Mi Cumplean~os 2007

Masaquito2007-05-31

今日は特に書くことなし。映画をみてないどころか、人間が生きていくためにしなくてはいけない活動以外は何もしてない。そして、いつしか考えることもやめた。

ってことで、チェコプラハでの話の続きをあと少しだけ書く。

将軍ロベルトと無事(?)別れ家に戻って爆睡したところまでは、一昨日くらいの日記で書いた。その後。

夕方4時くらいまで寝たあと、もっさりと起き、ラジオから流れる80'Sの曲をBGMにラジオ体操。冷蔵庫にストックしてあったPivoで迎え酒。やはりチェコのPivoは旨い。日本のビールがまずいといいたいわけではない。物が違うのだ。全く別のアルコール飲料といっていいほどだ。本当に同じ、または似たような製法で作っているのか?というくらい違う。「日本のビールは日本人の舌に合わせてるんだ」とかいう理由なのかもしれないが、呑んだくれのおいらにはチェコのPivoの方が断然旨い。たぶん、「日本のビール」党の人の中でもはまる人がいると思う。

前日の日曜日までパスクア(聖週間。チェコ語でなんていうか不明)のイベントで、見所の中心となる旧市街広場は食べ物やら土産物やらの屋台で埋め尽くされていた。それはそれで楽しかったのだが、おいらが見たかった「ヤン・フス」(15世紀の人間。宗教革命の発端となった人。処刑された)が見れなかったのが痛かった。イベントやってなくても、あるいは何らかの工事でみれなかったような雰囲気がしなくもなかったが・・・。

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食べ物はブタの丸焼きを看板にした「豚肉サンド」屋とか、Pivo屋さん、チェコケバブ屋などが多かった。土産物の方はかなり多種多様なのだが、チェコのTIPICO(特産?)であるマリオネット人形、木彫りの玩具、マトリョーシカ屋がほとんどであった。ちなみに、マトリョーシカはロシアのTIPICOだが、チェコでもまるで「我が国のTIPICOでもあるねん!」と言わんばかりに、あっちこっちに店がある。まぁ、歴史的に理解はできるので、チェコのTIPICOといってしまってもいいのかもしれない。あまりに多いので、クルテクの時同様、根負けて買ってもいいんじゃないか・・・って気さえしてくる。もし買ったら、酒の友が一気に増える。賑やかでいい。たった一つ買っただけで、あら不思議・・・7人の友が・・・大きさも違うから名前とかつけちゃったり・・・でも、何とか乗り切った。やっぱロシアだし。

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この日は、ヨーロッパでもかなり大規模な「プラハユダヤ人街」なるものを見ようと、意気揚々と出かけたが、拝観料がエラク高い。いや、実質的には高くはない。そのチケットがパスポートチケットタイプで、近辺にあるユダヤ系建築物や博物館にすべて入れるというものだったのだ。値段は確か350コロナか400コロナくらい。ユーロに直すと13euros(1euros=27コロナ)くらいになってしまう。しかも、あと45分くらいで全館閉館時間となってしまうという。チケット売り場のおばあちゃんに「別に買ってもいいけど、あと1時間ないわよ・・・それでもいいなら別にいいけど・・・」みたいなことをチェコ語で言われる。

「なんて挑戦的な言い方をするば〜さんだ・・・」と思いながらも、向こうが言ってることはもっともなのであきらめた。大好きなシナゴガが・・・。

しょうがないので、シナゴガの外観とユダヤ人街っぽい町並み・・・あとユダヤ系の書籍を扱っている本屋などを見て遊ぶ。本屋でかなり渋い六芒星ダビデの星)のマークがついた本を見つけたが、値打ちもんなのか、エライ高かったためこちらもあきらめた。そういえば、懐中時計屋さんも見つけてここでも遊ぶ。なんか店主が眠りこけてたら小人が出てきて、時計を直してくれそうなたたずまいの店で、おいてある時計も動くのか動かないのかかなり不安なものが多かったが、渋いデザインで一瞬心ときめいたのだが・・・これらもおいらには高すぎた・・・。

やっぱ世なのか金なのか?

