犬神家の一族

今日も呑み。

相手は、未だに奇妙な感覚に襲われるのだが、「賽の河原」で一緒であったラクシュミさんとヘケットさんの2人。あれだけ会話の無かった石積み場において、しかも、別々の階であったにもかかわらず呑みに行くまで仲良くなったというのは、同じ「日雇い石積み職人」であったからであろう。

きっかけは、ヘケットさんの送別会をやろうとことからはじまった。その1ヶ月か2ヶ月後にラクシュミさんの送別会もやり、終電を逃し朝まで居酒屋で寝てしまい、気づいたら南阿佐ヶ谷までいってしまった。(2006年12月4日の日記参照

で、最後はおいらの番と企画したのだが、ヘケットさんが学校(某ソフトの教習学校)で土曜日が無理ということと、おいらの出国が間近に迫っていたのもあって、出国前日(2月24日だが日記書いてなかった・・・)に送別会はやったが「3人での送別会」としては無期延期状態であった。

ということで、賽の河原をやめてからかれこれ半年が経とうとしているが、いまさらながらの送別会をやることになった。って、実際のところは、先日ラクシュミさんからメールもらって「久しぶりに呑もう」ってことになっただけなのだが・・・。

場所は渋谷の例の場所。

なんか毎回同じで手を抜いているように思えてきたが、酒をあまり呑めない人間には「梅酒」は大人気ということが最近わかってきたのだ。おいらは日本酒orVinoがあれば万々歳なので、日本酒がおいしい店、Vinoがおいてある店・・・とどちらかというと自分勝手に店を選択してきたが、そろそろおいらも大人になってきたので、相手のことを考えようと思うようになってきたのだ。だから、この店の日本酒のつぎ方が全くなってない・・・つまり、升いっぱいにまで入れない・・・というところに腹立たしく思っていても、選んでしまうのだ。

ラクシュミさんとは旅直前の送別会であったので、「ひさしぶり〜」って感じで終わったのだが、ヘケットさんの変わりようにはかなり驚かされた。痩せたというよりはやつれていた。いったい何kg減ったんだ・・・ありゃ。

原因は2ヶ月前から始めた石積みにあった。性格はまったくかわっておらず、あいかわらずの天然というか、話がかみ合わないことが多いのだが、その性格が功を奏してか、かなりえぐい石積み場であるにもかかわらず、全然悲壮感がただよってこない・・・。

彼女ももちろんおいらと同じWEB職人なのだが・・・今回入ったところには大いにだまされたらしい。某職業斡旋サイトには書いていなかったのだが、その石積み場・・・風俗サイトメインの石積み場。サイトにのっていた石積み場の概要にはYahooとか美容院とか法律事務所とかいてあったらしいが、投げられる石の9割以上はデリヘルのサイトらしい。デリヘルなるものがおいらにはよくわかっていなかったので聞いたところ、ようは女の子を配達してサービスするらしい。「サービスって?」ときいたら「サービスはサービス・・・(笑)」と帰ってきたので、いえない内容なのだろう。っていうか、「これっておいらセクハラ?」とちょっと思ってしまったので、それ以上質問できなかった。

彼女は上司のことを「店長」と呼ぶ。なぜ店長かというとかつてデリヘルの店長だったから。石積み場の社長(出資した人?)は今でも数多くのデリヘルとかホストクラブとかを経営しており、年商数億円とかなんとか・・・。

給料は基本給+インセンティブとかいう歩合みたいなものらしいが、担当したサイトの10%が上乗せされるらしい。サイトのデザイン料は結構高いので、さぞかし入るだろう・・・と思っていたら、様々な理由で減らされてしまうらしい。しかも万単位で。

