等価交換の原則

Masaquito2007-05-28

帰国してから1ヶ月も経つというのに、Vinoを呑んでいないことが判明したので、あわてて呑むことにした。

Vinoは先日セイレーンさんからいただいたやつ。ブルゴーニュのワインと書いてあるのだが、フランスワインには全く知識がないため、有名なのか無名なのかは不明。

一応書いておこう。

BOURGOGNE 2004
HAUTES COTES DE NUITS
Les Dames de Vergy
DOMAINE DOMINIQUE GUYON

なんて読むんだろう・・・ブルゴーニュ 2004・・・アウテス?いや、それはスペイン語読みだ・・・オーテ?コーテ デゥ ニュイ。「ニュイ」だけは自信あり。Vergyはベルギーのことなのか?ベルギーの貴婦人?Damesってダマのことだよな・・・。

まぁ、いい。

いただきものだからいうわけじゃないが、味わいぶかい。端的にいえば旨い。普段フランスワインにブーブーいってるが、チリワインだろうが、カリフォルニアワインだろうが、フランスワインだろうが、うまいものはうまいといえるくらいの度量はある。

確実に10eurosは超えていると思われる味だ。コルクの匂いがよかったし。味はどちらかというとあっさりしたVino。フランスワインの味だ。スペインVinoだと、「田舎くさい」というか「樽の味」がして、「今、おいら呑んでるのしっ!」と叫びたくなる濃さ。

やっぱVinoはうまいわ。金さえあれば、渋谷のスペインBarにいくのだが・・・最低1本2800円(たしか)はやはりぼりすぎだ。


生活が生活だけに書くことがない。映画でも見てれば別なのだが・・・。ということで、今回もその後思い出した「近況」を残しておく。

【欲望の赴くまま】
今、一番何がしたいか・・・と聞かれたら、「バスケ」と同じくらいかそれ以上に「奈良の興福寺に仏像を見に行」きたい。

先週末、ママンと会話しているときに「興福寺に行きたい!興福寺!仏像!阿修羅!天燈鬼!金剛力士迦楼羅!畢婆迦羅!沙羯羅〜!十二神像〜〜〜!!」と叫んでいたら「あんた、興福寺行くスケジュールたてるなら、仕事見つけるスケジュールたてなさい・・・」と一蹴された。

しかし、行きたい。帰りに京都によって、東寺の帝釈天みてきちゃってもいいかも・・・。貧乏なので、車で寝てもいいから、見に行きたい。

先週末は留守番役を仰せつかったので結局強行することができなかったが、今週あたり車でぶい〜んと行ってしまうのも悪くない。あ、ダメだ・・・2日、おぐりの誕生日とかで焼き肉いくんだ・・・。じゃ〜平日・・・明後日くらいとか・・・。思い切って行ってしまうってもんか!

バスケはボールが無事みつかったため、準備万端だ。平日に中学生に隠れてこっそりやるわけにはいかないので、どうしても週末に限られてしまうが・・・。近くにバスケのゴールがある公園でもあればいいが、うちの近所にはない。わざわざ駒沢公園までいくのも面倒だし。ドイツにはバスケットゴールがある公園がいっぱいあったんだけどな〜うらやましい。


キャラウェイシード】
ハンガリー料理の件でメールをいただいた。もし作ったのが「グヤーシュ」だったら「キャラウェイシード」が足りないんですよ〜〜!って。感謝感謝。

でも、おいらがイメージしていたのは「グヤーシュ」じゃなかったりする。あの写真をみたら汁っけが多いから「グヤーシュ」と思ってしまうのもいたしかたないが、違うのだ・・・違うのだ・・・でも、名前が・・・。旅中、料理の名前は必ずメモるようにしているのだが、メモ帳のどこに書いたかわからくなってしまったのだ。残り1週間弱のハンガリーでついにページがなくなってしまったため、小さい隙間に書いたりしていたのだが、それがどれだか・・・ショック。

まぁ、いい。

ハンガリー料理でおいらが唯一覚えているのが、この「グヤーシュ」という料理。料理といってもスープなのだが・・・。で、なぜ覚えているかというと、ハンガリーの超伝統料理だからということもあるが、ハンガリーにいったことがあるスペイン人・・・SantiとGuiomarの2人(二人は知り合いではない)が、かなり興奮した状態で、また恍惚とした表情で「グヤーシュ・・・これはマジうまい!たまらん!最高!あ〜〜〜また食べたい!」と褒め称えていたからだ。

で、実際Budapest(ブダペスト)に到着し、Guiomar(Budapestに1年留学していた。ピアニスト。)おすすめのレストランでこの「グヤーシュ」を注文。でてきたのは、なんの変哲もない野菜スープ。料金もスープだけあって安い。620フォリント。日本円で計算してなかったのでわからないが、ユーロだと2eurosちょっとくらい。円だと350円くらいか?