適当にクネクネ曲がりながら(ユダヤ人街に限らず、プラハの街はかなり道が込み入ってて歩くだけで楽しい)写真を撮ったりなどして過ごす。たまに日本人を見つけては「今日のタメに声かけるか・・・」と思うのだが、逡巡しているウチに逃げられた。ある一人の男性観光客とは、散歩中何度かすれ違いそうになったのだが、そのたびに方向転換というか、おいらから遠ざかるような道に曲がられる。その動きは、明らかに避けていたように思われ、ちょっとへこむ。そんなに怪しそうに見えたのだろうか?カップルも何組かみかけて、そのたび考えたが、どれもこれも新婚さんにみえてしまうようなベタつき具合で、悔しいので声かけるのやめた。おいらにはピヴォがいるもんね。

約束した二人はツアーで夕食がついているといっていたので、おいらも夕食はとっておくことにする。場所は宿からほど近いレストラン。すでにいきつけとなっている店。名前は「Skorepka」。店先に飾られている写真付きの看板がいかにも「観光客用」という感じがしたが、値段も適度だし、いかにもTIPICOらしい料理が多かったのがきっかけでそこに入ったのだが、あたりな店であった。

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ず〜っと豚肉(チェコのTIPICOというので)ばかり食べていたし、呑むまえだったので、多少あっさりしたものにしようと、鶏肉料理を頼んだのだが・・・なぜかベーコンが巻かれた鶏肉料理がでてきた。鶏肉に豚肉???としばらく不思議な気分で料理を見つめてしまった。さらに、マッシュドポテトの上にグラタンみたいなのをのっけたやつがかなりヘビーで、胃もたれ。年寄りにはつらい。ヨーロッパに「あっさりした料理」を求めてはいけないのだろう。あっさりがいいなら「サラダ」。それしか選択肢はない。ただ、チェコの料理は付け合わせというか箸休め程度に野菜がついてくることが多い。トマトとキュウリに何度助けられたことか。

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120コロナ(5euros)くらいだった気がする・・・

料理が出てくるのが思っていたよりも遅く、さらには思っていた以上に量が多かったため、一時間以上前に店にはいったにも関わらず、あわてて食べる羽目になってしまった。

9時ちょうどに店の前に到着。スペインいってからというもの、かなりプンチュアル(時間を守る人間)になった。待たされる人間の気持ちを理解できるようになったからだ。スペイン人全部とはいわないが、まぁ、最低45分は待つから。おかげで、1時間半までは余裕で待てるようにもなった。

ツアーなので、多少時間が延びたりすることもあるだろうと、すぐ近くにあるスーパーTESCO(テスコ)に行って今日の夜、自宅でピヴォと呑むためのVino(ワイン)でも買うことにする。が、レジにエライ行列ができていたのと、冷蔵庫にまだPivoが2本(500ml)が残っていることを思い出したので、やめて引き返す。

集合場所に戻ると窓をのぞき込むアジア人二人を発見。無事合流。

呑み場所は、集合場所でもあった「ウ・メドヴィドク」でもよかったのだが、将軍ロベルトに見つかるといいわけが面倒だし、昨日のようなパターンはさすがに困るので、違う店に行くことにした。

店に入ってとりあえず自己紹介をすます。とりあえず、あだ名・・・そうだな・・・ファライさんとナアスさんにしよう。この二人は、おいらのルートとは全く逆で、ブダペスト→ウィーン→プラハと来て(ウィーンとブダペストが逆かも)、次の日にパリに行くというスケジュールであった。パリはすでに何回か訪れていて、ツアーから離れフリーで6日間ほど滞在するとのことだった。

名前や旅の期間、ルートに続いて、職業の話になったのだが、ここでようやく何日も前に書いた記憶力の話になる。

全員東京で働いていたということもあり「どこで働いていたのか?」という話になったのだが、おいらはあろうことか・・・1年以上働いたにもかかわらず自分が通勤につかっていた職場の最寄り駅を思い出せなかったのだ。「え〜〜やばいんじゃないの〜!」といわれ、おいらもそのことの重要さに本気で周章狼狽する。しかし、いくら思い出そうとしても思い出せないのだ。挙げ句の果てにはクイズのような形になってしまう。

