Conservador

「続きは明日書く」とか書いてしまったが、明後日になってるし、別に続きらしい続きがないことが判明。

とりあえず、書けるだけ書こう。

長尾と合流することになったので、駅に近いこっちまで来てもらうことにしたのだが、「今はいったばかりなんだよ」といわれてしまい、うちらが行くことになる。

向かうは新宿三丁目のど真ん中にあるという、沖縄料理「海森」。到着した時点ではまだ10時半前だったのだが、すでに終電で帰る気はなかった。Aunque 呑みはじめてもないのに。

というのも、最近・・・というか、今の石積み場に入ってからな気がするが、見事なほどConservadorになってきている気がして不安なのだ。好きな四字熟語は「前後不覚」なおいらとしては、ゆゆしき自体なのだ。

Conservadorといえば、ちょうどパウロ二世がなくなったとき、おいらはスペインでひきこもり中で、次のパパ〜を決めるコンクラベをテレビでず〜〜っと見てた。Santiがコンクラベについて色々教えてくれたもんだから、昭和天皇が病気の時のような感じで、ついつい気になって見てしまったのだ。

で、最終的に、ベネディクト16世が選出され、スペインの新聞にも当然でかでかと三面記事が載っていた。クリスチャンでもないし、パパ〜にそれほど興味があるわけじゃないが、新聞によると、およそ1000年近くぶりにドイツ人の教皇が選ばれたとかなんとか書いてあった(嘘かも)。

意味もわからずすごい気がして、周りにいるドイツ人・・・CoraやKristinに「ドイツ人すげ〜やん」ととりあえず褒めたというか、お祝いをしたのだが、冷静に考えたら、彼女たちはプロテスタント(日本と同様、それほど熱心なわけでもない)だったので、パパ〜自体に興味がなかった。

「まぁ、私たちにはあまり関係ないけど・・・」と前置きをいれて、苦虫をつぶしたような顔で、Coraはこう曰った。

「でも、彼すごいConservadorよ!それにもうかなりおじいちゃんだし・・・適当な人がいなかったから、とりあえず先が短そうな彼を選んだのよ。それに、彼、同性愛者を認めないのよ。今の時代に合わないと思うわ・・・中絶はわかるけど・・・」

と。

かなりのお気に入りであったCoraが「Conservador」を嫌な意味で使ったので、それ以来、その単語はおいらの中で禁忌になった。ちなみに、辞書で調べると「保守的な」という意味ででてくる。

そんな禁忌の単語に、ここ最近のおいらは当てはまってる気がしてきて、こりゃいかん・・・と慌て始めたのだ。

activoに行くのだ。activoに。野獣のように。がつがつと。

そんなことを思い出しながら、店の扉を開けると、店は思っていたよりもせまく、入ってすぐのところに長尾がいた。しかも、女の子といた。

まぁ、「今、友達といる」って言った時点で、男といるとは思わなかったが・・・これまでの経験上、長尾が「友達」という場合は、必ず女の子だ。男の場合は、たいてい名前知ってるメンバーだったりするし、同じ友達なのに、その場合「今、男といる」という。なんか不思議だ。

初対面同士が多かったので、長尾といつものトークをする。これまで何度となく話したネタなので、タイミングなんぞはかるまでもなく、息は抜群にあう。とりあえず、それで場を和ませ、いろいろな話をした。

何の話したんだっけかな・・・。

木村カエラ中谷美紀に、「つきあってください」と今いわれたらどうする?とかいう質問をされた。中学生かっ!って質問だ。

「いや、初対面でしょ?無理だよ〜」
「おまえ、バカじゃないの?」
「え〜〜〜だって、おいらのことしらないやん」
「あほか!そんなんあとからでいいだろうが!」

助けを求める意味を含めて、長尾の友達の子や、ねねちんの目をみたが、どうも両方とも「長尾派」のようで、首をひたすら頷いていた。

しかし、どう考えても、自分がおかしいとは思えない。

「いま、ここにいて好きになられたらどうするんだよ!」

納得いかないらしく、執拗な長尾の攻撃は続いた。

「いや、それならつきあうよ」
「何が違うんだよ!」
「だって、ここにいるってことは、誰かの友達ってことでしょ?」
「友達ならいいのかよ」
「それは別でしょ・・・友達の友達だもん・・・」
「意味わかんねぇ〜」
「おいらが嫌だっていったのは、突然、その辺歩いてたら言われたら嫌なのよ。怖いから。」
「でも、中谷美紀だぜ?木村カエラだぜ?」
「そこに深津絵里きてもダメだってば。怖いって。」
「バカだ・・・バカだ・・・」

同じ話が延々と続きそうだったので、話を変えた。

そういえば、ねねちんから合コンの提案があった。

合コン・・・なんて懐かしい響きであろう。そして、そこはかとなく不毛さを感じる響きでもある。

おいらが最後に合コンらしい合コンにいったのは大学一年生の夏が最後だ。その後は、あまりの無意味さに、全く行かなくなった。

そんな話をしたら、またもや長尾がかみついた。

「おまえがいつも企画してるの合コンじゃねぇ〜かよ!」
「え?あれが合コン?あれはFiestaだ。Fiesta」
「違うって、合コンみたいなもんだって」
「ええ〜〜〜!!そうだったの?でも、おいら10人いたら9人は知ってるんだよ?それでも合コンなのか?」
「合コンだ」
「・・・・まぁ、みなにとっては合コンなのか・・・・確かに言われてみれば・・・そんな気がしないでもない。」

