したわけさ。

すると、素人店員(実際は長いっぽいのだが。根暗君と勝手に呼んでいる)の彼は、相当そのインパクトが強かったのか、動揺しながら、おいらに向かって、おいらと同じゼスチャーをしながら

店「失礼しました。お一つですね!」

とスペイン式の1をやったのだ。

その後、「あ、やってしまった!」という顔をしていたのをみて、もうおいらは笑いが堪えられなくなってしまい、うつむいて、声を殺し笑わなければいけなくなってしまった。そのニヘラ顔を、コーヒーをとるとき、違う女性店員(声が声優みたいな声してる)にくすっと笑われてしまう、今度はこちらが恥ずかしい思いをしてしまった。

まぁ、なにはともあれ、このゼスチャーを日本でもはやらせたいもの。

日本スペイン化計画の一環として・・・。


追記
昨日、日記書きながら食べていた「あたりめ」の袋口があいており、部屋にはいったときに何ともいえぬにおいが充満していた。ショック!

追記2
石積み場においてついに「デザイナー」とか「プロ」とかいう単語を使われてしまった。デザイナーは百歩譲って、「もどき」をやっているとしても、たかだか2ヶ月働いただけでプロとは呼べないだろう。デザイナーっていう単語もそうだが、プロって、もっと重い意味を持つ単語だと思うのだが・・・。最近、仕事募集とかでもよく見かけるが、WEBデザイナーって単語をよく耳にするが、どれくらいできるか知らないけど、働きはじめてすぐに「デザイナー」とか「プロ」とか使う人間が信じられん。「WEBのデザインやってる」とはいえるが、「あ、おれ、WEBデザイナー!」なんて口が裂けてもいえん。おいらとしては「WEB職人」という単語を使いたいのだが、場合によっては「職人」の方がデザイナーより上のような気がしてしまうので、たまに使ってしまうが、たまに自分の仕事をなんていうか悩んでしまう。なんかいいのないもんかね〜。いままで通り「WEB作る人」といえばいいのだろうか・・・。