「何線?」
「え〜〜っと丸の内?いや違う・・・なんだっけ・・・」
「近くに何ある?」
「え〜っと・・・靖国神社!」
「あ〜九段下だ!」
「違う!!でも、惜しい!!!かなり近い!」
「え〜靖国神社でしょ?」
「そう!九段下とその駅の中間くらいに靖国神社があるの」
「四谷?」
「あ〜〜〜〜!!それも近い!惜しい!」
「神保町?」
「いや。その沿線じゃない」
「永田町?」
「ああ〜〜〜!!その駅で乗り換えてた!」
「あそこって何線走ってたっけ?」
「・・・丸ノ内線?違う・・・でも、そんな感じの名前」
「どこだろう・・・」

丸ノ内線なんか、片手で数えられるくらいしか乗ったことないのに、なぜか「何線?」というと、丸ノ内線がでてくる不思議。

15分くらいこの無駄なクイズは続いた。あまりの恥ずかしさと、こんな会話でせっかくの誕生日を過ごしたくなかったので「まぁ、話を変えよう・・・」と言おうと思った直後・・・ふと頭に一つの駅の名前が思い浮かんだ。

「あ!!!市ヶ谷だ!市ヶ谷!!」
「あ〜〜!市ヶ谷か〜」

ホントどうでもいい話なのだが、記憶力が自慢のおいらとしては、かなりの問題であり、「なぜ忘れたのか?」ということを、その日以来しばらく考えさせられる羽目になった。

ところで、このファライさんとナアスさんは旅慣れていた。そして、英語が話せるナアスさんはその夜とても重宝した。「やっぱ英語は話せたほうがいいよな〜」ってこれまで幾度となく感じていることを改めて実感。で、旅慣れていたのもあり、これまで行った旅の話で盛り上がる。その中の一つで「どこの国の男がかっこよかった(かわいかった)か?」という話で、ナアスさんは「エジプト」を選んだのだが、おいらにとっては「エジプトの男はうちのパパンみたいだ」というイメージがあったため、ちょっと不思議であった。

小一時間話したところで、今回誘った理由を話す。最初に言えば良かったのだが、「30超えた男が誕生日一人は寂しい」と、あったばかりの人に言うのは「無職なんです」というよりもなんとなく恥ずかしいことに思えたからだ。が、それを言わないことにはFiesta de Cumplean~osにならないので、恥を忍んで言ったのだが、その結果、初めてあった人に、しかも、ある意味強引な形で誘ったというのに・・・おごってもらってしまった・・・。恥ずかしすぎる・・・。カードで支払いたいし、明日からパリなのに「コロナ」でもらってもしょうがないという彼女たちの言葉で自分を納得させた。うぐむ。

11時半・・・店を出る。プラハは観光地なのだが、意外とその夜は短い。いや、それが普通なのだろうが、スペインでの時間感覚を引きずっていると、いろんな国で夕食時間や呑み時間に困ることになる。日本同様7時くらいからみな飲み始めるのかもしれない。てなわけで、特別な店をのぞいては11時〜11時半くらいにはしまってしまう。もちろん空いている店もそれなりにあるのだろうが、街全体は11時半には暗くなってしまう。たまたまおいらの行動範囲がそうなだけだったかもしれないが・・・。

明日からパリと言っていたので、ここでお開き・・・と思いきや「呑み足りない」と彼女たちはのたまう。Vino1本にPivo一杯じゃ当然おいらも呑み足りないので、「いざ、ゆかん!」と3時過ぎまでやっている店にいくことに。心の中でピヴォに謝る。すまん・・・おいらにとって「会話ができる」という状況に勝るものはないんだよ・・・。

二件目の店でチェコ人がなぜか葉巻をくれた。吸い口がガラムみたいな味のする葉巻。お礼にうちらが注文したVinoを勧めたのだが、彼は一人でまったり呑みたかったのか、しばらくして帰ってしまった。

酒がすすみにつれて、徐々にファライさんとナアスさんの関係がわかってきた。その関係はおいらと康雄の関係に何となく似ていた。ファライさんの方がナアスさんよりも年長だが、ぐいぐい引っ張っていくのはナアスさんの方。英語を話すというのもあるが、積極的に動くのは彼女の方だった。ファライさんの方は、行動的にはナアスさんに助けられつつも、精神的な方ではナアスさんを助けているといった感じに見えた。ムードメーカーというべきか?二件目に入った時も「じゃ〜マサキとナアスで注文おねが〜い!私はこの席を見張っておくから〜♪」てな感じ。店内はガラガラだったのだが・・・。

