4人のQueen

今日は一日まったりとすごす。descanso。

昨夜からの続きで、ツインピークスを一気に見倒す。

ツインピークスにはちょっとした想い出がある。

あれはたしか中学3年生か高校1年生のころのこと。当時、東急株主優待券なるものが毎月手に入った。うちが株主ってわけではなく、おいらのいとこかその旦那さんだかが株をもっていたのだが、自分たちは映画に興味がない、または見る暇がないということで、映画好きであったおいらに毎月送ってきてくれていたのだ。てなわけで、月に数本、映画を無料で見ることができた。当時は今より映画の値段は高くなかったが(1000円〜1500円くらい?)、その優待券でだいぶ映画は見させてもらった。

その日、映画を一緒にみにいったのは、同じく映画好きで、しょっちゅう映画の話で盛り上がった、たけしとだった。渋谷で待ち合わせ予定通り「ビリーバスゲイド」(ダスティンホフマン主演のギャングもの映画)を見るべく、今はなき(スペインから一時帰国したら消滅していた(2003年))東急文化会館へと向かった。

東急文化会館に3つか4つの映画館が入っており、ビリーバスゲイドはその中の地下にある「渋谷東急3」で上映していた。中に入ると、なにやらすごい行列ができていて、「え!!これ全部ビリーバスゲイドの列!??」とびびる。

当時は今みたいな上映方式ではなく、「立ち見」なるものが存在した。映画館の入り口には「今から入場される方は立ち見になります」といった感じの立て札をもった店員が立っていたものだ。そういえば、いつから「立ち見」は絶滅したんだろう・・・・ミニシアター系でも立ち見は無くなった気がする。

さらに奥へ入ってあたりを見回すと、うちらが見る予定の「ビリーバスゲイド」はぜんぜんガラガラで、行列の目的は違う映画であることが判明。それが件の「ツインピークス」だ。正確なタイトルはツインピークスローラパーマー最後の7日間」

前情報をいれていかなかったおいらとたけしは「すごい行列だね〜もしかして、すごい面白い映画なのかな?どうする?次の次の上映待って、こっち見る?別にビリーバスゲイドを特にみたいわけでもないし・・・」などと話し合いし、結局、行列というものが無条件で醸し出す「期待度の高さ」への誘惑に勝てず、ツインピークスをみることにする。

ただ、次の上映までまだ1時間近くあり、さらに次となると3時間以上待たねばならなかった。今時の高校生は知らないが、当時のうちらはカフェなどという発想はないし、ましてや買い物などするタイプでもなかった。しかたなしに、ゲーセンに行き、無駄遣いをあまりしないようにチマチマと遊んで時間をつぶす。

とくにやることもなかったし・・・先ほどの行列から考えて・・・と、上映1時間前に再び映画館へと向かったが、そこでうちらがみたものは・・・先ほどよりさらに長くなった行列であった。現在も同じだと思うが、午前中の上映よりも、昼前後の上映の方が人は混むのだ・・・うちらはそんな当たり前なことをすっかり忘れていた。

た「どうする?」
お「どうしようか?」
た「う〜ん、次といったらさらに3時間でしょ?」
お「1時間前にくるとしても2時間だね」
た「でも、次は2時間前から並ばないと駄目だよ」
お「あ〜そうか・・・」
た「ここまで待ったから見る?なんかすごい行列だし」
お「そうだね〜。面白い映画なのかもしれないしね。特にやることないし、ここでこのまま待ち続けようよ」
た「そっちのほうがよさそうだね。2時間前ってことは、あと1時間だしね」
お「じゃ〜決定!」

ってことで、またもや行列の誘惑に勝てず、もう1回分待つことにした。次はそのまま3時間待ち続けるのだ。若いからできるが、今なら「ぼけが〜そこまでまつか〜!」と、日を改めるか、違う映画をみていたことだろう。

