プラハの春

とりあえず、今日の日記から・・・。

帰国してから2年。平々凡々なおいらの生活において、ささやかな楽しみになっているのが昼休み中と帰りの電車での読書(※行きは音楽聞きながら爆睡している。)

なんか知らんが、おいらを「読書好き」と思っている人がたまにいるのだが、あまりに本を読むのが苦手で、夏休みの宿題の「読書感想文」に自分が勝手に考えたお話について感想文を書いて逃げたことがあるくらい本は読まなかった。

今になって思うが、当時、本が嫌いだったわけではなく、落ち着きがないから、座ってじっとするということが苦手だったんだと思う。それもつい最近まで。

ただ、全く本を読まないというわけでもなく、例外として、妖怪もの、ファンタジーものは小学生のころよく読んでいた。指輪物語もそのころに読んでいたから、ロード・オブ・ザ・リングの時「なんでいまさら?」という感じであった。当然見たが。

中学生あたりからは歴史小説はこよなく愛するようになる。これは読書だろう。うん。あと、読書という感じではないが、地図は大好きだった。日本地図もそうだが、やっぱり世界地図。でもって、辞書とか事典的なもの・・・特に図入りのもの・・・はとても好きであったが、普通の小説と呼ばれる類の本は、ほとんど読んでこなかった。

だから、友達の家にいって本がたくさんあるとすごいかっこよく見えたものだ。滅多に本なんか読まないおいらは「図書館で本を借りる」なんてことは絶対しない。なぜなら、少しでも、その本を読む友達たちに近づきたくて、部屋にある本の数を増やしそうとしゃかりきだったのだ。たまに読みたいのがみつかると、必ず購入して、読後は「見栄え」として本棚に飾ったものだが、まぁ、がんばってみたところ、まったくもって冊数は増えなかった・・・。

おいらが普通の小説に興味を持ち始めたのは、ホントつい最近のこと。スペインひきこもり中、帰国した人間が邪魔でおいて行った本が、たまりにたまってうちにどどど〜んとやってくることが多くなったのだ。半長期滞在者のメリットってやつだな。バスラ、バスラ。

呑む以外特にすることはなく、さらには周りはスペイン語ばかりで、日本語の活字に飢えていたのもあり、なんとなく、それらの人がおいていった本を開くようになった。

偶然というよりは、必然な気がするのだが、その置かれていった(捨てられたというべきかも)本は、かなりの少数精鋭であったと思われる。わざわざトランクのスペースを割いてまで、旅や、留学にもってくる本なわけだから、その捨てていった人たちが特に好きな本なのだろう。というのも、それらの本は新しい本というよりは、どちらかというと、前に一度読んだんだけど、好きな本だから、スペインでも読もう・・・と、わざわざ持ってきたという感じがする本が多かったからだ。あくまでおいらの直感だが・・・。

ってことで、その捨てられた本のおかげで、おいらは読書に目覚めた。最初は、「あ〜彼(彼女)はこんな本読むのか〜」と、その本を選んだ人間のタイプと、自分がもっていたイメージを重ねてみて楽しんでいたが、冊数が増えるにつれて、本自体にはまりだした。

その時の楽しさが忘れられず、また自分で選ぶと、どういうわけか歴史小説ばかり買ってしまうので、今でも友達に「オススメの本教えてくれ!」と教えてもらって、それを買って読むようにしている。

って・・・なんか、このネタ何度か書いた気がする。

話をすすめよう。

一ヶ月ほど前、BOOK OFFで本を物色していた。いまのおいらの昼休み中のささやかな幸せのための本だ。そこで、ジャケ買い・・・違うな・・・装丁買い?いや、それも違う・・・タイトル買い?・・・で即買いした本が春江一也氏の「プラハの春。タイトルをみて「うおっ!」と思って迷うことなく購入した。そこそこの厚さのある文庫本が上下巻ある。