そんな感じなもんだから、賑やかにしたい夜にはうってつけの2人であった。ここ数日間の無会話の日々の苦悩(会話があっても意味が通じないも含め)をすべて帳消しにしてくれた。そういえば、日本人では珍しい写真の撮らされ方もした。

ナ「ねぇ〜カメラ持ってないの?観光客でしょ〜?」
お「え?持ってるけど・・・店内暗いから撮ってもね〜」
フ「違う!私たちを撮りなさいよ〜!」
お「・・・・はい」

ってことで、Vinoのグラスを小道具に、各自ポーズをとった写真を数枚撮らさせていただいたが、フラッシュがきつかったのか、満足していただけなかった・・・。とはいえ、ず〜っと風景ばかりとってきたので、人の写っている貴重な写真になった。

この店では閉店までVinoを3本ほどあけた。まだ話は続いていたのだが(途中、ファライさんの方はかなり眠そうであったが)、追い出されるような形で店を後にする。

そろそろお開きするか・・・と思いきや、まだ呑むとのたまう。「もう半分寝てるやん!」と思いながらも、呑んだくれるのは吝かではないので、当然OKする。しかし、時間はもう4時近い。やっている店もあるのかもしれないが、不案内な土地では、それがどこにあるかわからなかった。とりあえず、やっていそうな店を探すために、15分ほど近くをふらつくが、どこも見事にしまっていた。

お「空いてる店ないよ・・・」
フ「ないね〜」
お「宿に戻ればビールが2本ほど残ってるけど・・・それじゃ〜全然足りないし」
フ「じゃ〜宿いって、お酒買ってくれば。」
お「おいらは自分の宿だから、それはそれでいいけど・・・明日朝早いんでしょ?」
フ「お昼くらいの便だから大丈夫。」
お「そっちが良ければいいけど・・・」

ってことで、おいらの部屋で呑むことになる。広い部屋だから10人来ても問題ないが、酒がないのがいただけない。こんなことなら、集合前に無理してVino買っておくべきだった・・・と後悔した。

とりあえず、部屋に2人を連れて行き、ビールを出したあと、おいらは買い出しにでかける。かなり期待は薄かったが、ダメもとで夜中のプラハを練り歩く。人通りは見事になく、街は静まり帰っていた。前日に将軍ロベルトに連れられていったようなカジノを見つけて、「ワインをボトルで売ってくれ」と頼んだが、そういう売り方はしてないのか見事に断られる。アテもなく旧市街を練り歩くもやはりみつからない。もしかしたら、初日に散策したドナウ川付近だったらやってるかも・・・ディスコテカに行列ができていたし・・・と思い行ってみたが、ココも見事に静まり帰っていた。やはり4時過ぎに酒を探し求めること自体間違いなのだろう。

40分ぐらい酒を探し歩いただろうか・・・あきらめて宿に戻ることにした。

部屋の前の扉を開けた時、異変に気づく。話声が聞こえない・・・なんだか嫌な予感がする・・・もしかしたら・・・と思って部屋の扉を開ける・・・

二人とも爆睡

「な、なんだなんだ・・・この危機感のなさは・・・緊張感のなさは・・・」

酒を買えなかったというむなしさにプラスして、もしかしたら、おいら・・・男としての何か欠落しているんじゃないか?という切なさもこみ上げてきた。嗚呼、不甲斐ない。少しぬるくなったピヴォを呑みながら、ぼ〜っと考える。

二人とも膝くらいまであるブーツを履いたまま爆睡していた。おいらの部屋じゃないが、シーツを汚すのもなんなので脱がすことにしたのだが・・・一生懸命引っ張ってもぬげない。二人とも脱げない。どうやって脱がすんだ!あれこれいじって起きられでもして、あらぬ誤解を受けるのもイヤなので諦める。嗚呼、不甲斐ない。

酒を探し歩いたおかげで、酔いはすっかり覚めていた。もう会話する人もいない。ぬるくなったPivo以外もう酒もない。眠くもない。

しょうがないので、読みかけの本の続きを読んで過ごした。。

次の日の朝、タクシーが拾える場所まで連れて行き、あわただしく別れた。別れ際にファライさんに尋ねる。

お「ねぇねぇ・・・そのブーツ・・・どうやって脱がすの?」
フ「え??内側にファスナーがあったでしょ?」
お「・・・・」

嗚呼、不甲斐なし。