07052802.jpg

で、そのスープを飲んでみて、ものすご〜〜〜〜〜〜く納得。こりゃ、SantiもGuiomarも興奮するわ。大好きだわ。

もし、日本人のおいらたちが、旅先で日本の「肉じゃが」ににた料理を食べたらどう思うか・・・答えはそこにあった。

このグヤーシュ(スペルはGulyás)・・・スペインにもほとんど同じ味のスープがあるといっていい。名前は?と聞かれると「Sopa」(スープ)としか応えられないのだが、どう味わってみてもスペインと同じ味なのだ。もっと細かくいうと、スープというかダシとしても使うので、場合によっては、スペイン料理的な味に近い。

日本ではあまりなじみのない香辛料かもしれないが、スペインもパプリカを結構大量につかう。ハンガリーと違って、スペイン人は辛いものが苦手なので、パプリカでも「Picante」(辛い)じゃなくって、「Durce」(甘い)と書かれているものを使うと、多少差はあるが、パプリカはパプリカだ。

どちらかが真似したとか、パクったとかいってるわけではない。「似ている」といいたいのだ。

似ているといえば、Budapest(ブダペスト)の町の雰囲気は、10年前のスペインのそれに似ている。むちゃくちゃ似ている。だから、本気で「住んでみたい!」と思ったくらいだ。そのことを、留学中のショキートとアキキート(両方ともピアニスト)にいったら「え〜〜〜!!」と驚かれたが、本当に似ているのだ。

07052803.jpg
(普通の町並み。あまり良くとれていない・・・)

どう似てるって・・・薄汚れてるところがそっくりなのだ。同じことを、ショキートとアキキートから紹介されたスペイン人(男と女)にいったら、最初は「え〜〜〜!」といっていたが、「10年前のスペイン」と言い直したら、「あ〜〜似てるかも・・・」って納得してくれた。

Budapestは、おいらが留学するきっかけとなったスペインの、あのなんとも薄汚い雰囲気がまだまだ残っているのだ。心がときめかないわけがない。散歩中も、とにかくニヤニヤしっぱなしだった。

いかん、なんの話していたのか忘れた・・・。

あ、料理だ。

おいらが作りたかった料理はグヤーシュではなく、違うものなのだが、たぶんその「キャラウェイシード」は入っていることだろう。あのグヤーシュは料理全般にいえる味といってもいいくらい、ダシ的な味がしたし。

が、おいらは、そのキャラウェイシードというものを聞いたことがない。日本語でいうと何なんだろう?ほほう・・・いま調べたら「和名:姫茴香」(ヒメウイキョウ)だと。なるほどなるほど。茴香なのね・・・。

今度はそれをいれて試してみよう。


【等価交換の原則】
錬金術アニメ曰く、何かを得るためには、中を失わないといけないらしい。でもって、それは「等価交換の原則」というらしい。

まぁ、錬金術に限らず、真理だわな・・・。

今回の旅は、たった2ヶ月とはいえ、これまでにないくらい「何かを得た」気がする。一人旅だったからだろう。もう一人旅は二度とごめんだが(しかたなく一人旅になることもあるだろうが)、今回のような人に説明できないような「悟り」的ななにかを得られるなら、終わった今となっては悪くない。いや、とてもいい。

日常生活は全く変わってないが、精神が・・・心持ちがいままでと全く違う。自分自身でもびっくりするくらい。見た目で「かわったね〜」といわれるような類のものではなく、自分自信が「あれ?なんか違う」と思う部分での話なので、日記にも残すことができないのがつらい。

ようは、一人であれこれ考えたってことだ。反省しまくったってことだ。

よく、学生時代とかの長期休みで「今日何曜日?」とか「今日って何日?」なんて質問をして「おまえな〜」みたいな話はよくあるが、おいらはここ最近、日記をかいてなかったのもあって、「月」、「年」まで思い出せない時があった。「平成○年」なんていう数え方は、とうの昔に「他人任せ」になっている。

この点は、おもいきり退化している。おそろしいくらい。

で、チェコプラハでのエピソード。

おいらの長所の一つに「記憶力がいい」というのがある。結構細かいところまで覚えていたり、ほかの人なら忘れてしまっているようなその当時のシチュエーションを覚えていたりすることが多いのだが、これってようは他人が重要でなくっても、自分にとっては重要視しているから覚えてるってだけの話だ。細かいところまで覚えておきたいので、そのとき、そのときで一生懸命覚えてようとしているのだ。無意識化で。