スペイン贔屓をうたっているおいらとしては、あまり大声ではいえないのだが、実はチェコに行って以来、かなり気になる存在になりつつあるのだ。スペインの歴史も面白いのだが、チェコの歴史もかなり面白いのだ。チェコというと「プラハの春」前後について、多少は知っていたが、まったく意識していなかった中世を調べてみたら、あらあらあらあら・・・断片的にしか持っていなかったヨーロッパの歴史の知識とつながる部分が結構あったりして、なんとも楽しいのだ。

細かく書くとエライ長くなりそうだから端折るが、とにかく本命で好きな子はスペインなのだが、なんとなく気になって、たまに会いたくなってしまうのがチェコなのだ。

話が飛びまくりだが、かな〜〜〜り昔の話・・・22歳くらいのころだろうか・・・、「コーリャ愛のプラハ」という映画をみた。面白いような、つまらないような、でもとりあえず、「面白い」っていっておいた方がよさそうな映画・・・という感じで終わった映画であった。

で、この前、プラハにいったときもわざわざ「プラハ!」という映画を持って行って、プラハの宿で、チェコビールを呑みながら鑑賞したのだが・・・なんかイマイチ臨場感がない。男も女もはっちゃけてるんだけど、ただの青春映画としても全く面白くないし、感情移入もできない。

で、つい最近みた「チェコ映画祭」のアニメ。当時を社会風刺したような作品が結構あったのだが・・・その時代の「程度」がやはり理解できてないため、シニカルなのだが、おそらくチェコの人でないとわからない面白さなのだろう。スペイン人のジョークをうちらが笑えないのと同じだ。

だが、この本を読むと、上の3つの映画をきちんと楽しめてなかった理由が、すべておいらの知識不足にあるということを思い知らされた。日本の学生運動時代や、安保闘争時代について、なんとな〜くどんなことかはわかるが、当時の大人たちが騒ぐほど熱いものがこみあげてこないのと同じだったのだ。

まぁ、当然といえば当然だ。

この本のすごいところは、そんなバックボーンもなにもないおいらにたいして、文章だけで「すげっ〜〜!こんな時代だったのか〜」と、上の映画だけではほとんど理解できなかったところを、かなりの程度・・・すくなくとも、「程度」の上では、かなり理解させてくれたことだ。筆者が元外交官だけあって、経験や実体験に基づき書いていているからか、妙にリアリティーがあるのだ。

登場人物ももちろん架空の人間もたくさんでてくるが、史実の人物もかなりでてくる。メインとなるのは当然チェコだが、DDRハンガリーソ連ポーランド・・・と、小学生くらいのときにテレビで幾度となく聞いた「冷戦」の時代の主要国を所狭しと駆け回る。資料に基づいているとはいえ、まだ50年も経ってないのに、ここまでキャラ付けしちゃっていいの?と心配になるくらい、史実の人物たちが、この本の中では、生き生きとしている。

一応、「ラブロマンス」とい背表紙にはかかれているが、歴史小説としてもとても楽しめる作品だ。ちなみに、この人・・・春江一也氏・・・むちゃくちゃ文章うまいと思う。おいら好み。

カタカナの名前が多いし、多少なりとも歴史を知らないと、または興味がないとぶっちゃけ食いつきづらい本かとも思う。が、東欧(今はもう東欧とは言わないが)行くなら是非とも読んで欲しい本だ。おいらも今になって、深夜特急じゃなくって、こっちの本もっていけば良かった〜〜!と後悔した。これ読んでれば、もっとハンガリーチェコを楽しめたに違いないのに!!と。
(※深夜特急は最初の方・・・アジアのあたりはとても面白かったが、後半は微妙であった)

