勇気をもって!
valiente:(形)1.勇敢な、勇気のある、勇壮な、勇ましい 2.(口)[皮肉で]大変な、すごい、ひどい 3.すばらしい、なかなかの 4.自慢する、ほら吹きの、強がりの
valor:(名)1.価値、値打ち、真価 2.勇気、度胸 3.有効性、力、効力
ヒムナシオの更衣室を出て靴を履くところに一枚の張り紙が貼ってある。
「体調が優れないとき、また疲れがたまってると感じているとき・・・勇気をもって運動は控えましょう」
初めてみたとき鼻で笑ってやった。
「『勇気』って・・・あんた・・・大仰な・・・」。
pero...3週間たった今・・・少しわかってしまう。うむ。
「勇気」ってほどじゃないが、流れを断ち切る恐れみたいのがでてくる。それがなんなのかよくわからない。強迫観念とかともちょいと違う。でも「止まったら止まるぞ!」的ななにかがあるのだ。いい例えが思いついた。高校生のときの15kmマラソンで軽いランナーズハイになっているときに近い。つらいけど、苦しいけど、止まったらもう走れん・・・そんな状況だ。
だから、今日は「勇気」をもって休むことにした。
というか、予定のない日、すべて行くことが間違いな気がしてきてるんだけど・・・。
映画をみた。スペイン映画。まだ日記には書いてないが、我が町Utielにも文明開化がやってきて、結構そば・・・といっても車で5分くらいの距離なのだが、TSUTAYAができたのだ。そこそこでかい。オープン記念かなんかで、100円でレンタルできるということで3本ほど借りてきた。
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」・・・略してナチュボンと、「天国の口、終わりの楽園」、そして「ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜」の3本。前の2本はマリカルメンセレクション。「なんでいまさらナチュボン・・・」とも思ったが、久しぶりなのでまぁ良しとした。
ってことで、映画の感想
【Buñuel y la mesa del rey salomón】(ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜)
【点数】2.7点(5点満点) 【スペイン語のわかりやすさ】8(最高10)
【制作年】2001年 【制作国】スペイン・メキシコ・ドイツ 【監督】カルロス・サウラ 【公式サイト】なし
【キャスト】カルロス・サウラ、ペレ・アルキリュエ、アドリア・コラド、エルネスト・アルテリオ、エル・グラン・ワイオミング、ファン・ルイス・ガリアルド、アミラ・カサール、ジャン=クロード・カリエール
【感想】
この映画、何からかいていいかよくわからん。監督からかな・・・。カルロス・サウラは結構有名。いや、かなり有名といっていいかも。「カルメン」があるからだ。最近だと「サロメ」(見てないけど)も結構どど〜んと宣伝してたし・・・さっき調べたら「カラスの飼育」も彼だった。ホセ・ルイス・クエルダだとさっきまで思ってた。今は見る影もないアナちゃんが子役ででている映画。内容は・・・まぁ、推して知るべし。
ジャンルとしてはファンタジーといえばいいのか、一応アドベンチャーなのか?スペインの芸術界ではかなり有名な、ブニュエル、ロルカ、ダリが主人公のアドベンチャー。「なんのこっちゃ?」ってなりそうだけど、そうなのだからしょうがない。舞台は、あの美しきトレド。なんどいっても心がときめいてしまうあの街だ。スペイン映画で宗教がらみの「謎」というとたいていトレドがでてくるが、そのあたりはトルケマダの功績(といったらまずいのだが)もでかいのだろう。イスラム、ユダヤ、キリスト教・・・いろいろるつぼってるからな。
3人はリアルな世界でも友達同士なのだが、その3人がトレドで「ソロモンのテーブル」なるものを探すのだ。そのソロモンのテーブルを発見してしまうと、イスラム・ユダヤ・キリストの均衡が崩れてしまう・・・という曰く付きのお宝らしい。ちなみに、実際にそのソロモンのテーブルは神殿で見つかってるとのこと。
宗教的な部分はぶっちゃけわからないでもなんとかなる。服装ですぐにわかるというのもあるが、映画のテーマ自体、さりげなく触れているだけで、メインとなってない。ただ、ブニュエル・ロルカ、ダリの3人辺りは映画を見る前に知らないとつらいかも。ダリは日本でもかなり有名で、一度くらいは彼の絵をみたことがあるという人が多いだろうが、ブニュエルやロルカは微妙だろう。ロルカはポエマーで、スペインで知らない人はいないだろうが、日本では・・・う〜ん・・・おそらくおいらの周り10人に聞いても2人程度な気がする。ブニュエルはスペイン映画好きなら絶対知っている大御所だが、日本での知名度はこれまた微妙だろう。
スペインでダリ展やらブニュエル展あたりがやっいたら「アンダルシアの犬」がまず見れる。もう、一度みたら「うぎゃ〜〜〜〜!!!」ってなるショートフィルム。カミソリが怖くなる。今回もそれを意識してか、目のドアップがある。ただ、カミソリではなく、コンタクトであったが・・・すげ〜びっくりした。
要はいろんな意味で頭の中が常人離れした3人が仲良く宝探しをしようって映画なのだが、現実と夢がごちゃまぜで、最後までなにがなんだかわからじ。難しいということではない。抽象的なまま終わってしまう。
正直、映画としてはかなり微妙。いや、つまらないといっていいだろう。ただ、問題は飽きずに最後までみれたという点。ダラダラしつつも、しっかり見てしまった。
理由はなんとなくわかる。
まず音楽がかなり良かった。特にトレドのメスキータで渋いフラメンコの曲が流れるのだが・・・それがかなり良い。オープニングとエンディングでも使われている、別のフラメンコの曲も哀愁がただよっていて、ちょっと心がふるえる。
お次は舞台がトレドってところ。後半はインディアナ・ジョーンズみたいになってしまったが、パラドール(国営ホテル)から眺めるトレドは小さいノートPCの画面でもみても美しい。そして、迷路みたいな路地裏・・・。映画のために雰囲気をいっそう怪しくさせているのだが・・・それがまたトレドの雰囲気にあってて◎。
最後は、スペイン語のわかりやすさ。なんか知らんが、エライわかりやすいスペイン語であった。外国人向けに作ってるのか?はたまた、メキシコとドイツとの共同合作だからというのもあるのか?抽象的な表現、詩的表現が多い・・・というか、メインなので、字幕なしで見るのは不可能だが・・・いや、映画自体どうでもよかったから、そこはわからんでも問題ないかも・・・スペイン語の勉強にはもってこいかもしれない。
ぶ〜ぶ〜いってる割には点数は2.5点超えで高いのは、最後の3点につきる。映画だけだったら・・・そうね〜1.8点くらいかな。もしかしたら、彼らと同郷のスペイン人なら楽しめるのかも。岡本太郎と黒澤明と中原中也あたりが一緒にでてるような気分なのかも。3人に交流があるかどうかまでしらんけど・・・。