だから、自分が「興味がない」、「つまらない」ってことは覚えてない。その点でいってしまえば、能力的な部分もあるとは思うが、「全然覚えてない」って人は、そのときのことに興味がなかったといえる。おいらはそう思う。

「10年前のことなんて覚えてないよ〜」とかいう逃げ台詞も、あまり年数は関係ないと思う。ただ単に、興味がなかったのだ。もし「10年」ということで逃げるならば、その人は子供時代のことを全く覚えてないということになってしまう。極論ではあるが。

「記憶力が悪い」からという理由で名前を忘れた・・・という人もいるが、これも興味がある人ならまず忘れないと思う。長いこと初恋の人の名前は忘れないないのも、その当時の興味(インパクト)がとても強いから忘れないのだろう。

まぁ、心理学者じゃないので、あまりはっきりしたことはいえないのだが・・・。

それをふまえて、プラハでの話。

書きたいことは少しなのだが、プラハでの思い出深い一夜についても書き残しておきたいので、全く関係ないが書いておく。

誕生日前日。プラハ。もう確実に明日は一人という状況であったが、その日は宿で真向かいの部屋に住んでいるチリ人のおじさんと仲良くなって、近くの呑み屋へ軽く呑みに行くことになった。当然会話はスペイン語

このおじさん・・・なぜかおいらにスペイン語の文法を一から教えてくれようとするので最初は困ったが、普通に話せるようになってからは、逆においらにチェコ語を教えてくれといいだして、さらに困った。おいらがいえるのは「ビール一杯ください」だけだったから。

しばらくして、アメリカ人のカップル(男はチェコに留学中。女性は遊びに来た)と知り合い、4人でわんやわんやと賑やかに過ごす。アメリカ人のスペイン語アメリスペイン語だったので、南米のスペイン語混じりでちょっと大変だったのだが、久しぶりの他人との会話だったので、ビールもすすんだ。

・・・どうしよう・・・長くなりそうだから、端折る。

その呑み屋でチェコ人のロベルトと知り合う。スキンヘッドの大男で、自称スパルタ(チェコのサッカーチームらしい)のフーリガン。見た目は結構怖い。っていうか、むちゃくちゃ酔っぱらってて、顔を10CMくらいまで近づけて話すもんだから、ものすごいつばが飛んできた。脇差しが大好きで、「将軍」という単語も知っていた。歴史はおいらの得意ジャンルなので、スペイン語と英語混じりで、酔いに任せて日本の歴史を講釈。

07052804.jpg
左:チリ人のルーベン 右:チェコ人のロベルト


えらく気に入られて、その日は朝の9時まで強制連行されたのだが、その店をでる前のこと。

ロ「あそこにいる女・・・あれ日本人だろ?」

まったく気づいていなかったのだが、確かにアジア人が2人奥の席に座っていた。どうみても日本人であった。ただ、シチュエーション的に、ココで声かけたら明らかにおいらは悪者になる。なぜなら、ロベルト・・・もうヘロヘロだから。あのキスされるんじゃないか?って距離と唾の量で、話しかけたところで、逃げられるのがオチである。英語もチェコ語も話せないので、説明するのも面倒くさい。ここは逃げた方がいい・・・ということで、話をそらす。

お「いや、違うんじゃないかな〜。中国人だよ〜!」
ロ「いや!日本人だ!話しかけてこいよ〜!」
お「え〜日本人じゃないって・・・」
ロ「おれ、ショウグン!!」
お「将軍だから、なんだよ!おれはいやだ!興味ない!」
ロ「ワキザシ!」
お「ワキザシ言ってもダメ!友達になりたいなら、おまえ自分でいけ!」
ロ「お、おれは・・・」
お(でかい体して・・・なにびびってるんだか・・・)

おいらがガンとして首を縦に振らなかったので、ロベルトもあきらめ、日本の歴史の話で盛り上がる。盛り上がるといっても、ほとんど通じてないといってもいい。なぜなら、彼の英語は微妙だし、おいらの英語も微妙。で、おいらもどうでもよくなってるので、9割スペイン語で話しているし。それでも、十分楽しかった。

チリ人とアメリカ人カップルも混ぜて話をするが、彼らはロベルトの勢いというか良い具合に引いていたため、ほとんどおいらが相手することになった。

しばらく談笑していると、ロベルトに耳元で囁かれる。

ロ「ワキザシ!」
お「え?なによ・・・将軍・・・」

振り向くと、先ほど奥に座っていた女の子2人が後ろにいた。どうも、会計をすませ帰るところだったらしい。面食らうおいら。

お「に、日本人の方ですよね?」
女「そうですよ〜」

ちょっと心ときめく。というのも、おいらはなぜ今日部屋で呑まず、外にでたかというと、明日に控えている誕生日を一人で過ごしたくないからだ。当然、チリ人の彼にも聞いたのだが、明日の早朝帰ってしまうということだった。