その後、なんとか3時間耐え抜き、「ツインピークス ローラパーマー最後の7日間」を見終えたのだが・・・。

まったくもってな〜〜〜〜〜〜〜んも意味わからず。


映画館をあとにしたうちらはもう自責と後悔の念でいっぱいであった。人生で初めて「やり場のない怒り」というものを感じたのもまさにこの日といっても過言ではなかった。

内容が難しくってわからなかったわけではないし、デビット・リンチの映画だったからわからないのでもない。ドラマを見てから見ないといけない映画だったのだ。

そもそもローラパーマーが誰だかわからないし、この映画の前後で何が起こったのかもまったくわからない。登場人物も普通に何の説明もないので、どんな関係なのかもわからないし、その二人が話している話も意味がわからない。

たとえるなら、大いに盛り上がっている100人のグループにいるのだが、その盛り上がりは、うちら2人を除いた98人の人間にしかしかわからない話で盛り上がっているだけというなんとも切ない状況下に身を投じていたということだ。ん?たとえでもなんでもないな・・・。

普通だったら、その後、ドラマのほうの「ツインピークス」を見るべきだったのかもしれないが、総合5時間以上にもわたる待機時間と、裏切ってしまったビリーバスゲイドに対する思いと、いとも簡単にだまされた自分たち自身への怒りによって、「維持でもみてやるか、ぼけ〜!」となり、今日まで至るわけだ。

といっても、おいらが大人になったわけではない。マリカルメンが「DVD借りたからみようよ〜!」と持ってきたからであって、この機会がなかったらおそらく死ぬまで見ることはなかったと思われる。

そういえば、あの日、あの映画をみたことによって得た唯一の収穫といえばドナ役のモイラー・ケリーを発掘したことだ。ドラマを見た今になってわかるが、おそらくあの映画において彼女(モイラー・ケリー)をみて喜んでいたのは確実においら一人だけで、たけしを除いた残りの98人はがっかりしていたに違いない。なぜなら、ドラマ版のドナ役はララ・フリン・ボイルであったから。

それも無理やり例えるなら、かつてのドラえもんの声(大山のぶ代)を知っている人が、今現在のドラえもんの声を聞いたときの感覚に近いと思われる。

「ちが〜〜〜〜う!!!ぜんぜんちが〜〜〜〜う!!これ、ドラえもんじゃな〜〜〜い!!!」

と。

実際、見た目はいい勝負だと思うのだが、ララ・フリン・ボイルのドナを見てしまうと・・・確かにモイラー・ケリーが負けてしまうだろう。ちなみに映画版で役が変わったのは、主演のカイル・マクラクランの子供を身ごもっていたからということ。でも、すぐに別れてしまったらしい。


あうう、想い出話で長くなってしまった・・・。が、まだ続く。

で、ドラマ版ツインピークスがそろそろ終わりを迎えようとしているのだが・・・後半戦にきて、テコ入れが入ったのかどうかしらんが、急にわかりやすくなってきた。前半もつまらないわけではないが、風景描写とまったりとしたBGMのおかげで、なぜか途中でウトウトしはじめてしまうことが多かった。ストーリもドラマってこともあってか、なかなか進まない。冗長といってもよいくらい。だもんだから、ついつい一話ごと間が開いてしまって、今だに見終えていないという状況であった。

そして、今日、一気に8話くらいみれたのは、すべて4人のヒロインのおかげとも言える。話の筋上、登場シーンが多いのだ。

好みかどうかは別として、このツインピークスは、えらく美人ぞろいの町なのだ。少々不自然なくらい。登場人物の比率からしたらびっくりするくらいの割合だと思われる。

そして、ここにきて気づいたことなが、「もしかしておいらはデビット・リンチと好みが似ているのかもしれない」ということだ。(彼がキャストを決めているという前提での話しだが。)

たいてい10映画につき1人「好み」がでてくればいいというくらいなのに、このドラマではなんと一気に4人もの「好み」が存在するのだ。

ドナ役のLara Flynn Boyle(ララ・フリン・ボイルは後半はあまり笑わなくなってしまったためちょっとダウンしたが、それでもなんともいえない魅力がある。

シェリー役のMadchen Amick(メーチェン・エイミック)は、もう普通にGuapa。普通じゃないな。Super Guapaだ。彼女はドナとは逆で、前半戦は「尻軽女」的な存在なのだが、後半戦は表情やしぐさがおそろしくかわいくなってきた。

