ここだけの話

これまで、きちんと立派に石積み職人をやってきたというのに、ついにやってしまった。

生涯二度目の重度の二日酔い。ここまでひどいのは、日本では「初」だ。未曾有といってもいい。

二日酔いの原因は、昨夜またうちの駐車場でやった「反省会」で呑んだテキーラであることは明か。ついでに超寝不足であった。調子に乗って呑んでいたようで、ボトル半分はなくなっていたという。その前には日本酒を1升、魯智深とあけている。後半の方はほとんど記憶がないのだが、周りは唖然としていたらしい。パパンがそういっていた。

朝。

いつもより10分ほど寝坊しあわてて家を出る。かなり重度の二日酔いだと思うのだが、なぜか頭はまったく痛くない。おいらの頭というのは痛くならないようにできてるのだろうか?だが、とりあえず胸はムカムカするし、すんごい眠いし、たっているのが奇跡といってもいい感じ。

みなが二日酔いになると必ずといっていいほど口にする「もう酒はしばらくいい・・・」という台詞の意味がよ〜くわかった。まぁ、たぶんのど元過ぎれば・・・なんだろうが。

とりあえず、電車で寝てしまえば復活するだろう・・・と軽く考えていたのだが、二子玉あたりで、なんというか、胸の奥からこみ上げてくる何かを感じる。

「だ、だめだ・・・」

電車を降りる。電車の揺れが原因だったのか、降りた途端その「何か」は消えさった。

「何か飲んだ方が良さそうだ・・・」

アクエリアスをイッキのみ。復活!と思いきや、復活したのは「何か」であった。しかし、多分胃液だけなようで、本格的にトイレに駆け込みボミる・・・という状況にはならず。

たっているのもつらいので、とりあえず改札をでて、人通りが少なそうな駐車場でうだ〜〜〜と頭を抱えて座る。車の隙間からは通勤中の人々がよく見える。

「なにやってんだ・・・おれ・・・」

人通りが少なそうと選らんだ駐車場だが、なぜか次から次へと車がはいってきて、物珍しそうにみながおいらをチラ見してくる。元来、そんな視線を気するようなタイプじゃなかったのだが、石積み職人としてのプライドが芽生えてしまったのか、15分ほど座っていただけで、駐車場をあとにする。

全くもって復活の兆しが見えず。

アミノ酸なんとか・・・みたいなドリンクを購入し、それもイッキのみ。

でもダメ。

こりゃ、どっかで休むしかない・・・その前に、最後の気力を振り絞りクーフーリンさんにメール。

「体調不良のため遅刻させてください・・・ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

うん。シンプルかつ隙のない完璧な言い訳。

ネットCafeで寝ようと思ったが、それをやってしまうと本気で寝てしまいそうなので、改札横にあった何とかCafeに入ることにする。

310円でアイスコーヒーを注文。

「サイズはどちらにいたしますか?」

メニューにはS.M.Lではなく、Sのところに「ピッコロ」という文字が・・・イタリア語・・・二日酔いなのに、なんとなく言うのが恥ずかしい。二日酔いと羞恥心の間につながりはないことが判明。

「ピ・・・ピッコロで」

煙草なんて吸える気分じゃないのに、なぜか足は勝手に喫煙席へ。寝るのにちょうどよさそうな席を探すも、運悪くおくの席はすべて埋まっていて、空いていたのは、通勤客やら待ち合わせの人々からしっかり見えてしまうガラスの真ん前の席しかなかった。

背に腹は変えられないのでそこに座る。

せっかく喫煙席に座ったので、とりあえず寝る前の儀式として煙をくゆらす。

コーヒーには手をつけず、そのまま死体のように腕を伸ばし、うつぶせになり寝る態勢に入る。

「ん?なんだ・・・痛いぞ・・・え?この腕の裏にある擦り傷は・・・うおっ、左手にもあるじゃないかっ!」

「いつ転んだんだ・・・覚えてない・・・」

「まぁ、いいや・・・寝る」

爆睡。

何分くらいたったかわからんが、一度目が覚める。それと同時に隣にいた2人組のおばさんの片方が・・・

「あっ、起きた」
「(???なんだ?おいらのことか?)」

「あそこの女・・・みてよ・・・子供連れてるのに、あんな高い靴はいて・・・ほんと何考えてるんでしょうね!」

おいらも寝てる間になんかいわれていたに違いないが、しったこっちゃない。

再び寝る態勢に。

「あ、寝た」
「(うるせ〜)」

2時間くらいうだ〜としていたが、いっこうに治る気配はない。

「これはたぶん何も食べていないからだ・・・」

ドトールに河岸を変える。

和風つくねなんとかサンドとコーヒーを注文し食す。でもダメ。

「ダメだ・・・埒があかん・・・」

というわけで、今日一日はなんとか耐えきる覚悟で、3時間遅れで出石積み場。

言い訳は「軽度の食あたり」ということにしてみた。実際、そんな症状っぽいし・・・。

「石積んでいれば治るだろう・・・」というおいらの期待ははずれ、結局、「何か」と決別することができないまま退石積み場。

今になってようやく「何か」から解放され、日記を書けるくらいまで復活した。でも、もう寝る。ここ数日の日記は明日まとめて書くことにしよう。


それにしても、急ぎの石がなかったのが良かった・・・。単発の石ばかりで今日は済んだし。menos mal♪

追記
今、昨日買った東川亜希子のCD「ナミナミ」を聞いている。全然悲しくなるような歌詞じゃないのだが、すんげ〜〜切なくなる曲調。なんか膝抱えてしまいそうな感じ。でも、すんげ〜イイ!!アタリだ、アタリ。それにしても、日本でCD買ったの何年ぶりだろう・・・。10年近く買ってない気がするが・・・きっと気のせいだろう。