女性だが徹夜になることもあるし、ほぼ毎日終電とのこと。男性社員の中には数日会社に寝泊まり(床らしい)する人もいるとか。

最初はとても興味深く、もしこんな体験したらそうとうな「ネタ」になるだろう・・・と楽しんでいたが、話を聞けば聞くほど、笑えなくなってきた。

その石積み場で作ったサイトの名前なんかをいくつか聞いたが、店長は怖いらしいので、ここには載せないで置く。あ、でも大丈夫な方法があるや。

犬神家の一族」の「犬」を乳にして検索。もう片方は何がもとになってるかわからないが「モーニング娘」の「モーニング」を「目覚まし」にして検索。

犬神家の方は彼女がつくったわけではないが、両方とも帰って調べてみたら、彼女が話していた通りのサイトで大爆笑。白髪のじいさんだけ違う人が適当にデザインしたといっていたが、全くカラーが違って大爆笑。

そういや、「サービス」について調べてみたけど・・・あんぐり・・・ホントなんてもん配達してるんだか・・・。利用している人には申し訳ないが、まったくもって理解不能

席が空いていたっぽいので、閉店までいられると思って余裕かましていたら、きっかり3時間で「帰っていただきますから・・・」と追い出される。6時から呑みはじめたので夜の9時。すぐ側に、Casa del buenoがあったので、もしかしたらアクセルソンさんがバイトしているかもしれない・・・と言ってみることに。

高いのでほとんど食べ物は何も注文せず、各人一杯・・・おいらは我慢できなくなってCruscampoを頼んでしまった。700円なり)だけで、ひたすらくっちゃべる。

ラクシュミさんからは近々結婚というめでたい話を聞いたが、ヘケットさんの方の話は、一晩かけてもネタが尽きないほど壮絶なもので、ほとんど彼女の話を聞いていたという感じであった。備品が全部「ア○ウェイ」とか、ソフトは全部コピー品とか、会話は「賽の河原」以上にないとか、店長がすげ〜怖いとか・・・・。

8月末にはやめたいらしいのだが、店長が怖くて言えないらしい。が、やめないとどうしようもない。困ったことに今回の石積み場は「日雇い石積み職人」じゃなくって「正石積み職人」。なおさらやめづらい。ただ、もっとも古株が勤続1年というから、回転ははやいのだろう・・・まぁ、そりゃそうか。

おいら個人としては、いろんな石積み場をみたくて、現在放浪しているが・・・この手のにあたってしまったらどうしよう。まぁ、「日雇い斡旋会社」が最初にみてくれるから問題ないとは思うけど・・・。

ヘケットさんがあまりにすごいネタをひっさげてきたもんだから会話はなかなかとぎれなかったのだが・・・

お「ところで、今何時よ?」
ヘ「え〜っと・・・12時10分・・・」
お「え〜〜〜!冗談でしょ?」
ラ「えっ!!!」
お「ちょっと時計みせい!・・・げ、12分やん!終電まで3分やん!無理・・・」
ヘ「私はまだ大丈夫です」
お「そりゃそうだろ・・・山の手線なら・・・」
ラ「私ももうないかも・・・」
お「いかん。さっさと会計しないと・・・」

頭の中ぐるぐる。体力的には朝まで呑むのはいいのだが、経済的に不可能。駅までの道すがら長尾に電話。つながらない。どうしようどうしよう。ラクシュミさんは彼氏だからまず間違いなく来てくれるだろう。おいら、一人で満喫かい・・・イヤだイヤだ・・・。しか〜し!長尾からまさかの折り返し電話!

お「もしもし!!今呑んでる?」
長「家だけど・・・なんだよ〜うぜぇ〜な〜」
お「ごめんごめん。声大きかった?今渋谷・・・」
長「え?渋谷?渋谷まで・・・」
お「いやいや、途中までの終電はある。そこまで・・・」
長「ならいいよ」
お「何してたの?」
長「仕事だよ・・・」
お「うぐむ・・・すまぬ・・・が、息抜きと思って・・・」
長「いいよ。出る前に電話しろよ」
お「恩にきる・・・」

ってことで、無事帰宅。

あやういところだった・・・っていうか、ほとんどアウト。今度から、携帯に目覚ましセットしておこう・・・あ、やっぱやめた・・・侘び寂びなさ過ぎる。