春眠暁を覚えず〜スペイン映画を見よう!〜

なんか、一日中眠い日だった@マリ邸。

散歩に前に、おいらがもっていった「罰当たり修道院の最後」を見てからにしようということになった。

まずは映画の感想。

【罰当たり修道院の最後】3.2点(5点満点)
(1983年:スペイン映画)

スペインの巨匠、アルモドバルの作品。日本ではレンタルさえもできない「Pepi, Luci, Bom y otras chicas del montón」(1980)よりは新しいが、「神経衰弱ぎりぎりの女たち」、「アタメ」よりも数年古い。

Bookoffで1650円で売っていたので衝動買いしたみた。Manoloがものすごいすすめていたからだ。

で、感想なのだが・・・ストーリーに関しては凡人のおいらではあまりうまく説明ができない。ぶっちゃけ、わからないといえばわからないからだ。

アルモバルの映画は最近になってとてもわかりやすいものになってきているが、スペインでみた前出のPepi、Luci、Bom〜などは、面白いが、難解・・・というのが常。なのに、なんかついつい見てしまう。ついつい惹かれてしまう・・・という不思議な映画なのだ。

この映画もそう。人間関係もストーリーも自分で半分想像しながらでないとついていけない。もうすでにそこにあるもので、いちいち説明しない。「見て理解しろ!」って感じ。たとえていいのかわからんが、自分の日記も含めて誰かのBlogを途中から読んだのと似ている。

彼の映画ではよくあることだが、導入部はとくにその傾向が強くて、メインの部分にもっていくまで、いちいち詳しく描写しない。「こうなったからこうなの!だから、そう思え!」という感じで、舞台が「修道院」にいくつくところまで話が進んでいく。

その部分を軽く書いておくと、ある歌手の女性が、麻薬で恋人に突然死なれて、麻薬所持ということも含めて警察に追われそうだから、たまたまファンとして知り合った尼さんがくれた名刺に書かれていた「駆け込み寺」(この訳が抜群だ)に半分逃げ込むように行く・・・

というところからストーリーは始まる。

この修道院にいる尼たちはどれも一癖も二癖もあるような尼たちで、あだ名も堕落尼とかどぶネズミ尼とか肥だめ尼とか、とにかくすごい名前が多い。日本語で書くとちょっと変になってしまうが、まぁ小学生がつけるあだ名みたいなもんだ。

官能小説を書く尼、LSDで飛ぶ尼、レズな尼、トラを飼っている尼・・・と、日常生活もおかしいのだが、そんな尼たちの住む「駆け込み寺」へ、歌手のヨランダはいって、そこでしばらく生活することになる。

彼の映画をみていて常々思うことだが、彼の書くキャラクターは変わり者ばかりといえばそうなのだが、とても人間臭いところがいい。変に綺麗なところは省くもんだから、よりいっそう人間臭く思えるのだ。

演じる女優たちも、流石はスペイン人というべきか、日常とあまりかわらないからかしらないが、これまたうまい!

日本のドラマなんかにでてくる女優、男優がかっこつけた演技をするのはいいが、あれはどうも嘘っぽくみえてしまい、いぶし銀が演じるなんとも人間臭い演技が好きなおいらとしては、わけがわからなくても、ついついのめり込んでしまう。

この映画・・・「是非見て!」と言えるほど、しっかり理解して、楽しんだわけではないが、アルモドバルの映画を是非見て欲しいし、日本で借りることのできる彼の作品もあまり多くない(無難なものは多いが・・・)ので、そういった意味では是非見て欲しい。時代を追って見るならば、この映画から初めて、「マタドール」、「神経衰弱〜」、「アタメ」、「ハイヒール」、「キカ」、「私の秘密の花」、「トーク・トゥ・ハー」と見ていくといいかもしれない。

アルモドバルは気に入った女優を何度も何度も使うので、この映画を見ていれば前半部の映画ならば、同じ女優がでていることが多い。

今回だと、今ではスペインの大女優になっているCARMEN MAURAもでているし、Marisa Paredesもでている。

無難にいくなら、「神経衰弱〜」、「キカ」、「アタメ」あたりかな〜。

2007年には、最近スペインでも上映された「volver」が上映される。カンヌで脚本賞(?)をとり、主演の5人が主演女優賞(?)をとったそうな。その5人の中には、喧嘩別れしたといわれる、この映画にもでているCARMEN MAURAと、ハリウッドにでるまえまでおいらが好きだった(今も好きなのだが)Penelopeが入っているらしい。

スペイン映画は、たしかにコアなものが多く、日本で言うと北野武みたな感じでとられるが(暴力、セックス、麻薬なんかがでてくる映画がなぜか多い)、一度はまるとやめられない魅力がある。

最初の映画でアルモドバルはどうかという気がしなくもないが、TSUTAYAにいってもなぜかあまりないスペイン映画なので、きっかけがあったら是非とも見て欲しい。

日本で借りられて、簡単に入れそうなやつだとすると、「El Dia de la bestia」(邦題:ビースト・・・なんたら)、「La Comunidad」(邦題:たぶん「みんなのしあわせ」)、「Piedras」(邦題:「靴に恋して」)あたりはおすすめ。

El Dia〜は、黙示録を信じた神父さんが、彼の計算によって算出された悪魔が復活される日が数日後ということを信じて、Madridまでやってきて悪魔を呼び出すために、小さな悪事を繰り返し・・・そして・・・って話。

La Comunidadは、不動産会社につとめているとある女性。最近あまりうまくいってない。とある日、あるマンションで、偶然にも3億pts(ペセタ)を発見(円でいうと、0.75がけくらいだが当時はわからん)。それを独り占めしようとするのだが、その3億ペセタの存在はほかの住人も知っていて・・・というどたばた劇。面白い。

Piedrasは、上の二つと違ってヒューマンもの。音楽がとてもいい。でてくる女優たちが最高!演技力がすごい!いくつかのストーリーがかみ合っているので、ここでは説明は省く。

いま急に思い出したけど、バニラ・スカイのオリジナルである「オプン・ユア・アイズ」でもいいかも。トム・クルーズはでてないが、ペネロペは同じ役ででている。ハリウッド化されたバニラ・スカイをみたあとで、どちらが好きか嫌いかは好みによるところだが、バニラ・スカイほど派手さは当然ないが、オリジナルのおもしろさはある。

エロいのがみたい人は、やはりPenelopeの「JamonJamon」(ハモン・ハモン)だろう。やりまくりの映画である。Penelopeのロリコン時代がみたいなら「ベル・エポック」。ただし、これはフランス映画。スペインとの合作だったかもしれないが、こちらもやりまくり。ハーレムのような映画。この映画は偶然とはいえ、ある意味男の夢かもしれない。

「Mala Educacion」(バッド・エドゥケーション)はおいらは微妙。というのも、男からだと痛すぎる。スペインで、しかも大画面でみてしまったため、よりいっそうおしりのあたりが痛かった。女の子はいいかもしれないが・・・。ガエル好きにはたまらんみたいだけど。これもアルモドバルの映画。

ほかには・・・ぱっと思いつかんから、時間があったらまとめておこう。時間があったら・・・。

嗚呼・・・今なら多少金あるし、スペインいったら大量にDVD買ってくるんだけどな〜Torrenteとか1.2.3と全部そろえたいさ〜。

明日はまた「ウ必山水魚」に行ってくる。すんげ〜楽しみ。今回こそは「サザエさん」ゲットする予定。