あなたになら言える秘密のこと

近所のTSUTAYAで、ユーゴスラビア関係の映画を2本ゲット。

あなたになら言える秘密のこと
・セイビング フロム エネミーライン

の2本。

「セイビング フロム エネミーライン」の方は昨日までのリストに入っていないが、これは偶然の発見。どこぞのサイトに書いてあった「エネミーライン」は、パッケージをみた結果、あまりに関係なさそう(トップガンが引き合いに出されていたし)なので即却下したのだが、近辺をみていると、まぁ〜なんと「エネミーライン」を冠する映画の多いこと、多いこと・・・何がどう違うんだ・・・と見比べるために最初に手にしたのが、この「セービング フロム エネミーライン」。

完全にボスニアが舞台の映画で、もしかしたら、上で書いたどこそのサイトも、この映画と間違えて書いてしまったんじゃないか・・・と思えるほど。

まだ映画の方はみてないが、パッケージとそこにかかれている内容から、あまり期待できそうな感じではない。とりあえず、みてみるが・・・。

で、夜中・・・どちらをみるか迷ったあげく、「あなたになら言える秘密のこと」をみてみることにした。

The Secret Life of Words(あなたになら言える秘密のこと

あなたになら言える秘密のこと

【点数】3.8点(5点満点) 

【制作年】2005年 【制作国】スペイン 【監督】イザベル・コイシェ、アグスティン・アルモドバル(制作総指揮) 【公式サイト】なし
【キャスト】サラ・ポーリーティム・ロビンス、ハビエル・カマラ、レオノール・ワトリング

【感想】(ネタバレありの可能性大)
監督は「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ。だれそが、「死ぬほどつまらない」といっていたので、みてはいないのだが「パリ、ジュテーム」もそうらしい。制作総指揮のアグスティン・アルモドバルは、ペドロ・アルモドバルの弟なり。

で、「死ぬまで〜」がテーマはともかく(結構日記でも使った記憶があるので、なにも言えない)、なんかストーリーがいまいち散逸で微妙だったため、正直期待していなかった。スペイン映画ということと、ユーゴスラビアが関係してくるということでなければ、おそらくみてないと思われる。

とりあえず、あらすじ。例のごとくgoo映画からぱくってきた。

あらゆる感情を封印したかのように誰にも打ち解けず、黙々と工場で働くハンナ。その真面目過ぎる働きぶりを上司にとがめられ強制的に取らされた休暇中、思いがけないことから油田掘削所の事故で大怪我をした男・ジョゼフの看護を買って出る。向かった先は海に浮かぶ油田。そこには陽気で腕のいい料理人をはじめ風変わりな男たちが働いていた。彼らと生活を共にするうちにハンナは次第に笑顔を取り戻して行くのだが…。


ででで・・・冒頭から、文句たらたらだったけど、結構楽しめてしまった。ハンナの変化が楽しくて、食い入るいうに見てしまった。おもしろかった。おもしろかった。スペイン語でないのが残念だったが・・・。

「死ぬまで〜」同様、脇役にいろいろと伏線はりまくっているのだが、最終的には何事もなかったかのように終わる。コック役のサイモンがおいらの大好きなハビエル・カマラで、彼のストーリーもかなり期待していたのだが・・・なんだったんだ?あれ・・・。

それにしてもハビエル・カマラもだいぶ老けた気がする・・・あれは役どころで、あんな風に見えるのか?Hable con ella(邦題:トーク トゥ ハー)の時は、もっと若々しかった。

Hable con ellaといえば、今回の映画では超脇役であったが、キャストにわざわざ書いといたレオノール・ワトリングも老けた感じがした。Hable con ellaの時は、それはそれはもう・・・・それ以上に、「マルティナは海」の彼女ときたら、エロいのなんのって・・・。日本人の女性の場合、30歳あたりからはもう、あまりに変化しないので、見ても年齢がさっぱりわからないが、スペイン人はそうではないのかもしれない。まぁ、あのGuapaな状態のまま、綺麗に年をとられたら不平等ってやつだよな。風吹ジュンみたいなのは日本だけで十分だ。

おいらが一番気に入ったシーンは、ハビエル・カマラ演ずるサイモンと、サラ・ポーリー演じるハンナがブランコに乗るシーン。あの手の青春が皆無なおいらは、身をよじりながら「これやってみて〜〜〜!」と夜中に叫んぶ羽目になった。

このあたりになるとハンナはだいぶ笑顔をみせるようになってるわけだが、最初のころの威圧的で、誰にも心を開かない状態をずっとみてきてるので、なんとも幸せな気持ちになれる。30歳超えたあたりから、声を大にして唱えているが、やっぱ笑顔は大事だって。

「死ぬまでに〜」のときはおいらのレーダーがまったく反応しなかった、主演のサラ・ポーリーなのだが、今回は、レーダーが反応しまくり。なんだろ・・・今回の役どころがツボにはまったんだろうか?出し惜しんで、出し惜しんでの笑顔にやられたに違いない。クロアチア人役だったもんで、少なくともそのあたりと勝手におもっていたのだが、なんとカナダ人。まぁ、たしかに、ユマサーマンとかノニーに似ていると思ったから、納得はいくのだが・・・スペインで知り合ったポーランド人のエヴァにも似ていたしな・・・。むむむ。

ティム・ロビンスについては特になし。もともと好きな俳優だし・・・。ティム・ロビンスというと、たいてい「ショーシャンクの空に」あたりがあがるが、おいらが好きなのは「未来は今」。思い出してはついつい借りてしまう映画だ。

映画の話してないな・・・。そうだ、ユーゴスラビアだ・・・。

ユーゴスラビア・・・今回の場合、クロアチアになるのだが、それがかなり重要な部分になってくる。風景こそないものの、一昨日くらいにみた「ノー・マンズ・ライン」並に、紛争の悲惨さは十分伝わってきた。これから行く旅のためにみたとはいえ、少々ダメージが強すぎた。

正直、2つの世界大戦くらいまで話しが戻ってしまうと、区分として「自分が生まれる前」というフィルターを通して見てしまうが、今回の話は、たかだか20年前の話。もうとっくにおいらは生まれている。つい最近とはいわないが、十分最近だ。

ちょっとクロアチア行くの怖くなったさ。

で、最後に。

なんか小さいストーリーが生まれそうで生まれないモヤモヤ感は結構残ったが、そのあたりは見ている方で勝手にやってくれということなのだろう。「みなまでいうな」な映画は大好きなんだけど、もう少し広げてほしかったな〜とは思う。結構、いわくありげな脇役いたしさ。

あと、最初からわかっているとはいえ、どうしてジョゼフだったのかが、いまいち納得いかん。彼の秘密は最後の最後のための伏線としか役立ってないし、ほかの秘密も、わかるけど、なんというか・・・バランスが釣り合わない。ジョゼフはジョゼフで、結構短絡的な気もするし。あれだったら世界中の看護士さんが・・・。

そう考えると、やっぱ今回の映画の高得点は、サラ・ポーリーの笑顔の効果が大きいということか。うん、そうに違いない