オードリー役のSherilyn Fenn(シェリリン・フェン)マリリン・モンローをなんとなく彷彿させるような顔をしているのだが、役柄的には「小悪魔」である。「天邪鬼」である。「天邪鬼」とか「小
悪魔」は嫌いではない。むしろ好きだ。「生意気な〜」と思いながらも、ついつい見とれてしまう。

最後が、ここにきて突然でてきたノーマ(彼女も綺麗ではあるが・・・)の妹アニー役のHeather Graham(ヘザー・グラハム。もう登場人物は死体役くらいでしか増えないと思っていたのに・・・・脳天に雷だ。彼女の役は修道女が逃げ出してきた世間を知らない女性として登場。頭はよいが、猜疑心も強い。だが、素直なときには素直なのだ・・・。

う〜ん、まようではないか・・・。

ドラマ中でも、ちょうど「ミス・ツインピークスコンテスト」が始まる直前で、それぞれのヒロイン(4人ともある重要なポジションにいる)が参加することになるのだが、おいらが審査員だったらと妄想を許してもらえるならば・・・・。

「頼むからもう一ヶ月間待ってくれ!」

と土下座しそうなくらい悩む。

でも、真剣に選ぼう。うん。

<!----------妄想ここから------------>

ドラマ内での役どころによるところも多分に影響してしまっているが、容姿的な面でそれぞれを見ると、ポイントは完全に口にあると思われる。荒木飛呂彦の書く唇みたいな感じがオンパレード。おぐり級がうじゃうじゃだ。それが7を占めてるな。でもって、輪郭が残りの3。オードリーとアニーに関しは、それにプラスしてたれ目具合な目にやられて、おそらく10オーバー。おいらの完敗である。

ドナ(ララ・フリン・ボイル)は正直、ドラマ序盤のときが一番輝いていて、今現在の熱は下がり気味。なんか、顔が暗い。憂いばかりで、元気がないのは駄目。でもって、化粧が濃くなってしまったのも残念。そうなると、残りは3人なのだが・・・オードリーは小悪魔的な笑みが最近少ない上に、とあるきっかけで素直になってしまった。しかし、あのたれ目は捨てがたい。シェリーは・・・つい最近、鼻にできる笑い縦皺があることが判明し、ド肝を抜かれたりもし、ここ数話は独走態勢である。みた感じはアリシアシルバーストーンにちょいと似ている。で、ここにきて突然出現したアニー。これがまた卑怯なくらいかわいい。往年のエマニュエル・ベアールを彷彿とさせる。「8mujeres」(邦題は「8人の女たち」かな?)の彼女ではなく、「天使とデート」の彼女だ。

本気で選び難いが・・・・選び難いが・・・おいらも元気になれそうという点で、おいらもクーパー捜査官(カイル・マクラクラン)同様、アニーを選ぶだろう。うん、そうしよう。やっぱ時たま見せる憂いも悪くないが、基本は元気なのがよい。

<!----------妄想ここまで------------>

それぞれ、ググれば画像もでてくるのだが・・・ドラマ自体もうだいぶ前のものであり、現在の写真をみてしまうと・・・・「時の流れというのはかくも残酷なものなのかっ!」と叫びたくなる。シェリーは特に変化が激しいような気がする。オードリーもかな。アニーは予想通りというか・・・なんというか、あまり変わってないが、役柄からすると露出度が高くなっている。ドナは・・・まぁ〜そうね〜。

それぞれ、結構映画はでていが、全員分の出演作を見ても、「ワイルドアットハート」をいれた数本以外、どれも見たことがない映画であった。これだけGuapaなのに・・・アメリカでスターになるのってやっぱり大変なのね〜。

いや〜ホント迷うわ・・・まだ迷うわ・・・。

さてと、明日は誰がミス・ツインピークスになるか楽しみだ。って、ストーリーの流れ的に誰がなるのかわかってるんだけど。

今日も5時頃寝た。