TEMPORADA DE PATOS

【TEMPORADA DE PATOS】(邦題:ダッグシーズン) 4.8点(5点満点) スペイン語のわかりやすさ:8(10段評価)

公式サイト:ダッグシーズン(TEMPORADA DE PATOS)

いやはや、いやはや・・・先日見た「El Abrazo Partido」(邦題:僕と未来とブエノスアイレス)からそんなに間をおいてないというのに、最高の映画を発見してしまった。(中)南米・・・いちいちおいらのツボにはまる。おもしろい映画が多すぎる。

なんとも絶妙な映画。何がおもしろいのかって聞かれるとも、ものすごい困るのだが、おもしろいものはおもしろい。

どきどき感が失われるため、いつも事前に予備知識はいれないため、どんなジャンルの映画か、ストーリー(あらすじ)はどんなもんのかとか全く知らん情報で見始めるも、最初の「あひるの歌」でやられる。ボサノバ調の曲。頭から離れん。

でもってタイトル・・・「TEMPORADA DE PATOS」・・・メキシコなので、もちろんスペイン語。無条件で興奮。しかし、困惑。

あ、あひるの季節?あひるの時?・・・邦題はダッグシーズンだから季節ってのがいいのか?意味わからない・・・メキシコじゃ、そういう言い回しがあるのか?

ともかく、クワックワッいいながら先をすすめると、今度はコーラのアップ。さすが、コーラ好きの多いメキシコ・・・子供をコーラで育てるとかいう揶揄にもちかい表現があるらしいが、中学生くらいの子供が2Lのペットボトルをコップ二つになみなみついでからにする。おまえら、一人でコーラ1Lも呑むのかよ!

最初だけかと思ったが、なぜか画面は白黒のままで、物語は始まる。主人公は二人の男っぽい。一人はなんかアイマールみたいなクリクリ頭の子「モコ」、もう一人は金持ってるところのおぼっちゃんみたいな子「フラマ」。二人で仲良くゲームに興じていると、玄関でチャムがなる。

ヒロイン?・・・登場。名前は「リタ」。かわいいのかかわいくないのかわからないが、におい的にはかわいい感じがする。大人っぽいと思っていたが、映画の中では16歳の設定。ちょっと無理がある気がするが、実際それくらいの年の可能性が、あっちではあるのでそのまま流す。(※映画みたあとキャストをみたら、この子・・・デンマークコペンハーゲン生まれらしい。Latin系じゃないのね・・・年齢は21歳。う〜ん・・・やっぱ外国人わからんわ)

リタはケーキを焼くためにオーブンを借りにきた。日本じゃ・・・少なくとも東京じゃ考えられんシチュエーションだが、だてにスペインにいってない。よくある話。

「勝手に使え・・・」とばかりにリタを通し、ゲームに戻るモコとフラマ。小腹が減った・・・ピザを頼もう・・・宅配ピザだ・・・。

30分で到着しなかったら無料って・・・今の日本でもあるんだろうか?昔の宅配ピザはそんなキャッチコピーを使っていたが・・・おいらの経験によると最近では「今日は道路が混んでいるので・・・」とか「注文が多いので・・・」など、事前にいいわけしておいて、実際は20分くらいでくることが多い気がする。侘びも寂びもあったもんじゃない。が、メヒコは違う。30分過ぎるとタダになるようだ。

そこで、宅配ピザのにーちゃん「ウリセス」。顔はエルビス・コステロになんとなく似てる気がする。かっこよくないが、演劇部っぽい仕草と存在感。

11秒過ぎた過ぎないで、そのウリセスと口論・・・結局、金を払うまで帰らないというウリセスが部屋に押しはいるような形で、4人が一つのマンションの一室に揃い、物語が展開する。

そんなお話。

もう映画中、終始ニヤニヤしっぱなし。寝ていた体を起こし、さらにニヤニヤニヤニヤ。スペイン語の映画はその響きだけでニヤニヤしてしまうことが多いのだが、この映画はストーリーの展開でもニヤニヤニヤニヤ。

何か特別なことが起こるわけではない。ある意味普通の日常的な風景と会話。彼ら4人はバラバラに動いているようにみえて、絶妙なバランス(ボキャがないので「絶妙」としかいいようがない)でかみ合っている。

見終わったあと、タバコをすいながらぼ〜っと考える。

こんな風な生活ができたらな〜
こんな風な日記が書けたらな〜

いったいどういう発想をしたら、何万本とったらこんな自然かつ素敵な映画が作れるのだろうか。でもって、チェブラーシカみたいな絵本を書く人とかもそうだろうけど、どうやったらこんなにほのぼのした、優しい雰囲気を盛り込めるんだろう。やっぱり作る側が優しくないとダメなんだろうか?それだとおいらには無理だろうな。やさしくないから。そういえば、この映画、最後まで白黒映画だったのだが、それがどういう効果をねらってのものかわからないのだが、確実のこの「ほのぼの感」と「優しさ」は増幅していた気がする。

