じ、自分・・・不器用ですから・・・

もうかれこれ5日くらいまともに石つんでないんじゃないだろうか・・・おいらはこのままここで干からび、朽ち果ててしまうのか?なんとかこの状況から脱出しなくてはいけないのだが、なすすべなし。

朝。

おはようございます・・・と挨拶をすますと、クーフーリンさん・・・のっけから「バイト」の話。

ク「どうですか?あちらのバイト先の方は?」
フ「いや〜わからないんですけど」
ク「いつわかります?」
フ「急いでるんですか?」
ク「できれば今月中に・・・」
フ「OKです。今日電話して聞いておきます」
ク「お願いします」
フ「でも・・・石あるんですか?おいら今石なし干され組ですよ?」
ク「あ、あります!今ちょうど時期が時期なんで、空いちゃってるんですが、2月はあるんですよ!」
フ「まぁ、明日返事できるようにします」

席に座って、早速「たぬきの皮算用」。

石積み場所を移すと時給は3分の2に減る。交通費や夕食代は出してもらえるとしても、同日数石積むならここの方が全然稼げるな・・・う〜ん・・
計算機、計算機・・・

時給かけることの日数かけることの時給かけることのチケット代ひくことの一眼レフデジカメひくことのディスプレイで・・・そこからわることの会話わることの会話わることの会話たすことの"けじめ"かけることのメリハリリ・・・・。

カタカタカタカタカカタ・・・・答えは?

会話>>時給

そうだね。やっぱそうでなくっちゃね。

でも、最悪、「出雲」(いずも:旧バイト先のこと)「やっぱいらな〜い」といわれたことも考えて、ここで断るのは辞めておこう・・・。

うん、そうしよう。環境はともかく、条件的にはかなり良い条件だし・・・。

干からびたまま定時を迎える。さっさと帰る。

飯喰って休憩。でもって、映画。

週末に見ようと思っていたが、タイミングがうまいことつかめずみれていなかった「WISKY」。ほのぼの幸せ気分になれるおじいちゃん映画さ。

ってことで、映画の感想

【WISKY】 3.5点(5点満点) スペイン語のわかりやすさ:5(10段階評価)

ウィスキー公式サイト

できるだけ具体的な記述はさけますが、読めば十分ネタバレになりますので注意

チャン・イーモウの「幸せ三部作」じゃないが、おいらの中では、El AbrazoPartido(放題:「僕と未来とブエノスアイレス」2003年アルゼンチン)、「Temporada de Patos」(放題:「ダック・シーズン」2004年 メキシコ)に続く、中南米幸せ三部作」の最後として、このWisky(放題:「ウィスキー」 2004年 ウルグアイ)をみたのに〜〜〜!!!

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

DVDのジャケットに騙された〜〜!!!

いや、違う・・・勝手に勘違いしてた〜〜!!

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

直感というか、ニオイの嗅ぎ分けには自信あった分、ショックがでかい。

映画自体は別に悪くない。ホント悪くない。ほのぼのするシーンもあるし、思わずニヤニヤしちゃうところも多い。その辺は、おじいちゃん・おばあちゃん映画(この映画はそこまでいうほど年老いてないが・・・)のニオイはたっぷりある。

ハコボもマルタもとてもかわいい。マルタの「逆さ言葉遊び」には感動さえ覚える。あそこまでどうでもいい遊びを、あの絶妙なタイミングで、ムダに迅速、ムダに完璧に口から唱えるマルタ、そして、本人もムダだとわかっているからこそはにかむ。あのしょうもなさも素敵だが、この時のマルタはとてつもなくかわいかった。タバコ吸ってる時だけ、妙に「女」というか、迫力あるというか・・・びっくりしたけど。

この映画・・・・おじいちゃん、おばあちゃんの三角関係映画。俗に言う三角関係とは違うのだが、三角。三角は三角でも二等辺三角形で、同じ長さの辺が長く、底辺が短い縦長の三角形という感じかな。最初のポジションは。

底辺のふたつの頂点にはウルグアイの靴下工場で働くハコボとそこの従業員のマルタ。彼ら二人の点からずっと上の方にある頂点が、ブラジルで同じく靴下工場を営んでいて、ハコボとはだいぶ疎遠になっているが、ハコボが妙にライバル心を燃やすハコボの弟エルマン。登場人物はほとんどこの3人だけといっていい。

で、3人で図らずもいびつな三角関係を形成しているわけなのだが、ハコボがもう見事なほど「じ、自分・・・不器用ですから」なキャラなため、みていて「あ〜〜もうっ!」となる。その間に、なぜか妻も子供もいるエルマンは着々とマルタと仲良くなっていく・・・。マルタは当然ハコボに興味があるわけなのだが(どんな興味かは謎だが、少なくともだんだん「女」になっていく)、積極的というか、ハコボとは真逆のエルマンと話が弾むようになっていく。マルタの「女」

ハコボはハコボで、何度かフラグがたつようなイベントはあるのだ。UFOキャッチャーもそうだし、エアーホッケーもそう(おいらだったらそう)。そして、あのカジノの一件でおいらは彼が生まれ変わったと思った。そう信じた。目から鱗というか、「まじめ一辺倒だけじゃいかんのだ・・・」と思ったと思ったのだ。あの笑みはそういう意味だと思ったのだ。

しかし・・・

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

最後の最後に彼はやってしまった。「女心がわかってない」としばしば言われるおいらでも、一番やってはいけないプレゼントじゃないだろうか、と思うくらい、あのタイミングではいけないプレゼント。彼にとっては他意はなく、本当に「お礼」の意味だったんだろうけど。

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

おいらはどちらかというと、性格がエルマンよりなので感情移入という面ではハコボには入れないのだが、応援するのは当然ハコボなわけだ。だのに、だのに・・・

え"え"え"え"え"え"え"え"っっ〜〜〜〜!!

この映画・・・各自で「ハコボとマルタのその後」を空想して楽しまなければいけない。リアルに想像してしまうと、「ブラジル」なのだが・・・それをやってしまうと「幸せ三部作」が完結しない。できるだけ、幸せな方に、幸せな方に空想するのだが、どうしても「ブラジル」がつきまとってしまう。

「武士は喰わねど」もかっこいいけど、この映画は「据え膳」であってほしかった。

追記
葬式のシーンでユダヤのシンボル「六芒星」が見えたが、彼はユダヤ人という設定なのだろうか?それと今回の映画のストーリーは関係あるんだろうか?ラビみたいな人もいたし・・・。


追記2
スペイン語の方は微妙。ウルグアイ人の友達もおらず、彼らのスペイン語はきいたことないのだが、アルゼンチンのスペイン語に近い。だから、単語も違う。でもって、ハコボは「不器用な男」だからかしらんが、ボソボソ話す。無駄なことも一切言わない。単語が拾えないとかいうレベルじゃなくって、たまに丸々1フレーズわからないことも多々あり。「え?今なんていった?」ってな具合。でも、わかりやすさが「5」なのは、わかる人のはわかるので真ん中にした。たとえば、ホテルのフロントの人とか。マルタのスペイン語も・・・まぁまぁわかる。もしこの映画をスペインで字幕なしでみていたとしても、雰囲気とハコボの態度で理解はできただろう。ほとんど台詞ないし・・・。