ローズ イン タイドランド

久しぶりに新宿に映画を見に行く。

タイトルは「ローズ イン タイランド。「嫌われ松子の一生」を見たかったのだが、前々からマリちゃんには言われていたので、今日は彼女の希望を叶えることにした。

まぁ、おいらとしても、最近借りてきた「ブラザーズ グリム」にがっかりさせられたので(1.5点/5点満点)、ギリアムへの信頼を取り戻す意味でも、見ておかなくてはいけない作品ではあった。

ってことで、感想。

【Rose in Tideland】 3.8点(5点満点)

前作(ほぼ同時に制作されたらしいが)のブラザーズ・グリムは金がかかりまくっているところがギリアムらしかったが、それ以外は全部中途半端。ギリアムファンとしては、「ありゃ、例のごとく、彼のイマジネーションが予算と時間の枠に収まり切らなくなって、でも「ロスト イン ラマンチャ」の二の舞にできなくって、とりあえず 完成させたら、あんなに中途半端なものになったんだろう」と贔屓目にみていたが、それを確信させるくらい、今作は違った。

一言でいうと・・・えぐい

これまでの作品はなんだかんだでストーリーがあったのだが、今作に関しては理解できるとか理解できないとか、そういう範疇にない気がする。インパクトとしては、彼の作品の中では一番じゃないだろうか。

登場人物全員が、恐ろしく退廃的なため、普通の・・・常人の目だけでみたら、「うげ〜〜っ」となる。語彙が足りないので、なんとも説明できなし、あってもできなそうなのだが、変に理解しようとせず、あのまま見ればいいと思う。以前、テレビで爆笑問題がギリアムにインタビューしていて、「死」がなんたらうんたらっていうテーマで話をしていたが、言葉で説明されてもイメージはできないと思う。百聞は一見に如かずってやつだろう。

なんとなくだが、ジュネの「ロスト チルドレン」を思い出した。あれとかデリカティッセンよりもインパクトがあった。

衝撃のほとんどの理由は、主人公の女の子「ローズ」(ジョデル・フェルランド)にある。天才子役と月並みの表現で紹介されているが、半端ない。

ポネットの子とか、カラスの飼育のアナちゃんとかロッタちゃんにも「すげ〜こいつら」と思ったが、彼女に関しては末恐ろしさを感じる。というか、この映画にでちゃったらもう他の映画は無理なんじゃないだろうか・・・・エクソシストの子みたいに。

ロリコン云々はさっぴいて、食い入るように見てしまうくらい表情豊かでかわいらしいのだが、役が役だけに、あまり洒落になっていない。なんでこの脚本で、まだ12才(撮影当時は9才だとか・・・うぐむ)の彼女が、あんな表現や演技ができるのかが全くもって謎。気持ち悪ささえ感じる。鳥肌もんだ。

いや〜生々しい映画だったけど、久しぶりに映画らしい映画を見た。この映画はおそらく文章でみても、おいらの創造性だけではあそこまで生々しくできないだろう。

余談だが、彼女・・・「サイレント・ヒル」にでるらしい。ホラーか・・・さもあり
なん。彼女が違う映画でどんな演技をするのか見てみたいものだ。

あと、父ちゃん。どっかでみたことあると思ったら「ビッグリボウスキー」に出てた(笑)。あれもすごい役だったが、今回もすごかったわ。

一応サイトにあった「あらすじ」をそのままコピペしておく。

『世話の焼けるママが死んで、元ロックスターのパパとテキサスにあるお祖母ちゃんの家にやってきた10歳のジェライザ=ローズ。お祖母ちゃん亡き後放ったらかしのボロ家に着いて早々、パパはクスリで“バケーション”に入ってしまい、仕方なく親友のバービー人形の頭を連れて探検を開始する。秘密の屋根裏部屋を見つけ、家のまわりに広がる草原では幽霊女に出くわして…。』

公式サイト:ローズ イン タイドランド(おすすめ)


追記
次は意地でも「嫌われ松子の一生」だな。