最後に「最後」。最高の終わり方。この辺もにくい。ムカツクくらいうらやましいまとめ方。たった数秒の一コマできれいに感動。

TEMPORADA DE PATOSね・・・納得。

たぶんこの映画・・・あと5回は見るだろうな・・・。

追記
メキシコのスペイン語・・・地方にいってしまうと、マジで何言ってるかわからなくて泣きそうになるが(メキシコ人でもわからないことがあるといっていたが)、この映画のはとてもわかりやすい。fangoriaのAlaskaのスペイン語もそうだが、発音がしっかりしていて、かなりはっきり聞こえる。映画の最中は難しい単語がほとんどでてこないような、日常的な会話なので、それを聞いているだけでも楽しめる。特にキッチンでのリタとモコの話。「パパ〜と一緒?」のあたりは、ほのぼのしすぎて、マックスニタニタだった。



一応日記。

金曜日だが今日は帰ろうと思っていた。今年のおいらの抱負は「大人呑み」。文字通り、大人な呑み方をすることにしたのだ。あきらかに会話のなさのせいだと思うが、昨年は酒でいろいろ周りに迷惑をかけてしまったから。ネタあげたらキリがないほど。

が、そんな日に限って誘いが入る。おぐり。誘われたら断らないのが信条なので、とりあえずOKする。「やぶさかでなし」と。人数が少なかったら中止になるかな〜とも思ったのだが、康雄が来るんじゃいかないわけにはいかない。さらにのび〜も参戦して4人となる。

あのあたりのメンバーだと「お茶の水」or「浅草橋」(おいらにとってはかなりの鬼門)になりそうなので、先手必勝のごとくメールで一言。「神保町!」と送る。

予想通り(バルデミにおいてわがままなのはおいらだけで、あとはみな大人なため、主張がぶつかることがほとんどない)神保町に決定。

今日は新しくきた石が結構残ってはいたのだが(おかげで昼飯4時だった。すき家。)、金曜日くらいさっさと帰らせてくれ・・・と断固定時帰宅のオーラをだしていたのだが、ゴブリン君に「今までヨモツシコメサンにやってもらってた石をアスタロートさんに今後お願いするので、簡単にひきつぎお願いできますか・・・」といわれる。定時20分前。

引き継ぎはすんげ〜重要なことなのに、うちの石積み場じゃ、これまでやめていった人が引き継ぎしているのをみたこともない。「絶対引き継ぎしたほうがいいけど、たぶんおいらもないんだろうな〜」と思っていたので、正直びっくり。当たり前のことなのだが、うちの石積み場では異常事態なのだ。

ゴブリン君にそう頼まれちゃ、また自分もそうした方がいいと思っていたので、確実に定時は過ぎるが了承し、40分弱簡単な引き継ぎをする。そして、もう少し具体的な話は、また来週、実際に更新作業石がきてからにすることになった。

急いで神保町へ。

久しぶりにひばりさんの店(九州もつ鍋)だったらいいな〜と思っていたが、なぜか駅から少々離れた「和民ん家」とかいう店。「「和民」じゃなくって「和民ん家」??」。たまたま一緒になったのび〜に何度も聞いてしまった。和民系列なんだろうか?

この手の学生居酒屋はホント久しぶりだが、おぐりはこの手の安い居酒屋が大好きなのだ。スペインひきこもり前・・・泉岳寺で石積んでいたころ、週に4日は三田の甘太郎で呑んでいたのだが、その相手はおぐりであった。980円くらいのカイザートロストを1晩で13本あけて、店の在庫を飲み尽くした伝説を作ったのもこの時代。途中、のび〜が来たが、ほとんど二人であけたといってもよい。

今ふと思ったが、このカイザートロスト・・・メニューにはスペインワインとなっていたから頼んだ気がするが、冷静に考えると明らかにドイツっぽい名前じゃないか・・・メニューのミスなのか?それとも、ほかにもスペインワインなのだが、ドイツで売っているVinoがあるが、それと同じことなんだろうか?そういや、近所のスーパーで売ってるドイツのスペインVinoもカイザーなんとかって名前だった気が・・・その話Coraにしたら苦笑しながら「知ってる!日本にもあるの!?」といっていた気がする・・・ちょっとバカにされる安Vinoなのだろうか。確かに980円の味だ。

話は、2月に予定しているスキーの話やら(おいらはおぐりを先生に康雄と一緒に初スノボーをやるかもしれない。「フェルミンがボード一緒にやってくれるなら、オレ行くよ!」と康雄にいわれ、やらないわけがない)、例のごとく、むんの話とか、さらにはのび〜の話とか、先週の土曜日のフットサル後の飲み会でおぐりがはじけた話とか、秋田の話とか、ドイツの話とか、最近姿を見ない友達の話とか、誰に子供ができたとかそんな話を肴に日本酒を大人呑みする。

大人呑みはいい。心構え一つで、気構え一つで、No hay problema。天狗舞を5、6杯のんだが、乗り過ごすことなく、また眠ることなく帰宅。1時くらい。

で、調子がいいのでそのまま映画を見て、感動。

心地よい金曜日であった。


追加:公式サイトを見ていたら、あひるの歌のPVを発見。EL PATOというタイトルらしい。本当にあひるの歌という名前っぽい。ここから見られる。