そういや、話の流れ上、「長尾って、よく合コンいってるよね〜」っていったら、長尾の友達・・・名字なんだっけかな・・・がショックを受けていた。

さっきのお返しとばかりに、前のFiesta de Navidadの時に、前日合コンにいった長尾が、同じくおいらの友人の子とその合コンであったらしく、小さなバトルがあったことを話してやった。

あのときはさすがにおいらもびっくりした。

その子が、おいらに「私・・・あの人知ってる・・・」と耳打ちするのだ。

「え〜〜そんなはずないよ・・・あいつ、おいらの中高の同級生だって!」
「でも知ってる・・・昨日あった・・・」
「????」

そのときはわからなかったが、あとで前日の合コンに二人とも参加したという話をきき、「あ〜これが"世間は狭い"っていうやつか〜」と一人感動。

話がそれた。戻そう。

で、なんとな〜く、その子、長尾を気に入っているような匂いがしてならなかったのだが、それがちょっと確信に変わった。ねねちんあたりは、どうも見たときから、そう思っていたらしく、「二人、良い感じだよね〜」と、本人たちにしきりにいっていた。最初は「なんで、そんな褒めちぎるんだ?」と思っていたが、そのときようやく納得した。さすがは、経験値高いだけある。

ねねちん系の合コンとなると一つだけ心配がある。全員、ねねちん系だったら、もうおいらは勝てない。トークの主導権をもっていくとかも無理。明らかに、おいらよりも強い。そのねねちんが「とても仲の良い友達」といったら、おいらは野ウサギのようにおびえるしかない。だが、合コンのエサにあらぽんを誘おうと思っているので、あらぽんも同時に守らなくてはいけない。じゃないと、あらぽんがエライことになる。長尾はほうっておけばいい。いつ、どこで、何人でやるとか、具体的なことはまったく決まってないのだが、やるとしたら、あらぽんとは違ったタイプのエサも用意しなくては。やっぱ男前だな。男前。ただ、心当たりがない・・・。

とりあえず、見つかる予定のその男前にすべてを託し、おいらは無我夢中で呑む。呑む。左脇をえぐりようにして、呑むべし!おいしいVinoが呑めるところがいいな・・・

それにしても、30半ばが近い人間が集まる合コンって、どんな具合なんだろう。意外と冷戦みたいな駆け引きとかあっちゃったりするんだろうか?それとも、ただひたすら呑むんで騒ぎまくるのだろうか?ドラマにあるように車のキーとかもっていかなくちゃいけないのだろうか?おいらの車のカギには、巨大頭の芥子蓮根キューピーがついているのだが・・・。想像がまったくつかない。

まぁ、ネタ的には面白そうだ。ねねちんがいっぱいいるとなると、人生勉強になりそうだ。

話が一段落ついたところで、ふと終電を思い出す。

お「そういえば・・・もう終電いっちゃったよね?」
長「あっ!もう3時半だよ・・・始発の方が近いよ」

誰か一人は「終電」と言い出すと思っていたが、終電の「し」の字もでてこなかった。なんかスペインひきこもり時代を思い出して、にんまりしてしまった。

まぁ、そもそも、スペイン(バレンシア)には「終電」という概念自体がないのだが・・・。以前、Manoloに終電という意味で「Ultimo tren」という単語を使ったら大爆笑されたくらいだ。Madridあたりになると「終電」の概念はあるかな〜と思ったら、ギリギリ「終バス」くらいであった。あ、でも、メグと呑んだときは日本語で「終電」と使っていたかも。

終電の心配もなくなったので(心配してないが)、始発までのんべんだらりと飲み続ける。話は合コン話から、「男は昔の友達を大切にするが、女は今の友達を大切にする」というねねちんの発言からはじまったテーマにうつる。

ねねちん曰く、「男は、昔の友達が、昔の友達と、昔の友達に・・・」と兎に角、昔の友達の話が多く、また大切にするというのだ。女の子も、昔の友達は当然いて、仲良くしているのだが、今の友達との時間を大切にするというのだ。

最近なにかあったのかしらんが、イマイチよくわからなかった。

昔って、どれくらい昔なんだろう。その「昔」の定義自体、男と女で違うんじゃないのかね?おいらにとって「昔」っていったら、やっぱ中学、高校くらいかね。大学だと「昔」は使わないかな。

昔か・・・今度、皆に、「昔」の定義聞いてみよう。


ってことで、今日はVinoはあまり呑めなかったが、かわりに泡盛をしこたま呑み、良い気分で、長尾と一緒に帰宅。バビロニアで呑んでるのに、なぜか長尾は小田急線をつかわなかった・・・。

家についたのは、朝6時半。

久しぶりの朝帰り。

少しだけConservadorから逃げ出せた気がする。

この日はいうまでもなく、夕方まで爆睡した。

追記
意外と書くことあったが、まとまりないな〜。