散策中、日本語が話せる・・・つまり日本人を見ては「声かけようか・・・」と思っていたのだが、なぜか男は「話しかけないで」オーラを出している・・・というか、なんか自分と違う方向へ方向転換するので、どうにもこうにも話しかけられなかった。そもそも、「明日誕生日だから・・・」っていうのも、「うちに切手のコレクションみにいかないか?」(どこの国とは言わないが、そういうナンパ方法もある)に近く、動くに動けなかった。

おいらの頭の中にあるのは、「なぜ楽しい旅先で、一人寂しい誕生日をすごさにゃ〜いけないのかっ!」ってことであった。予定では、オーストリアでWilli(もみあげがすごく、声が低い渋い若者)と過ごす予定だったが、予定のない旅であったため、プラハとなってしまったのだ。

そんな状況であったのだ。

将軍はウォッカがお好きなようで、気分がよくなると「ウハッ〜!」と大声をだして、ウォッカを頼む。2時間くらいの間に6杯は呑まされた。もちろん、ウォッカなので一気だ。おいらはまだいけたが、将軍は、呑むたびにヘロヘロになっていく。彼はウォッカと一緒に必ずコーラを頼むのだが、ちょっとだけ口をつけて、後は無視・・・ともったいないことをしており、目の前には中途半端に残ったコーラの瓶の残骸がいっぱいならんでいた。

ロ「日本人だろ?」
お「そうだったね〜。すまんね〜」
ロ「ワキザシ!」(意味もなくとりあえず言う)
お「ちょっとまってなさい」

日本人女性二人にむき直す。あちらはこっちに気づいていたらしい。日本人だとはおもっていたようだが、メンツ的に「日本人じゃない?」とも思っていたようだ。

お「将軍・・・あっ、彼ね・・・酔っぱらってるから帰った方がいいかと。唾すごいよ。唾。顔びしゃびしゃだよ。」
女「(笑)」

突然のことでおいらもしどろもどろではあったが、このチャンスを逃してはいけない。

お「え〜っと・・・明日暇?」

心の中で、そんなベタな・・・って思ったが、後ろで将軍が暴れてるので、さっさと交渉を終わらせたかった。

女「ツアーなんで、明日の8時以降だったら暇です。」
お「OK!どこの宿?」
女「プラハ城の裏です」
お「待ち合わせどこだったらわかる?」
女「ついたばかりだから・・・」
お「・・・おいらもだ・・・じゃ〜ここに9時ってのはどう?」
女「OKです!」

交渉成立

ロ「ワキザシ!」
お「あ〜彼女たち、帰るって・・・」
ロ「おまえは?」
お「おいら?おいらは残るよ。だって、パンクcafeいくんでしょ?」

彼にはえらい気に入られたため、彼お気に入りのパンクcafe(全部おごりとのこと)で連行されることが決まっていた。

その日は、彼のおごりで、あっちこっち連れて行ってもらい、帰ってきたのは朝12時過ぎ。全く知らない場所、しかも、結構遠い場所に連れて行かれたので、帰りは無賃乗車で、反対方向にいったりしながらも、宿に到着した。

彼には情報をつたえすぎたため、早朝・・・チェコ人の通勤時間に、彼と一緒に文字通り徒手空拳のチャンバラをやる羽目になる。当然、通勤途中のチェコ人には「なんだこいつら!危ないやつら・・・」って目でみられた。竹刀を持っていない剣道を大の男が本気で街角でやってるのだから、そりゃ怪しいわ。

また、調子に乗ったかれは、「オレ、ショウグン!オマエ、シンカ!」と処かまわず、臣下の礼をとらされる羽目になった。なぜか、アーサー王と円卓の騎士みたいに、膝をついた臣下の礼。「将軍」とおだてすぎた。

彼のおかげで、一ヶ月以上たった今でも肋骨のあたりが痛い。旅中、くしゃみや咳しただけでも、体に激痛が走るようになってしまった。たぶん、肋骨・・・なんかしらの形でイッたと思われる。刀はもっていなくても、切られた時の拳が肋骨に何度もあたるのよ・・・。彼・・・刀がダメとなると、得意のワキザシで、心臓あたり「ずどっ!」ってやってくるし・・・。


しかし、彼のおかげで、プラハの地元の人がいくようなBarに沢山つれていってもらった。おいしくはなかったが、安い総菜を扱う店とかで夜食もごちそうになったので、これくらいの痛みは・・・って思ったんだけど・・・割に合わない痛さだ。


・・・疲れたので残りは、今日書きたかった件については明日書く