この「プラハの春」には、なんと続編もあった。その名も「ベルリンの秋」。プラハの春に続いて、こちらもベルリンの壁崩壊までを時代背景として描かれたラブロマンスだが、プラハの春同様、歴史小説としての方が強いと思う。というのも「プラハの春」よりも、ラブロマンス要素が重々しすぎて、そちらは途中から感情移入できなくなってしまった。できなくもないが、怖くて逃げ出しそうになる。主人公堀江亮介のように、あそこまで覚悟を決めれんわ。

足を棒にして、一日かけて、旧東ベルリンを歩いたおいら。マジで泣きそうだったが、おかげで東ベルリンをたっぷり堪能することができた。そう思っていたが、この本読んでいけば、チェコ同様もっと楽しめたに違いない。妄想しまくりだったに違いない。本当に悔しすぎる。

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・・・ダメだ・・・やっぱ読書感想文は得意じゃないや。


日記に戻る。

ってことで、今日ついに上に書いた「ベルリンの秋」(上・下巻)を読み終えてしまう。読んでは調べ、読んでは調べ・・・そして、登場人物が「あれ?これどこの書記長だったっけ?」と「なにしたやつだっけ?」と、ページを戻ったりしたから、かなり時間がかかったような気がするが、満足度十分な本であった。

で、今は、一昨日くらいに買ってきた、おかむんオススメの川上健一の「翼はいつまでも」を読み始めた。前知識なしで、すすめられるがまま読み始めたから、どんな話かわからないが、ビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」な時代なようだ。山形ではsexoのことをヘッペというらしい。へぇ〜って感じだ。

そういえば、これを書いておかなくては・・・

プラハの春に感動したあと、藤沢周平の用心棒シリーズをすべて読破し、佐知に恋した。いや〜佐知、最高だわ!その話をねねちんにしたら、なんか苦虫つぶしたような顔してたが。女性から見ると佐知はイマイチらしい。男からみたらあれは最高でしょ。絶対に。長尾あたりは確実に賛同してくれるはず。ただ、ドラマ版は黒木瞳ということが判明し、ちょっとがっかり。黒木瞳は美しいと思うが、佐知のイメージではない。


春になったからか、珍しい人から連絡が来た。一人目は前の職場・・・賽の河原の子。在石積み場中は、ほとんど口をきいたことがなく、辞めてから2回ほど、ヘケットさんやラクシュミさんなどを含めて呑んだことがあるくらいで、あまり知らないのだが、明るくて良い子であった。当時・・・あだ名なににしてたっけかな・・・ラミアだっけか・・・調べたらラミアだった。

その子が、なんとうらやましいことに6月にスペインに行くらしい。ついては、自称スペインの伝道師、スペインと日本の架け橋、スペインの水先案内人である、おいらにいろいろ教えて欲しいというのだ。

わ〜い、久しぶりのライフワークだ〜。

何が楽しいって、酒呑みながら、スペインの話ができる・・・これほど楽しいことは世の中にそうはないんじゃないだろうか。

どうでもいいが、ライフワークって和製英語だろうか?スペイン語だと、El trabajo de la vidaになるのか?

あった・・・El trabajo de toda su vida・・・って例文にあるや。


久しぶりといえば、ママ(瑞穂姉さん)からも連絡があった。なんかHPを三年間ほったらかしにしていて、バイトがどうとかで、「焼酎ともつ鍋とラーメンとホルモンをごちそうするけんこんね〜」とのお誘いだった。

九州弁でいわれたら、おいらはもう抵抗できんちゃね。

パパにも会いたいしな〜。早く会わないと、「他人」にされそうで怖いし。電話だと、なんか他人行儀なんだよな〜パパ。

九州いくなら1週間くらいと思っているのだが、今年は夏あたりにスペインにもいかなくてはいけない。スペインは最低10日間は行きたい。そうなると、有給の関係でどうしても、九州が短くなる。でも、そろそろ九州上陸を真剣に考えないといけない。

明日あたりカレンダーとにらめっこしてみよう。

石積み場やめれば、すべての問題は解決するんだけど・・・またそれやるとな〜。